なぜ記事には構成案が必要なのでしょうか?
もしあなたが企業の公式ブログ担当であるにも関わらず、この問いに答えられないなら……。そのブログはあなたの会社にとって「爆弾」となるおそれがあります。
この記事では、オウンドメディア戦略としてブログ運営を担当する方を対象に、構成案の作り方についてわかりやすく解説します。
「会社のオウンドメディア担当に任命された。インハウスですべての記事を用意するよう指示されたが、構成案の作り方なんて考えたこともない……」
そんな方にこそお読みいただきたい、構成案作成のポイントを網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください。
何のために構成案を作るのか
「構成案を作るのが面倒……できることなら直接記事を書き始めたい」 そのような考えはご法度です。構成案を作る目的を、ここでしっかり確認しましょう。
構成案を作成せずに記事を書くとどうなるか
構成案は船の羅針盤と同じです。構成案を作成せずに記事を書き始めると、記事を読んでもらいたい人(ターゲット)が欲しい情報とはかけ離れ、かつまとまりがなく散漫とした記事になってしまう可能性があります。 そのような質の低い記事を公開してしまうと、消費者や取引先に与えるイメージも低下してしまうかもしれません。
構成案を作成することで得られるメリット
構成案を作成すると、次の2つのメリットが得られます。
- 記事のターゲットやコンセプトが明確になるので、企業の既存ユーザーが求める情報を的確に提供できる
- SEOの対策キーワードを入れ込んだ構成案を作成することで、新規ユーザーの検索意図を外さずにすむ
オウンドメディアの読者には、既存ユーザーだけでなく新規ユーザーも含まれることは言うまでもありません。 構成案を作成すれば、新旧ユーザーの求める情報から離れない、的確な記事が書けます。
構成案作成において「見切り発車」はNG
勢いだけで構成案を作成すると、雑な構成になってしまいます。構成案作成においては、次の5つのポイントを意識しましょう。
記事の目的
オウンドメディアは個人が趣味で運営するブログではありません。一つひとつの記事が、運営企業の集客やブランディングに影響します。記事を何のために書くのか、目的を明確にしましょう。
記事のテーマ
記事の目的に沿うようテーマを決めましょう。たとえば記事の目的が「自社商品のCVアップ」であれば、商品の解説や実際に使用したユーザーの声など、商品購入を検討している人にとって参考になる情報を紹介することがテーマとなります。
ターゲットの属性
記事のテーマが決まったら、記事を読んでもらいたい人=ターゲットの属性を設定します。あらゆる人に読んでもらおうと考えると、記事にたくさんの情報を盛り込もうとするので、焦点の定まらない記事になりますから注意しましょう。
ターゲットが検索する意図(検索クエリ)
ターゲットの属性を設定したら、そのターゲットがどんな意図でこの記事にアクセスするのかをイメージしましょう。
ターゲットの意図は「検索クエリ」という形で表れます。検索クエリは次の4つです。
- KNOW(何かを知りたい)
- GO(どこかに行きたい)
- DO(何かをやりたい)
- BUY(何かを買いたい)
ユーザーは検索クエリを満たすためにGoogleを開き、特定のキーワードを打ち込んで情報を得ます。したがってユーザーの検索クエリとかけ離れた構成では、どんなに多くの情報を詰めこんでも上位表示されません。
対策キーワード
ターゲットの検索目的をイメージできたら、「オウンドメディア 構成」のように、自社の記事を上位表示させたいキーワード=対策キーワードを確定します。ここで設定したキーワードが構成案の軸となりますので、慎重に選ぶ必要があります。
以上の5つのポイントのうち、最も大切なのが「ターゲットの属性」と「検索クエリ」です。 自社の記事を、どんなユーザーに読んでもらいたいのか。ユーザーが求める情報があるのかなど、ターゲットとなる読み手の立場を考えながら構成案を作成しましょう。
構成案の作り方
ここからは構成案の作り方を具体的に解説していきます。
メインとなる対策キーワードを設定する
たとえば本記事のように、「オウンドメディアの構成案作成の方法」が記事のテーマならば、真っ先にキーワードとなるのは「オウンドメディア」です。
しかしこれだけでは、あまりにも抽象的です。「オウンドメディア」というシングルキーワードで検索すると、550万件近いページが検索結果に表示されます。このような膨大な競合ページとの競争に勝ち、上位表示させることはかなり困難です。
そこで次に必要な作業が、2つ以上のキーワードを組み合わせること。たとえば「オウンドメディア」であれば、「オウンドメディア 構成案」「オウンドメディア 作り方」というように、複数のキーワードを組み合わせれば、競合ページも減るので上位表示できる確率が高まります。
