著者情報とは、記事コンテンツに記載する執筆者のプロフィール情報のことです。著者情報を記載することで、どのような人が記事を作成しているかが分かるため、コンテンツの信頼性が上がったりSEO対策において役立ったりします。
本記事では著者情報の概要や記載する主な内容、活用方法などについて解説します。Webサイトを運用している方はぜひ参考にしてみてください。
著者情報とは
著者情報とは、ブログ記事を作成者した人のプロフィールのことを指します。記事を執筆した人の名前だけでなく、過去の経歴や専門分野、取得している資格など、コンテンツの信頼性を裏付けるさまざまな情報を掲載します。
記事の信頼性を高める著者情報を掲載すれば、さまざまな効果を得られるでしょう。
たとえば著者情報が信頼に足るものであれば、記事の内容を信頼した読者が購買行動や問い合わせなどを行ってくれる可能性が高まります。また記事を読んだ読者から、著者に対して連絡が来るといった効果も期待できるでしょう。
著者情報の定義
著者情報の定義は明確に決まっていません。一般的に著者情報とは、コンテンツ作成者の身元や専門性を示す一連の情報のことを指します。具体的には以下の要素が著者情報として掲載されます。
- 執筆者の氏名またはペンネーム
- 過去の経歴
- 保有資格
- 専門分野
- 所属組織および役職
- その他、記事の内容に関すること など
このような要素を著者情報に掲載することで、読者は記事の内容に対して信頼感を得やすくなります。サイト運営者にとっても、専門性の高い人が記事を執筆していることをアピールできるでしょう。
SEOにおける著者情報の重要性
著者情報は以下2つの観点から重要な役割を果たします。
- 読者の信頼性向上
- SEO対策
上述したように、著者情報を記載することで「この記事は誰が書いたのか」が一目瞭然になります。著者情報を見ることで、信頼性が高そうな人が書いたのかそうでないのか、一目で判別ができるようになり、記事の信頼性が向上するでしょう。
また著者情報を掲載することは、SEO対策においても重要な意味を持ちます。記事に著者情報を載せておけば、検索順位にプラスの影響を与えるとなると言われているからです。記事の内容と関連した、専門性を意識した著者情報を載せることで、検索上位に掲載されやすくなるでしょう。
E-E-A-Tとは
E-E-A-Tとは、「経験(Experience)」「専門性(Expertise)」「権威性(Authoritativeness)」「信頼性(Trustworthiness)」の略称で、Googleがウェブサイトのコンテンツの質と信頼性を評価するための基準です。特に、「経験」が追加されたことで、単なる知識だけでなく、実際に体験に基づく情報が重視されるようになりました。
E-E-A-Tという言葉が注目されるようになった背景には、経験や専門的な知識がない人が、SEOだけを意識してコンテンツを制作することが問題視されています。SEOだけを意識されて作られたコンテンツは読者の役に立たないだけでなく、時には誤った情報を拡散させてしまうリスクもあるからです。
こうした状況を重く見たGoogleは、品質評価ガイドラインにて「E-E-A-T」という言葉を出すなど、検索ランキングを決める際に記事の質を重視する姿勢を明確にしています。
Googleは著者情報を認識できている
Googleは高度なアルゴリズムを用いて、ウェブページ上に記載された著者情報を正確に認識し、評価しています。これは単に著者名を認識するだけでなく、その著者の専門性や信頼性も判断しているのです。
実際、検索品質ガイドラインでは「Webサイトで記載されている内容と外部サイトで言われていることが異なる場合は、外部サイトの情報を信頼する」といったことを発表しています。
著者情報はサイト運営者が自由に書ける箇所ではありますが、ウソや誇張は書かないようにしましょう。
Googleが推奨している“著者情報”の取り扱い方
著者情報の適切な取り扱いについて、Googleは下記の方法を推奨しています。
- プロフィールページを設ける
- 構造化データで著者情報をマークアップする
1つ目は、記事とは別に、詳しい著者情報を掲載したプロフィールページを作成する方法です。記事内の著者情報では書ききれない細かい情報を記載することで、著者の信頼性を高められます。
もう1つが「構造化データ」を活用してマークアップを行う方法です。構造化データとは、ただの文字列である文章を、機械にも分かりやすいようデータを持たせた書き方をすることです。
たとえば「〇〇株式会社」というテキストを構造化マークアップすると、検索エンジンはテキストを会社の名前であると効率的に見分けられます。著者情報を構造化マークアップすれば、検索エンジンへ効率的に情報を伝えられるでしょう。
著者情報の主な内容
著者情報には、コンテンツの信頼性と専門性を示すさまざまな要素が含まれます。主な内容は以下のとおりです。
- 著者名と経歴
- 専門分野と研究領域
- 所属機関と役職
- 資格や受賞歴
- 連絡先情報
著者名と経歴
著者名とは、その名のとおり記事を書いた人の名前です。本名はもちろん、場合によってはペンネームを記載する場合もあります。
著者名とあわせて、以下の経歴も記載しましょう。
- 学歴(最終学歴、専攻など)
- 職歴(記事内容に関連する職務経験)
- 執筆歴(過去に執筆した書籍、論文、記事など)
これらの情報を記載することで、読者は記事の書き手が信頼できそうかどうか判断しやすくなります。
専門分野と研究領域
著者の専門分野と研究領域は、記事の信頼性を裏付けるうえで重要な情報です。
- 主要な専門分野
- 具体的な研究テーマ
- 関連する学会や研究会での活動
これらの情報を記載することで、読者は著者の専門性を理解し、記事の信頼性を判断しやすくなります。
所属機関と役職
著者がどのような所属機関に所属しておりどのような役職についているのかは、記事の信頼性を高めるうえで重要な要素です。
- 所属している組織(大学、研究所、企業など)
- 現在の役職や肩書き
これらの情報を記載することで著者の権威性が高まり、コンテンツの信頼性向上に寄与します。
資格や受賞歴
著者が取得した資格や過去の受賞歴は、著者の専門性の高さを客観的に証明できます。
- 記事内容に関連する専門資格
- 業界や官公庁、自治体からの受賞歴
記事内容に関連する資格や受賞歴がある場合は、積極的に著者情報へ記載しましょう。
連絡先情報
連絡先情報は、読者や著者とコンタクトを取るために重要な情報です。
- メールアドレス
- SNSアカウント
- 個人サイトやブログのURL
連絡先を載せておくことで、記事を読んだ人から仕事の話がきたり他メディアから取材の申し込みが入ったりする場合があります。可能であれば、著者情報に連絡先を載せておきましょう。
著者情報はどのように活用される?
