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複業留学体験レポート「気づかなかった自分の強みを発見し、自己成長のための意識が変化した」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。

今回は実際に研修に取り組んでいただいた花王グループカスタマーマーケティング株式会社 大森様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
株式会社Diezon
https://diezon.co.jp/index.html

ー 本業での仕事内容を改めて教えてください。

新卒で入社し約11年営業を行い、最近トレードマーケティング部門へ異動になったばかりです。
弊社花王グループカスタマーマーケティングのトレードマーケティング部門は、一般的なマーケティング部門と業務領域がやや異なります。花王では、本社の事業部担当者が、ものづくりと共にマーケティングやブランディングを手がけています。ですので、私達は商品のマーケ・ブランド戦略を本社から受け、各流通線にどうやって乗せ販売していくかを考えるわけです。
いわゆるマーケティングの「4P」で言うと、「プロダクト」「プライス」は決まっており、「プロモーション」「プレイス」、つまり「どこに配架するか」「どういう風に展開するか」「どの場所に置くか」といった領域を担当します。一般的なマーケティングより領域が狭いため、複業留学では普段の業務では担当しない、ブランディングの部分をやらせて頂けたことが、凄く楽しい経験になりました。

ー 改めて複業留学に手を挙げた理由を教えてください

理由は2つあります。1つめは、法政大学田中研之輔先生のキャリア資本という考え方に感銘を受けたからです。「どんなキャリアも有益になる」という考え方です。
2つめは、大企業だけに勤めていると「世間の常識と会社の常識のズレ」に気が付かないのではないか、という危機感があったからです。他の会社に勤めたことがないため、「ずれてるんじゃないかな」という危機感を、以前から持っていました。営業として他社と関わる中で、魅力的な部分を感じることが多くあり、外の世界に興味が湧くことが増え、今回の複業留学を希望しました。

ー 複業留学で困ったことは何ですか?またどのように乗り越えましたか?

困ったことは、弊社では保有データ・リソースが豊富であるのに対し、ベンチャーではこうしたデータ・リソースがないことです。複業留学中の業務で提示いただけたのは、1つのExcelデータだけでした。そのため、さまざまなデータの角度・組み合わせで分析をかけ、仮説立てを行いました。
弊社では「データありき」で仕事が進むため、良いデータが出なかった際は分析を諦めるか、別のデータを探しに行くことが多いのに対し、留学先では、その選択肢がなかったため、自ら徹底的に分析をかけることにしました。
仮説に基づきデータを分析する中で、仮説通りに結果が出ないこともありましたが、意外な価値の発見に繋がることもありました。 今回のデータ分析において、さまざまな切り口・アプローチから考え抜くプロセスが自分にとっては良い経験になり、今後、本業にも活かせると感じています。

ー 留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

これは、2つあります。1つめは、社員の生産性を上げることにフォーカスしている点です。
弊社よりもデジタルのシステムをうまく活用し、仕組み化ができていると感じました。複業留学先は若い社員の方が多いためか、こうしたシステムにも抵抗なく、業務標準化を実現していたと思います。この点は「さすがIT企業だな」と感じました。
驚いた点の2つめは、福利厚生がとても充実していることです。弊社の福利厚生について「他社より優れている」とよく聞くのですが、複業留学先の福利厚生は弊社と比べても「凄いな」と感じました。福利厚生やダブルワークなどに関する制度については、スピード・フットワークがある中小企業に追い抜かれる可能性があると感じました。

ー 複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

複業留学先では、Eコマースサービスのブランディングをお手伝いさせていただきました。
本業では商品販売がメインですので、今回初めてサービスのマーケティングという業務に関わることができました。本業では「シャンプーをどうやって売るか」といったことを考えるため、通常はターゲットをひとりに絞って企画立案していきます。しかしサービスマーケティングでは複数のターゲットを設定されていたため、当初は業務を進める際に違和感がありました。しかし、 マーケティングのスキルやノウハウ、フレームワークについては共通している部分も多く、自分が持つ知見が活用できたと思います。
そして、本業で常に細かいところまでファクトベースでのデータ分析を求められてきた経験も、複業留学先では活かせました。取引先や社内の部署を説得するには、ファクトベースであることが必要です。そのため、こうした分析は 当たり前のことのように行ってきたのですが、複業留学先から「大企業としての基礎力」と評価を頂けました。また、打ち合わせに際しては 事前に資料の準備や自分なりの仮説・分析を用意し、手ぶらでは行かないように気を付ける、この部分も「基礎力」として自分の強みとして評価頂けたのが印象的です。自分でも気づかないうちに、本業社内での経験がスキルとなり強みになっていると感じました。

ー 複業留学の前後で何が変わりましたか?もし周りの人への影響があれば教えてください。

変わったところは2点あります。1つめのポイントは、 意識の変化です。
自分が今持っているスキルは、ビジネスの世界ではほんの一部でしか役立たないものであり、もっと多様なスキルが必要であることを実感しました。もちろん自分が今持っているスキルもある程度は有用ですが、 まだまだ色々学ぶべきことはあるという気づきは得られたと思います。本業に一生懸命打ち込むことも重要ですが、 自己成長のためには別軸が必要だと、意識が変化しました。
2つめのポイントは、 スキル面での変化です。マーケティング分野で考えると、業務におけるターゲットが「人間」であることに変わりはありません。そのため、さまざまな業界知識を身に付けると、自分の立てる仮説に深みが出ると思えるようになりました。弊社は洗剤などを売る会社ですが、洗剤の消費行動を理解する上では食品の購買行動も理解しておくべきでしょう。 「多様な知識がどこかで本業に繋がってくる」と考えるようになったのが、大きな変化です。

ー 第三者からの評価を受けてどのように感じましたか?

自分では気付いていなかった自分の強みに、気が付くことができました。
また、複業留学先から「愛を持って接して関わってくれた」という、コメントを頂けたことが一番嬉しかったです。本業で、営業を進めていくうちに、取引先を好きになることがよくあります。取引先を分析し、相手も気づいていなかった強みなどが見えてくると、「一緒に伸ばしましょう」というスタンスで営業を行っています。伸ばしていく点は、数字はもちろん、コミュニケーションしていく中で見つけられることもあります。
複業留学先では「溶け込み力」があると評価を頂きましたが、自分では結構当たり前と思っていた部分であり、今まで気づいていなかった点でした。

ー 複業留学での経験を今後どのように活かしたいですか?

マーケティングの フレームワーク、また、本業と併せてマルチに仕事を処理する能力が、今回の留学では身に付いたと思うので、これらを本業でも活かしていきたいと思います。加えて、来年もこの複業研修があれば参加したいと思う一方で、研修以外の方法も最近は意識するようになりました。研修ではなく、社外で業務委託に取り組みによるスキル向上も、模索し始めています。

ー ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

業務多忙でもない限り、やってみた方が良いと思います。 「やらない理由がない」と思えるくらい、とてもおすすめです!

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