複数の対策キーワードを設定するには、各種キーワードツールを利用するのが効率的です。 キーワードツールとして最も汎用性の高いものが、「関連キーワード取得ツール」。特定のキーワードを入力すると、そのキーワードに関連性のある別のキーワードを一気に収集して表示してくれる便利なツールです。
複数のキーワードをセットにしてメイン対策キーワードに設定
「オウンドメディア」のようなビッグキーワードは、キーワード取得ツールで取得できる関連キーワードも非常に多いので、そのままでは使えません。記事のテーマやターゲットの属性、検索意図などをふまえて、不要なキーワードを省く作業が必要です。
たとえば「オウンドメディア」に関連するキーワードなら、「事例」「作り方」「ブログ」「マネタイズ」のように、特に関連性の高いキーワードを組み合わせて、最終的にその記事のメインキーワードを設定します。
このように、オウンドメディアの記事の構成案作成では、競合の多いシングルキーワードだけをメインの対策キーワードにすることはほとんどありません。「オウンドメディア マネタイズ」のように、複数のキーワードをセットにしてメイン対策キーワードに設定します。
競合サイトを分析し、対策キーワードの使い方をチェックする
ここまでキーワード取得ツールを活用した対策キーワードの設定の仕方について解説してきましたが、実はこれだけでは構成案作成はできません。
大切なことは、自社サイトと競合サイトを分析し、検索ユーザーのニーズを見極めることです。
そこで次に、選定した対策キーワードをGoogleで検索し、表示された上位10サイトの中身を分析していきます。この作業を行うことで、どのような記事がユーザーの人気を集めているかがわかりますから、必要に応じて参考にしましょう。
特にチェックしたいのが、上位3位以内に表示されているページのタイトル、リード文、見出しです。ユーザーはこの3つをざっくりチェックし、読むに値するかどうかをわずか数秒で判断します。 キャッチーなタイトルの付け方、可読性・予測性を高めるリード文など、上位表示される記事には相応の理由があるので、じっくり観察することをおすすめします。
対策キーワードに基づき構成案を書き出す
最後に、対策キーワードと競合ページの分析をふまえて、構成案を書き出していきます。
一般的なブログ記事は、
【タイトル】
↓
【リード文】
↓
【見出し1】
↓
【小見出し1-1】
↓
【小見出し1-2】
という流れで構成しますが、コンテンツに応じて変化させるべきは言うまでもありません。 たとえば短文のコラム形式の記事であれば、見出しをつくらずエッセイ風にまとめるほうが雰囲気のある記事になるでしょう。
構成案作成の注意点
構成案を作成する際はいくつか注意点があります。特に押さえておきたいものを解説します。
対策キーワードから離れないようにする
構成案は対策キーワードありきです。タイトルやリード文にメインキーワードを入れ込むのはもちろん、見出しや本文にもメインキーワードや共起語などを適度に使用しましょう。
画像を適度に配置する
画像のない記事は、読者を飽きさせます。文字ばかりだと、集中が途切れてしまうからです。 たくさんの画像を配置する必要はありません。記事のボリュームにもよりますが、3,000〜5,000字程度の記事なら、2〜3枚の画像を配置するのがおすすめです。
適切な情報源かどうかに注意
コンテンツによっては、情報源をどこに求めるかが重要な問題になります。
たとえば医療情報にかかわるコンテンツなら、政府機関や医療機関、大学など、確実に信頼できる情報源を出典元とする必要があります。たとえ医師が執筆している記事でも、個人ブログから引用することは控えましょう。 またWebに適切な情報源が見つからない場合は、書籍や動画などから情報を持ってくることも検討しましょう。
リソース次第では外注も検討する
オウンドメディアを長期にわたって運営するには、社内のリソースを超えた欲張りなコンテンツは避けたほうが無難です。 もしそのような規模の大きいオウンドメディアを運営する必要がある場合は、クラウドソーシングなどを活用して、構成案の作成段階からコストを抑えることも検討しましょう。
コンテンツの公開スケジュールに注意する
オウンドメディアの立ち上げ段階の場合、コンテンツの公開スケジュールを吟味しましょう。 コンテンツは優先順位の高いものから公開するのがセオリーです。したがって構成案を用意するときも、やみくもに作成するのではなく、 全体の計画をにらみながら、優先的に公開すべき記事の構成案から着手しましょう。
構成案を作ってからが勝負
構成案はあくまで骨組みです。ユーザーに価値のあるコンテンツに仕上がるかどうかは、校了を迎えるまでわかりません。 構成案を作成したからといって気を抜かずに、完成度の高い記事を書き上げてください。
プロクルコンテンツは「構成案」のご相談にも対応できます!
構成案の作り方と注意点を理解できたとしても、リソースとの兼ね合いから、構成案作成に十分な時間をかけられないこともあります。 そんなときは、ぜひプロクルコンテンツにご相談ください。構成案作成のプロが、オウンドメディアのコンセプトに適したアイディア豊かな構成をご提案いたします。