オウンドメディアは単なる広報やブランディングのツールではありません。ファンを獲得し、見込み客に育て、商品・サービスを購入してもらうこと、つまりマネタイズのツールでもあるのです。
この記事では、オウンドメディアを活用したマネタイズのパターン、メリット・デメリット、導入手順について解説しています。
「オフィシャルブログで集客したいが、効果的な方法がわからない」
「オウンドメディアが流行しているが、デメリットもあるはず。やみくもに始めても効果がないのでは?」
そんなニーズや疑問をもつWeb担当者様なら必読の内容です。
オウンドメディアのマネタイズとは?
企業が所有して運営するオウンドメディアの典型は、ホームページやブログなどのWebメディアです。
そこでこの記事では、最も代表的なオウンドメディアである「ブログ」を活用したマネタイズについて説明していきます。
マネタイズの定義
マネタイズとは、端的に言えば収益化のことです。したがってオウンドメディアのマネタイズとは、「オウンドメディアを活用した収益化」と定義できます。
インターネットの発達にともない、Web業界では、いかに自社メディアを利用して収益を増やすかに関心が集まるようになりました。
それまでは、営業や宣伝を通じて商品やサービスを顧客に提供し、収益を上げるのが王道でした。
しかしネット全盛の時代になると、顧客の窓口は地域や国の境界を越え、無限の広がりをもつようになったのです。オウンドメディアを活用したマネタイズは、いまやあらゆる企業にとって重要な課題だと言えます。
マネタイズの5つのパターン
オウンドメディアのマネタイズには、広告収入、自社商品販売など5つのパターンがあります。
広告収入(純広告、アフィリエイト、アドネットワーク)
●純広告
メディアのページ内に広告表示枠を設定し、販売することでマネタイズする広告を純広告と言います。純広告によるマネタイズを実行するには、安定したアクセスが必要です。訪問者の少ないメディアに出稿する広告主などいないからです。
●アフィリエイト
オウンドメディアに商品広告を掲載し、その商品広告がきっかけとなって一定の成果が発生した場合に報酬が発生する広告を、アフィリエイトと言います。
アフィリエイト報酬が発生する形式としては、商品購入数を基準とするCPA形式(成果報酬型)のほか、商品広告の表示数を基準とするCPM形式(インプレッション課金型)や、販売サイトへの訪問数を基準とするCPC形式(クリック課金型)などがあります。
●アドネットワーク
複数のメディアに広告をまとめて掲載する広告手法をアドネットワークと言います。純広告やアフィリエイトが各メディアの広告枠を個別に販売する仕組みであるのに対して、アドネットワークは初めから複数のメディアを広告媒体とするのが特徴です。
効率よく多くの媒体に出稿できるので、メディア選定のコストを抑えつつ大きな広告効果が期待できます。
自社商品を販売する
自社商品のある企業の場合、オウンドメディアで自社商品を販売することでマネタイズできます。
記事広告
オウンドメディアが成長し、多数の読者を獲得できたなら、記事広告(タイアップ広告)でマネタイズすることも可能です。
とくに記事広告が効果的なのは次の2パターンです。
●当該メディアと親和性のあるスタートアップが、自社商品の宣伝ルート開拓に苦戦している。
●そもそも競合が多いために売上が伸び悩んでいる。
このようなケースでは、安定して多くの読者がいる既存メディアのページを間借りし、自社商品の記事広告を掲載することで、商品の知名度や売上のアップが期待できます。
セミナーの開催
企業にはたくさんの人と資本、つまりリソースが集まります。NPOや個人事業では難しい大きな事業も、企業ならば可能です。
大きな事業をいくつも乗り越えて得た知見を、広く一般ユーザーにもわかりやすく編集して公開するのがセミナーです。セミナーで自社のポテンシャルをアピールし、新たな顧客獲得につなげていきます。
有料コンテンツの制作
有料コンテンツを活用したマネタイズもよくみかけます。たとえば業界の著名人にインタビューした記事や、自社事業の成功・失敗例を詳細に分析した記事などは、単に情報をまとめただけの記事やコラムとは異なり、多くのリソースを投じて作成した知的財産と言えるでしょう。
このような大きな手間をかけたコンテンツは、有料記事として閲覧に制限をかけ、マネタイズするだけの価値があります。
オウンドメディアを使ったマネタイズのメリット、デメリット
オウンドメディアを使ったマネタイズにはメリットだけでなくデメリットもあります。双方のバランスを考えて実施することが重要です。
オウンドメディアを使ったマネタイズのメリット
●広告費を抑えられる
潤沢な広告費を用意できない企業にとって、オウンドメディアは有用な手段です。低いコストで運営しながら、コンテンツの力だけで集客できるからです。
リスティング広告に代表されるWeb広告を使って本格的に集客しようとすると、1,000万円以上の費用がかかることもめずらしくありません。オウンドメディアは、執筆や編集をインハウスでまかなえば、費用を大幅に抑えられます。
●顧客データを収集できる
マネタイズにとってもっとも大きな壁が、リードすなわち自社商品・サービスを購入してくれそうな「見込み客」の情報を集めることです。
オウンドメディアにアクセスしただけのユーザーは、まだリードとは言えません。しかし優れたコンテンツを継続して提供することで、メディアに関心をもってもらい、将来のリードに育つ可能性は十分にあります。
