Web広告とは、サイトやSNS、アプリなどインターネット上で表示される広告のことです。顧客の属性やニーズなどを踏まえ、ターゲット層を絞り込んで配信可能なため、高い費用対効果を期待できます。ニーズが細分化し競合も増えている現代において、「Web広告を活用し顧客の求める情報を届けること」の重要性は高まっているといえるでしょう。
Web広告には、リスティング広告やディスプレイ広告、リターゲティング広告などさまざまな種類があります。表示方法や配信コンテンツなどは種類ごとで異なるため、自社のターゲットや出稿目的に応じて最適な手法を選びましょう。
本記事では、Web広告の定義や重要性、メリット、効果的な運用方法などについて解説します。
Web広告とは
まずはWeb広告の基本について、以下2つの観点から解説します。
- Web広告の定義
- Web広告の重要性
Web広告の定義
Web広告とは、検索画面やサイト、SNS、アプリ、メールなど、Web上で表示される広告全般を指します。自社の顧客属性や「認知度アップ」「商品のリピート率アップ」といった目的に合わせて配信できる点が魅力です。Web広告の種類によっては、テキストだけでなく画像や動画も利用できます。
Web広告の重要性
現代では顧客のニーズや価値観が細分化しているため、従来のマス広告のように「不特定多数に同じメッセージを配信する」という方法は効果が薄れています。
Web 広告ならターゲット属性を絞って配信できるため、ニーズが細分化する現代においても「顧客が本当に求める情報」を届けられるでしょう。
また、インターネットの普及率も2022年時点で84.9%となっていることから、Webを通じたアプローチは必須といえます。
このように「顧客に合わせた広告配信の必要性+インターネットユーザーの増加」という観点から、Web 広告の重要度は高まっているのです。
Web広告の種類
Web広告は、大きく以下の12種類に分けられます。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- アドネットワーク広告
- ネイティブ広告
- リワード広告
- データフィード広告
- リッチメディア広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- メール広告
- 動画広告
それぞれの概要を簡単に説明します。
リスティング広告
ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに合わせて表示する広告です。サービスと親和性が高いキーワードの検索画面に配信できれば、「商品購入」「資料請求」といった自社の目的を達成しやすくなります。費用はクリック数に応じて発生するため、「成果は出ないが毎月定額でコストが発生する」という心配はありません。
リスティング広告の詳細は、以下の記事でも解説しています。
関連記事:リスティング広告とは?SEOとの違いやメリット・デメリットを解説
ディスプレイ広告
検索画面やWebサイト、アプリの広告枠に表示される広告です。検索ユーザー以外にアプローチできるため、「潜在顧客に認知させたい」といった際に活用できます。テキストだけでなく画像・動画も利用できるため、視覚的にユーザーの興味を惹きやすい点が特徴です。
リターゲティング広告
過去に自社サイトを訪問したユーザーに絞って配信できる広告です。サイトの閲覧経験があるユーザーは、少なからず自社に興味を持っています。接点のあるユーザーなら広告に親しみを持ってもらいやすいため、「自社を思い出して商品を購入する」「検討用に資料をダウンロードする」などのアクションを起こしてくれるかもしれません。
アドネットワーク広告
Webサイトやブログ、SNSといった、複数の媒体を集めたプラットフォームに配信する広告です。複数メディアへ広告を配信するため、効率的に多くのユーザーへアプローチできます。配信先を選ぶ手間が省けるうえ、ある程度ターゲティング可能なため一定の効果を期待できる点も魅力です。
ネイティブ広告
ユーザーが閲覧している記事やアプリ、SNSなどに溶け込ませて配信する広告です。配信先の雰囲気に合わせて広告を表示するため、サイトのデザイン性を損ないません。また、ユーザーへ「広告表示による違和感」を与えないため、ブランドイメージを崩さずに済む点も魅力です。
リワード広告
ユーザーが「アプリをダウンロードする」「動画を最後まで視聴する」などのアクションを起こすことで、費用が発生する広告です。ユーザーも「買い物で使えるポイント」「アプリ内の専用ポイント」などの報酬を獲得できるため、広告をクリックする可能性を高められます。
データフィード広告
主にEC業界で活用される広告です。運営者が保有する「商品名・価格・商品画像・在庫状況・ユーザーの購入履歴やサイト閲覧履歴」などの情報を、配信先のフォーマットに沿って変換したうえで、広告を掲載できます。配信先ごとに広告を作り直す必要がないため、自社の負担を軽減できる点も魅力です。
