「コンテンツマーケティングとは?」と質問されたとき、あなたは即答できますか?
企業の広報や宣伝担当の方であれば、一度は耳にしているはずのコンテンツマーケティング。
しかし実際には広範な内容を含んでおり、具体的に実践することは容易ではありません。
そこでこの記事では、コンテンツマーケティングに関する知識がない方向けに、コンテンツマーケティングの基本知識を網羅的かつ具体的説明していきます。 最後まで読了することで、コンテンツマーケティングに関する基礎知識と全体の設計のコツが理解できますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツマーケティングとは?
まずコンテンツマーケティングの定義、内容を確認しましょう。
コンテンツマーケティングの定義
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報を配信することで、潜在顧客を自社メディアに誘導し、エンゲージメントを獲得するためのマーケティング手法」を指します。
コンテンツとは
コンテンツ=「中身」「内容」です。したがって、Web記事だけでなく動画配信や書籍など、企業が自ら発信するあらゆる情報がコンテンツとなります。 ただし、現代のマーケティングはWeb上で実践するケースが主流です。
コンテンツマーケティングの手法は10種類以上ある
コンテンツマーケティングで登場するコンテンツの種類は、実に多種多様です。
Webで展開する主なコンテンツは以下の通りです。
- ホームページ
- ブログ
- ランディングページ
- SNSへの投稿
- プレスリリース
- ウェビナー
- ホワイトペーパー
- eBook
これらすべてを採用し、多くのリソースを投じるのは非効率です。
そのため多くの企業は、ホームページ・ブログ・ホワイトペーパーといった自社メディアにコンテンツを集中させる傾向があります。
ただしTwitterやFacebookのようなSNSの活用は例外です。
SNSへの投稿は特段費用もかからず、マーケティング効果も高いので、公式アカウントを開設する企業が多くあります。 もっともSNSは自社メディアではないため、投稿内容に一定の規制があるなど、自由なコンテンツマーケティングを展開するにはやや不自由な面も否定できません。
コンテンツマーケティングの具体例
コンテンツマーケティングの具体例として最も普及しているのが、ブログなどのオウンドメディアを立ち上げ、記事制作を行い、ユーザーに有益な情報を提供する手法です。
ブログの導入は、既存のCMS(※)を使えば容易なので、コンテンツマーケティングではSNSの運用と並ぶ重要な選択肢となっています。
※Web制作の知識がなくてもサイトの構築・管理を可能にするシステム。WordPressが有名。
また近年は、YouTubeなどの動画配信サービスも人気です。オリジナルの動画コンテンツを作成して、YouTubeの公式アカウントやニュースメディアで配信する企業も急増しています。
さらに2020年以降の傾向として、コロナ禍の影響から、企業が開催する従来型のセミナーがウェビナー(※)へと形式が変わるケースが一般化しつつあります。
このようにコンテンツマーケティングの具体的な手法は、その時々の時代の趨勢を反映しながら変化していくのが特徴です。 ※ウェブ+セミナー。会場参加型ではなく、Zoomなどを活用して行うオンライン型のセミナー
コンテンツマーケティングの設計方法
コンテンツマーケティングの設計方法を理解するには、「戦略」と「KPI」の視点が不可欠となります。
戦略は6つの購買サイクルによって変化する
コンテンツマーケティング戦略は、消費者がどのフェーズにあるかによって変化します。ここでいうフェーズとは、以下に挙げる「6つの購買サイクル」を指しています。
【6つの購買サイクル】
- 認知:商品やサービスについて知る段階
- 興味:商品やサービスについて詳しい情報を求める段階
- 検討:予算や競合品と比較しながら、商品やサービスを購入するかどうか具体的に検討する段階
- 購入:商品やサービスを購入し、企業の顧客リストの掲載される段階
- 継続:いわゆるリピーターの段階
- 応援:単なるリピーターを超えて、その企業のファンとして情報を拡散する段階
コンテンツマーケティングの戦略は、上記6つの段階によって対応を変えないと無意味です。理由は簡単です。
たとえば、商品がどんなものかさえ知らない消費者(認知の段階)に対して、「この製品を今日中に買えば10%引き!」といった宣伝活動を行っても、実際に購入する人はほとんどいません。
反対に、すでにリピーターとなっている消費者に対して、「ぜひ我が社の商品をご検討ください!」などとステップメールで執拗に営業をかけようものなら、企業イメージが悪化し、リピートしなくなるおそれもあります。 コンテンツマーケティングは、ある消費者が欲しい情報を欲しいタイミングで提供しなければ逆効果なのです。
KPIの設定
KPIとは、Key Performance Indicator(重要経営指標)の略で、企業がある目標の達成度を計測するために設定する定量的な指標のことです。
KPIのポイントは、定量的であること。具体的な数値で目標を設定しなければ、コンテンツマーケティングの施策がどの程度有効だったか判定できないからです。
