エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた花王グループカスタマーマーケティング株式会社 中橋様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を改めて教えてください。
アカウント業務に携わっています。取引先へ弊社商品の販売施策の提案や商品物流の調整、担当店舗を訪問する営業のバックアップを行っています。
──改めて複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
変化のスピードが速い世の中で、入社して13年間、自社しか見えない環境に少なからず閉塞感を感じていました。研修の一貫でプロティアンキャリアの「会社の中でキャリアをつくるのではなく、自分自身で自由にキャリア形成をしていく」という考え方に感銘を受け、 もっと新しいことにチャレンジしながらオンリーワンの人材になりたいと思うようになりました。まずは、複業を自分の生活に組み込んだスタイルを構築することが第一歩だと思い、複業留学に手を挙げました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
一番困ったことは、情報収集です。
留学先が就活生を対象とした企業ということもあり、先方に提案をする内容が、当たり前の情報ではなく、留学生ならではの差別化した情報を提供する必要があると考えました。
乗り越えた手段としては、社内の近しい人にインタビューを行いリアルな就活生の声を収集しました。自社で就活を終えた3年目の若手メンバーに協力を仰ぎ、またそのメンバーとの繋がりで大学生にも話を聞くことができました。
インタビューで情報を集め、仮説立てをした上で打合せに臨みました。打ち合わせをおこなった後は質問や深堀しなければいけない事項を共有し、そこに関してさらに調べる・インタビューをすることを繰り返しました。
基本的に、困っていることを人に相談し助けてもらうことが苦手でしたが、ビジネスの場では 気持ちを切り替えて、必要な情報なので助けてほしいと素直に声をかけて、積極的に声をかけることが出来ました。このように、「インタビューは有効なデータであり、近しい人に話を聞くことは重要である」と、過去の研修で得た学びを今回の複業留学で活かすことができました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
留学先メンバーの熱量とモチベーションの高さに違いを感じました。
留学先メンバーは、いい意味でギラギラしていて、会話の中からモチベーションをシェアしてもらえる環境でした。一方、自社では自分の業務に忙殺されていることが多いため、他のメンバーからモチベーションを共有される機会はほとんどありません。 熱量の高い人と一緒に仕事をすることは、とても気持ちの良い環境だと感じました。
また、提案に対する議論が、前に進むための前向きな議論であることに驚きと違いを感じました。
提案や議論に対して、できないという否定的な反応ではなく、「それをやるためにはこれが必要である」「これするためには、ここをこうするともっといいかも」など、議論を上乗せしていく建設的な議論だと体感したと同時に、このような議論ができる会社は素晴らしい企業だと再認識しました。
自社の場合、知見が多いこともあり、どうしても否定されるケースが多くあります。背景や根拠があることも理解していますが、提案した側としては、やや後ろ向きな気持ちになってしまうため、 お互いに前向きになれる議論ができたことは大きな違いだと思いました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先での活動は主に2点あます。ひとつは、就活生エントリー者拡大、企業認知向上に向けマーケティング分析をおこない提案すること。そして、もうひとつは、若手スタッフに向けた研修プランオンボーディング案作成です。
普段の業務でも数値分析や仮設を立て、検証をしながらマーケティング分析や、先方へ提案を行っているので、その分析力や検証をする力、プレゼン力を活かすことができました。
研修に関しては、入社当初の研修内容や、現在行っている研修の経験を活かし、感想を踏まえて提案することができました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
新しいことにチャレンジする際のマインドが変化しました。
複業留学経験前までは、複業や新しい事業を起こすということは、一部の限られた人材ができることだという印象を持っていました。また、自社以外で自分のスキルや能力がどれだけ通用するのかが見えない状況でした。
しかし、複業留学を経験したことで、新しい環境下であれ、誠心誠意、 自分が今できることを全力で取り組めば、どんな業種であれ通用するという気持ちに変化しました。歴史ある企業で長く務めていると、生まれにくいマインドだと思います。
複業留学の有効性や、複業に対する印象の変化を、社内でも食事や休憩の合間や営業活動の移動中などに、周りに話しをして発信し続けるうちに、次第に興味を持つ人が出てきたように思います。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
自分自身が現状課題と感じていた競合分析や本質的原因の追及部分をはっきりと弱みとして評価して頂いたことで、自分の弱みの再認識に繋がり、今後の課題が明確になりました。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
今年は、複業を生活に組み込んだことで、自分の中で大きな成長を感じることができた一年間でした。複業を継続することで、まだまだ成長できると思っています。次の一年も引き続き複業を生活に組み込みながら、成長を継続しいきたいと思っています。
会社の中で複業が当たり前になることで、会社全体もいい意味で変化が起こると思います。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
確実に成長に繋がる時間だと思います。成長したい方や、今の状況から変わりたいと思っている方は、やるべきだと声をかけたいです。