著者情報の活用方法としては下記の3つが挙げられます。
- 著作物の信頼性を判断する
- 関連する他の研究や出版物を探す
- 著者情報を使って連絡を取る
それぞれの活用方法について、詳しく見ていきましょう。
著作物の信頼性を判断する
記事など著作物の信頼性を判断するうえで、著者情報は役に立ちます。
たとえば無記名で誰が書いたか分からない記事よりも、著者の名前や顔写真、経歴などが分かる著者情報がある記事のほうが信頼感を得やすいです。専門分野や過去の実績、肩書きなどが記事のテーマとマッチしていれば、記事の信頼性も高くなります。
関連する他の研究や出版物を探す
著者に他の研究や出版物を探すうえでも、著者情報は役立ちます。
たとえば「転職の専門家」と名乗る人が記事を書いている場合、その人が他にどのような記事を書いているのか、書籍を出版しているのか、テレビなど他メディアに出演した経験はあるのか、といった情報を探しやすくなります。
著者情報を使って連絡を取る
著者情報に連絡先を記載しておくことで、新しい仕事につながる可能性があります。たとえば記事を読んだ人から仕事で声がかかったり、テレビからの取材を受けたりするような可能性があります。また記事を読んだ読者からの声が届く場合もあるでしょう。
SEOの効果を強化する著者情報の記述方法
SEOの効果を最大化するためには、著者情報を適切に記述することが重要です。下記の方法を組み合わせることで、著者情報の効果をより高められるでしょう。
- 記事内への著者情報の追加
- 構造化マークアップの実施
- 専用のプロフィールページの作成
- タイトルへの著者名の追加
それぞれ詳しく解説します。
記事内に著者情報を追加する
著者情報の基本的な記述方法は、記事ページ内に記載することです。たとえば記事の冒頭や最後に、簡単な著者情報を記載するといった方法が挙げられます。
著者の写真や名前、自己紹介、連絡先などを記載するパターンが多い印象です。記事の信頼性を伝えたい場合は冒頭で著者情報を掲載することもありますが、一方で補足的に著者情報を載せる場合は記事の最後に掲載することもあります。
構造化マークアップを実施する
構造化マークアップとは、ただの文字列であるテキストをGoogleの検索アルゴリズムが適切に理解できるよう付与するタグを記載することです。
構造化マークアップの記述方法は現在2パターンあります。
data-vocabraly.org
構造化データの記述方法の1つに「data-vocabraly.org」がありました。しかし2021年1月30日以降、Googleはdata-vocabraly.orgのサポートを終了しております。
これから構造化マークアップを行う場合は、次に紹介する「schema.org」を活用しましょう。
schema.org
schema.orgは構造化データの記載方法の共通仕様を提供しているサービスです。日本語訳のサイトも公開されているため、気になる方は一度こちらをチェックしておいても良いでしょう。
ただし構造化データの記述は決して簡単ではありません。誤った知識やあやふやな状態での導入はWebサイトで不具合が発生する原因となります。エンジニアに相談するなど、仕組みを理解したうえで導入をすすめましょう。
プロフィールページを作成する
記事内の著者情報とは別に、著者専用のプロフィールページを作成する方法もあります。プロフィールページを作成することで、記事内の著者情報では記載しきれない、より詳細な著者情報を提供できます。
プロフィールページに記載する内容の例
- 著者の詳細な経歴
- 過去に執筆した記事の一覧
- 連絡先 など
プロフィールページを作成することで著者情報の信頼性が高まり、より高いSEO効果が期待できます。
タイトル文の後半に著者名を追加する方法も!
タイトルに【〇〇さん執筆】【〇〇さんが考える〜】など著者名を含めることで、検索結果で信頼性を伝えられます。専門家が執筆・監修していることが分かればクリックされやすくなり、多くのユーザーが自社サイトに流入してくるでしょう。
なおSEOを意識する場合はタイトルの前半部分に狙うキーワードを入れたいところです。しかしタイトルの後半部分に著者名を記載すると、検索結果でタイトルが途中で見切れてしまう場合もあります。
タイトルのどの位置に著者名を記載するか、そもそも著者名を追記すべきか慎重に判断しましょう。
まとめ
本記事では著者情報について詳しく解説しました。著者情報を適切に記載することで、読者満足度や記事の信頼性の向上、SEO対策といった効果が期待できます。
著者情報の表示は簡単にできます。Webメディア担当者の方でまだ自社サイトに著者情報を掲載していない場合は、この機会に著者情報を掲載できないか検討してみてはいかがでしょうか。
既に著者情報を掲載している場合は、著者情報が記事の内容に合ったものか、構造化マークアップを行えないか、改善点を洗い出してみるのもおすすめです。
著者情報を適切に記載し、自社メディアをより良いものにしていきましょう。