KPIを具体的な数値で設定することで、一つのKPIを達成したら新たなKPIを設置し、さらに上位のKPIを設置する……というように、達成度を少しずつ上げていくことができます。
ただしKPIの先には、ある事業やプロジェクトの最終目標(KGI)があることを忘れないでください。
マラソンで説明しましょう。
42.195kmを体力に任せて走りつづけても、いずれ必ずガソリン切れになります。そのため、目標タイムでゴールしようとするなら、10kmを30分、20kmを1時間……というように、計測地点ごとのラップタイムを設定し、その目標時間から離れないようペース配分しないといけません。
コンテンツマーケティングにおけるKPIも同様です。
たとえば、新たに立ち上げるブログで、KGIとして「検索エンジンからの新規ユーザー流入数を月1万に設定する」としましょう。
この場合、ブログの立ち上げ初月のKPIを「新規ユーザーの流入数5000」などといきなりハードルを上げることはおすすめできません。
数値を達成できないことのマイナス評価はもちろんですが、過大なKPIを達成しようと過剰なコストを投じることになり、コストの回収が困難になってしまうからです。
KPIは、KGIの達成までの工程を細分化し、実行容易性を高めるために行うもの。無理な目標数値を設定すると、自らの首を絞める羽目になるので注意してください。
このように、コンテンツマーケティングを設計するためには、戦略とKPIに注意することが重要です。
コンテンツマーケティングの3つの効果をチェックしよう
コンテンツマーケティングの効果は、達成しやすさによって、集客・コンバージョン・ブランディングの3つに分類できます。
集客
どんな商売でも、まずはお客さんに会社や店舗の存在を知ってもらわないと売り上げが発生しません。
そのため、コンテンツマーケティングにおいても、まずは一人でも多くの人に自社および自社商品の存在を認知してもらうことを目指します。
Web上で展開するコンテンツマーケティングの場合、集客とはWebサイトなどへのアクセス獲得とほぼ同義です。
多くのユーザーに自社メディアへ訪問してもらえるように、各企業はブログ記事などのコンテンツの質と量を充実させ、集客効果を高めていきます。
コンバージョン
自社メディアへの集客が安定してきたら、次に目指すべきはコンバージョンです。コンバージョンの中身は、メディアを立ち上げた目的によって異なります。
たとえばBtoCのEコマースサイトなら、「消費者による商品購入」がメディアの目的ですので、「どれだけの人に、どれだけの商品を購入してもらいたいか」を目安にKGIやKPIを設置します。
そしてコンバージョンは「実際にどれだけの人が、どれだけの数の商品を購入したか」を計測して、コンバージョンの達成率(CVR)を見極めます。
それに対して、多くのBtoB企業の場合、メディアの目的が異なります。商品購入よりは、まず商品の認知度を高めて、先行する競合各社との比較検討レースに、自社商品をエントリーさせること。これが自社メディアの目的です。 したがってKGIやKPIも、いかに多くのセッション(ユーザーの流入数)を増やすかを念頭に設置され、コンバージョンもセッション数を計測してCVRを見極めるのが一般的です。
ブランディング
集客、コンバージョンと達成できた企業にとって、コンテンツマーケティングに期待する最後の効果がブランディングです。
ブランディングとは「企業やその商品を好きになってもらうために行う施策」です。
オウンドメディア上で良質なコンテンツを提供することで、顧客だけでなく、会社名やブランド名しか知らない新規ユーザーにも、自社商品の価値を理解してもらい、ファンになってもらうこと。
これがコンテンツマーケティングの第三の効果であるブランディングです。
コンテンツマーケティングの3つのメリット
コンテンツマーケティングには以下のような3つのメリットがあります。
手軽にスタートできる
無料ブログやSNSのように、アカウントさえ作れば手軽にスタートできるのが、コンテンツマーケティングの良いところです。
コンテンツが資産となり、持続的に集客してくれる
良質なブログ記事やホワイトペーパーが蓄積していくと、そのメディア自体の価値が底上げされ、持続的な集客に貢献してくれます。
広告ほどお金をかけずに集客できる
ブログやSNSにアカウントを開設し、情報発信するだけなら無料です。したがって予算に限りがあり広告を打てない企業にとって、コンテンツマーケティングは重要な集客手段となります。
しかも、いわゆる「バズ」が起きると、検索エンジンに自社コンテンツが上位表示されたり、SNSのトレンドに名前が載ったりするので、大規模な宣伝広告にも引けを取らないほどの爆発的な集客を実現できます。
コンテンツプロモーションの方法
良質なコンテンツを数多く用意しても、それがユーザーの目に触れなければ宝の持ち腐れです。 そこで以下では、コンテンツの周知を図るコンテンツプロモーションについても簡単に触れます。
ブログ
コンテンツを広める最も基本的な媒体は、ブログに代表されるオウンドメディアです。すでに説明したように、オウンドメディアを立ち上げ、自社商品などに関する記事を蓄積していく手法は、最も典型的なコンテンツプロモーションとして、多くの企業で採用されています。
SNS
ブログの次に一般的なコンテンツプロモーションがSNSの運用です。TwitterやFacebook、インスタグラム、YouTubeなどに公式アカウントを開設し、自社に関する情報などを定期的に発信します。