このようにオウンドメディアは、将来のマネタイズに向けた潜在的なリードを集めるのに適した方法だと言えるのです。
●長期的にはブランディングにつながる
オウンドメディアでブランディングするためには、自社の商品・サービスを紹介する記事に偏ると、実はかえって逆効果となることも。読者の立場からすると、「結局宣伝か!」と、うとましく感じてしまうからです。
そこで最近では、商品やサービスについては触れず、スタッフのインタビューや仕事の進め方の工夫、業界情報などをコンテンツ化するオウンドメディアが人気を集めています。
メディアから「商売臭」を消せば、メディアのファンが増えます。ファンが増えれば、コンテンツの被リンクや、メディア名・企業名のサイテーションがじりじりと漸増していくので、企業にとっては長期的なブランディングにつながるわけです。
オウンドメディアを使ったマネタイズのデメリット
●準備・成果発揮までに時間がかかる
オウンドメディアの運営は、やり方次第で費用をかなり抑制できます。しかしその反面、準備や成果発揮までに相応の時間がかかります。広告に費用をかけない手法である以上、当然の結果です。
準備時間を短縮し、早く成果をあげたいのなら、オウンドメディアによるマネタイズはおすすめできません。
●成果が出ないメディアはほぼ無風状態
オウンドメディアは、広告に頼らずにアクセスを集める媒体です。したがって検索エンジンやSNS、メルマガなど、遠回りなルートから地道にアクセスを集めないといけません。
そのため認知度が上がるまでは、「存在しないメディア」となり、アクセスが非常に伸び悩むことになります。
●参入が容易であるため競合メディアとの差別化に苦労する
オウンドメディアは少ないコストでスタートできるメディアです。参入しやすさと競合の多さはイコールですから、コンテンツを差別化しなければ、競合他社のメディアにファンを持っていかれる可能性があります。
●一度寡占が起きると後発組が上位に食い込むのが難しくなる
競合他社がすでに相当のボリュームでコンテンツを展開し、しかも多くのファンを獲得しているとしましょう。
このような場合、まったく同じコンセプト、コンテンツでメディアを立ち上げても、アクセスを確保するのはかなり難しくなります。オウンドメディアは基本的に先行優位の世界なのです。
後発組が先行メディアと戦うには、コンテンツのダブりを回避し、固有のファンを獲得していけるだけの優れたコンテンツを提供する必要があります。
オウンドメディアのマネタイズの手順
オウンドメディアのマネタイズは以下の手順で進めましょう。
メディアへのアクセスを増やす
まずメディアの存在を多くの人に知ってもらうことが重要です。その手段は、検索エンジンや広告、SNSなどさまざまあるので、企業のリソースに応じて選択すればよいでしょう。
肝心なことは、わざわざアクセスしてくれたユーザーを飽きさせないこと。ユーザーの求める情報を過不足なく提供するコンテンツを用意しましょう。
メディア内を回遊してもらう
大切なのは、むしろメディアにアクセスしてもらった後の対応です。流入したコンテンツから他のコンテンツにもアクセスしてもらえるよう、適切な誘導策を設けることは必須と言えます。
メディア内を回遊してもらうための誘導策はもれなく実施しましょう。コンテンツの全体構造を明快に示すグローバルナビゲーション、個々のコンテンツにおいて別コンテンツに誘導するローカルナビゲーション、現在地の位置を示すパンくずリストなどです。
ファン化(リピーター)
オウンドメディアは単なるキュレーションサイトではありません。この世に氾濫する情報をただまとめたような記事ではなく、そのメディアならではの情報を提供するのがオウンドメディアの使命です。
したがってその場しのぎの情報を求めるユーザーではなく、メディアのファン(リピーター)を増やし、安定したアクセスを確保しなければなりません。
メディアがファンを獲得するには、ユーザーが触れたことのない知識や体験を提供するなど、飽きさせないコンテンツを常に更新していく姿勢が大切です。
CVへの誘導
獲得したファンは、質の高い見込み客に育つ可能性があります。
したがってなんらかの形で、商品・サービスのコンバージョン(CV)へと誘導する必要があります。ただし誘導の仕方が強引だと、すぐにそっぽを向かれてしまうので要注意です。
たとえば記事の中に、商品・サービスの紹介ページへ誘導するリンクを設置するときは、何度も繰り返し設置したり、記事本文の視認性を妨げるような過度なデザインやコピーで装飾したりすることは避けましょう。CVへの誘導は「さりげなく」が原則です。
マネタイズは長期戦の覚悟を!
オウンドメディアを活用したマネタイズは、少ないコストで着手できるのと引き換えに、効果が表れるまでに時間がかかります。
長期戦を乗りきるためには、安定したコンテンツの供給を可能にする体制を確保しておくことも大切です。
オウンドメディアのマネタイズならプロクルコンテンツにご相談を!
オウンドメディアのマネタイズを実践するには、まず何よりもコンテンツの質が問われます。ユーザーは、コンテンツによってそのメディアのファンとなり、企業を深く認知する過程で、商品やサービスへの関心をもつようになるからです。
プロクルコンテンツでは、ファンを増やすコンテンツ作りをお手伝いしています。メディア制作経験の豊富なディレクターがしっかりとヒヤリング。ファン獲得に効果的なコンテンツづくりをサポートします。
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