リッチメディア広告
テキストや画像だけでなく、動画やアニメーション、音声などを活用して配信する広告です。アパレルなら「洋服の着用動画」、飲料品なら「実際に飲んでいる動画」というように五感へ訴求できるため、ユーザーの意識を惹きやすく高い成果が期待できます。テキストや画像と比較して、伝える情報量を増やせる点も特徴です。
通信環境が進化した現代において、注目されているWeb 広告手法のひとつです。
SNS広告
X(旧Twitter)やFacebook、TikTok、Instagram、LINEなど、各種SNSに配信する広告です。アカウントのユーザー情報をもとにターゲティングして、効率的にアプローチできます。タイムラインに溶け込む形で表示できるため、ユーザーに違和感を与えにくいでしょう。
また、ユーザーが自社アカウントを自発的に拡散してくれれば、コストをかけずに新規顧客へアプローチできます。
アフィリエイト広告
媒体主(アフィリエイター)の保有メディアやSNSなどに、自社の広告を掲載してもらう手法です。宣伝活動は媒体主に実施してもらい、掲載した広告経由で成果が発生したら、費用を支払います。
出稿する際は、ASP(媒体主と自社の間に立って取引を仲介する事業者)を経由して依頼することが一般的です。広告の成果は媒体主の活動に左右されるため、アフィリエイターとの関係性構築も重要といえます。
メール広告
メール上でユーザーに配信する広告です。メルマガに広告を掲載したり、メール全体を広告として配信したりします。
配信形式は、シンプルな文章のみで配信する「テキスト形式」と、装飾や画像・動画・イラスト挿入が可能な「HTML形式」の2つです。自社のターゲットやサービス内容などを考慮して、適切な形式を選びましょう。
動画広告
映像と音声を組み合わせて配信する広告です。ユーザーの注意を惹きやすく記憶に残る点が特徴です。インパクトを与えられるため、自社を認知する前の潜在顧客にもアプローチしやすいでしょう。
静止画より大量の情報を含められるため、より正確に商品情報や企業のブランドイメージなどをユーザーへ伝えられます。
Web広告の課金方式
Web広告の課金方式としては、主に以下7つが挙げられます。
主な課金方式 | 概要 |
クリック課金型 | 広告のクリックに応じて課金される方式。表示回数に左右されないため、高い費用対効果を期待できる。 |
インプレッション型 | 広告が「1,000回」表示されるごとに課金される方式。新商品や期間限定キャンペーンなどの認知を高める際に活用しやすい。 |
成果報酬型 | 具体的な成果(商品購入・会員登録・資料請求・アプリダウンロードなど)が発生した段階で課金される方式。 |
配信数課金型 | 広告配信数に応じて課金額が変動する方式。配信数に合わせて費用を調整しやすい。 |
エンゲージメント課金型 | ユーザーが広告に対して、特定のアクション(アンケートへの回答・シェア・アプリ内の課金など)をおこなった際に課金される方式。 |
掲載期間保証型 | 指定の期間中は広告を掲載してもらう代わりに、一定の費用を支払う方式。表示回数やクリック数などによって費用が変動しない。 |
動画視聴型 | 主に動画広告で使われる方式。「一定時間以上視聴されたら課金」「最後まで視聴されたら課金」というタイプがある。 |
課金方式はWeb広告の種類に応じて異なるケースが多いため、自社の予算や目的に応じて使い分けましょう。
Web広告のメリット
Web広告の主なメリットは、以下の3つです。
- 自社にマッチするユーザー層へアプローチできる
- 費用対効果が高い
- リアルタイムで広告効果を測定できる
自社にマッチするユーザー層へアプローチできる
Web広告は「年代・性別・地域・購入履歴・興味関心・サイトの閲覧履歴」など、細かい項目でターゲティングできるため、自社のユーザー層に絞ってアプローチできます。顧客の潜在ニーズやリアルタイムで求めている情報などを踏まえ設定することで、自社のゴール(クリック・商品購入・ダウンロードなど)を達成しやすくなるでしょう。
顧客のニーズが多様化し競合も増える中で自社を選んでもらうには、上記のように最適なターゲットを設定し「本当に求めている情報を提供する」という意識が重要です。
費用対効果が高い
Web広告は自社のターゲット層に絞って配信するため、不特定多数へアプローチするよりも高い費用対効果を期待できます。確かに一定の費用はかかりますが、ターゲットを絞ってアプローチし多くの成約を獲得できれば、比較的短期間でコストを回収できるでしょう。
リアルタイムで広告効果を測定できる
Web広告は以下のような指標をもとに、リアルタイムで効果を測定できます。
主な指標 | 概要 | 計算式(単位は%) |
コンバージョン率(CVR) | 自社の目的(商品購入や会員登録、資料請求など)を達成した割合。売上に直結するため、指標の中でも重要度は高い | コンバージョン数÷クリック数×100 |