SNSのフォロワー数を増やせば、発信した情報が直接ユーザーの目に触れるだけでなく、フォロワーのつながりを経由して、多くのユーザーに拡散する可能性があります。そのため、SNSを活用するコンテンツマーケティングは、「SNSマーケティング」という独立したマーケティング分野として確立しています。
メルマガ
ブログやSNSに比べると勢いは減りましたが、メールマガジン(メルマガ)もまだまだコンテンツプロモーションの手法として影響力を有しています。
特に、自社サイトに自ら訪問したユーザーのメールアドレスに発信するメルマガは、購買意欲の高い見込客へのダイレクトプロモーションになることから、コンバージョンの確率も上がりやすいと言えるでしょう。 そのため多くの企業が、無料のホワイトペーパーやセミナーを通じて新規ユーザーのメールアドレスを収集することに注力しています。
動画
YouTubeのような動画配信サービスも、企業にとっては重要なプロモーションの場です。
特に大量のフォロワーを抱えるインフルエンサーとコラボして、自社製品を宣伝してもらう手法は、拡散力が非常に大きいため、企業にとっては重要なコンテンツプロモーションとして人気があります。
無料のオンライン・オフラインイベント
企業がストックするオリジナリティの高い情報は、そういった情報を求めているユーザーにとっては、お金を出してでも入手したいものです。
企業が開催する無料のオンライン・オフラインのイベントは、このようなユーザーの心理を活用したコンテンツプロモーションです。 参加者には、「こんな貴重な情報が無料でいいの?」という心理が働くため、イベント後に企業が参加者に働きかける新たなイベントの招待や自社商品の宣伝も、すんなりと受け入れてしまいます。そのため購買などのコンバージョンが発生しやすくなります。
広告
コンテンツプロモーションの最後の手法が広告です。自社のコンテンツを広告上で宣伝し、集客やコンバージョンを狙うことは、コンテンツプロモーションにおける最後の手段と言えるでしょう。コンテンツマーケティングの特徴である「手軽さ」や「コストの低さ」を無視する手法だからです。
Webコンテンツマーケティングが追究されるようになった背景
1980年代までは、テレビやラジオ、新聞といったオールドメディアにおける広告こそが、宣伝用メディアの王道でした。 しかし現代では、Webを活用するコンテンツマーケティングこそ主流であり、オールドメディアの占める割合は相対的に小さくなっています。
転機はインターネットの発明
世界初のWebサイトが誕生したのが1991年のこと。それから現在に至るまで、無数のWebサイトが公開され、同時に星の数ほどのコンテンツがネット上に展開しました。
そしてGoogleという検索エンジンの王様が世界中でシェアを獲得していったことが、コンテンツマーケティングの浸透に一役買ったことは言うまでもありません。
人は、何かの情報を得たいと思ったときに、テレビを見たり本を開いたりするではなく、検索エンジンに知りたいキーワードを入力するようになったのです。 そこで企業は、自社の商品に関するキーワードで誰かが検索したときに、検索結果で上位表示されるようコンテンツの質と量を他社と競い合うようになりました。
コンテンツマーケティングは「プル型」、広告は「プッシュ型」
情報を拡散させる手法として、今なお広告は有効な手段です。それは広告がプッシュ型のマーケティングだからです。
プッシュ型とは、企業が自ら消費者へ情報を届けること。テレビCMや新聞広告のように、大量の消費者へ商品情報を届けることができます。
それに対して、コンテンツマーケティングはプル型です。プル=引き寄せるということ。
オウンドメディアなどを使い、良質のコンテンツを展開するだけでは、ユーザーに情報はなかなか届きません。そこでユーザーは検索エンジンやSNSの口コミなどを経由して、自らの意思と行動で、目的のコンテンツにアクセスしようとします。
つまりプル型コンテンツには、「押しつけがましさ」がないのです。そのため、コンバージョンの確率も上がりやすくなります。
反対にプッシュ型コンテンツである広告は、消費者にとって「邪魔な存在」として敬遠されることも珍しくありません。
商品やサービスのローンチなど、一気に大量の消費者へ情報を届けて認知度を高めたいときは、従来のプッシュ型広告が有効です。 しかし、立ち上げフェーズを過ぎた段階では、コストとの兼ね合いもあるので、プル型コンテンツであるオウンドメディアでじっくり宣伝していく手法が、マーケティングの王道になりつつあります。
ポイントを抑えて、効果的なコンテンツマーケティングを実践しよう!
本文で紹介したように、コンテンツマーケティングは闇雲に展開しても無意味です。
消費者の6つの購買サイクルやコンテンツマーケティングの目的、プロモーションの方法などを十分に考慮し、効果的なコンテンツマーケティングを実践しましょう。
良質なコンテンツはプロクルコンテンツにお任せください
オウンドメディアで公開する記事は、「数打を打てば当たる」ではなく、質が求められます。Googleが明らかにしているように、検索結果で上位に表示されるための方法を一つだけ選ぶとしたら、「コンテンツ」以外にはないのです。
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