クリック率(CTR) | 広告が実際にクリックされた割合。広告の文言やデザインなどで数値が変動しやすい | クリック数÷広告表示回数×100 |
クリック単価(CPC) | 広告が1回クリックされるまでにかかった費用 | 広告費÷クリック数 |
Web広告の成果を数値で把握することで、目的達成までに「何が・どれくらい足りないのか?」を客観的に判断できます。
Web広告のデメリット
Web広告には以下のようなデメリットもあるため、注意しましょう。
- クリック単価が高くなることがある
- 自社に知見がなければ運用に手間を取る可能性がある
クリック単価が高くなることがある
リスティング広告のように特定キーワードで出稿する手法の場合、「キーワードの人気」に応じてクリック単価が変動します。成約率が高いキーワードは競争も激しいため、クリック単価が上がりやすい点に注意しましょう。
「ロングテールキーワードなど競争率の低いキーワードで出稿する」といった対策が必要です。
自社に知見がなければ運用に手間を取る可能性がある
Web広告で成果を出すには、出稿後に成果をチェックし、具体的な改善点を洗い出すことが必須です。しかし、自社にWeb広告の運用経験がなければ分析方法もわからないため、手間に感じるかもしれません。
Web広告の運用方法
Web広告で成果を出すには、以下の運用方法を意識しましょう。
- ターゲットおよび出稿目的を明確に設定する
- Web広告・媒体を選定する
- PDCAサイクルを回してコンテンツを改善する
1.ターゲットおよび出稿目的を明確に設定する
最初にWeb広告のターゲットおよび出稿目的を明確化しましょう。広告の文言やデザイン、最適な手法などは「どのターゲットに・どんな目的で配信して・どのような成果を得たいのか?」に応じて異なります。ターゲットや目的が曖昧だと、誤った広告施策へ費用を投下することになりかねません。
2.Web広告・媒体を選定する
ターゲットや目的をもとに、最適なWeb広告・媒体を選定しましょう。例えば「20代にアプローチしたい」という場合は、利用率が70%を超えるInstagramへの広告出稿を検討すべきです。一方で「一度自社サイトを訪問したユーザーに再度アプローチしたい」という場合は、リターゲティング広告が有効でしょう。
上記のように、明確な基準を持って最適な手法や媒体を選定することが重要です。
3.PDCAサイクルを回してコンテンツを改善する
運用後は必ずPDCAサイクルを回して、改善を繰り返します。Web広告は以下のような指標で成果をチェックできるため、改善の方向性を洗い出しやすいでしょう。
主な指標 | 概要 | 計算式(単位は%) |
コンバージョン率(CVR) | 自社の目的(商品購入や会員登録、資料請求など)を達成した割合。売上に直結するため、指標の中でも重要度は高い | コンバージョン数÷クリック数×100 |
クリック率(CTR) | 広告が実際にクリックされた割合。広告の文言やデザインなどで数値が変動しやすい | クリック数÷広告表示回数×100 |
クリック単価(CPC) | 広告が1回クリックされるまでにかかった費用 | 広告費÷クリック数 |
例えば「広告のクリック率は高いが商品購入までつながらない」という場合、クリック先ページで商品の魅力を訴求できていないかもしれません。こうしたケースでは、クリック先ページの改善が必要です。
このように、指標をもとに改善点を明確化し、コンテンツの改善を続けましょう。
まとめ
Web広告とは、インターネット上に表示する広告全般のことです。リスティング広告・ディスプレイ広告・リターゲティング広告など、さまざまな種類があります。ターゲットを絞ってアプローチできるため、高い費用対効果を期待できるでしょう。
広告の種類ごとで表示方法や響くターゲット層などは異なるため、出稿目的に応じて最適な手法を選ぶことが重要です。
Web広告を出稿する際は、毎回の運用結果をもとに効果測定を繰り返しましょう。数値的な指標をもとに改善し続けることで、少しずつ自社の望む成果へ近づけられます。
しかし、Web広告運用には専門知識が必要なため、企業によっては「最適な手法を選べるか不安」「知見がないのに運用できるのか?」と不安を感じることもあるでしょう。せっかく出稿しても、適切に運用できなければ自社のリソースが無駄になりかねません。
上記のような悩みを解消したい場合は、Web広告運用のプロへ相談することも検討しましょう。
弊社が運営する「プロクルコンテンツ」であれば、130種類・2,000名という多くの専門家の中から、Web広告運用のプロを選んでサポートを受けられます。登録している専門家は審査を通過した方ばかりであるため、安心して依頼可能です。Web広告運用のプロから正しいアドバイスを受けて高い成果を出したい企業は、ぜひご活用ください。
気になった方はお気軽にプロクルコンテンツへお問い合わせください。「とりあえず資料だけ見たい」といった内容でもOKです。