WEBマーケティングの重要性が高まっている昨今、多くの企業が取り組んでいるSEO対策は、自社サイトへの流入数増加に向けて欠かせない対策です。
しかし、SEO対策を社内で実施するのか外注で実施するのか迷っている企業の方もいるでしょう。
この記事では、自社内でSEO対策を実施する「インハウスSEO」のメリット・デメリット、外注との違いを解説します。
インハウスSEOとは
インハウスSEOとは、組織内を意味する「インハウス」と、検索エンジン最適化を意味する「SEO(Search Engine Optimization)」を組み合わせた言葉で、SEO対策を社内で実施することを指します。
SEOは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで上位表示させたり、WEBマーケティングを実施する上で、自社サイトへの流入数を増やしたりするためには欠かすことができない対策の一つです。
インハウスSEOの5つのメリット
インハウスSEOには、以下5つのメリットがあります。
- コストを削減できる
- 社内にノウハウを蓄積できる
- スピーディーに施策をこなせる
- 社内人材の育成につながる
- 悪徳業者を選択するリスクがない
それぞれのメリットを解説しましょう。
メリット1:コストを削減できる
インハウスSEOはSEO対策を社内で実施するため、外注したときの費用を削減できます。
外注する場合、依頼する業務内容に応じて業者へ報酬を支払わなければなりません。スキルが高い業者であれば、より費用がかかってしまうでしょう。
インハウスSEOは、すべて社内で完結するため、外注へのコストをかけずに進められます。
メリット2:社内にノウハウを蓄積できる
SEO対策を社内で実施することにより、さまざまなノウハウを蓄積できるでしょう。
内部対策、外部対策、コンテンツ対策などのSEO対策を進めると、どの施策をおこなえば効果的なのかがわかってきます。施策を繰り返すことで、そのなかで得られた経験や知識が蓄積され、担当者が変わるときもスムーズに引き継ぎができるでしょう。
メリット3:スピーディーに施策をこなせる
社内で実施することで、コミュニケーションを取りやすくなるため、施策をスピーディーにこなしていけます。
外注の場合、必ずしも自社だけにリソースを注力しているわけではないため、コミュニケーションに時間がかかるケースも出てくるでしょう。そのため、すぐにでも実施したいと思った施策をこなすまでに、多少のラグが生じてしまいます。
メリット4:社内人材の育成につながる
社内でSEO対策をおこなうため、担当者のスキルアップにつながります。
インハウスSEOは、どのような施策をおこなうのか、スケジュールをどうするのか、誰がどの部分を担当するのかなど、さまざまな業務を自社内で管理しなければなりません。
リソースがかかる一方で、自社内で解決していく必要があるため、社内人材の育成にもつながります。自身で解決することで、外注よりも成長できる可能性が高まるでしょう。
メリット5:悪徳業者を選択するリスクがない
SEO対策を外注する場合、事前に調査しないと悪徳な業者へ依頼してしまう可能性があります。インハウスSEOは、自社内で完結するため悪徳な業者に依頼するリスクがありません。
悪徳な業者の例としては、上位表示をさせるために被リンクの購入をしたり、契約書を偽装したりするなど、法外な料金を請求してきたりなどが考えられます。
インハウスSEOの3つのデメリット
インハウスSEOは、以下3つのデメリットもあります。
- SEOに精通した人材が必要
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 人材を育成する時間や費用がかかる場合も
デメリット1:SEOに精通した人材が必要
自社内でSEO対策に取り組むためには、SEOに精通した人材が必要です。
担当者は、SEOに関するさまざまな知識や経験が求められるため、多少の経験がないと進めることが難しいでしょう。社内に適切な人材がいなければ、社内育成や外部からの確保をしなければなりません。
デメリット2:効果が出るまでに時間がかかる
SEO対策は、効果が出てくるために時間がかかるため、それまでに社内のリソースを定期的に確保しておかなければなりません。
ゼロからSEO対策をはじめた場合、効果が出るまでに3~6カ月程度はかかってしまうため、それまではリソースを集中させる必要があります。また、必ずしもSEO対策を実施して効果が出るわけではないため、期間がさらに伸びてしまう可能性もあるでしょう。
デメリット3:人材を育成する時間や費用がかかる場合も
前述したとおりSEOに精通した人材が必要なため、育成に向けて時間や費用がかかる場合があるでしょう。
まずは社内で適任な人材を選定し、講座やセミナーの受講などをして育成していかなければなりません。また、実務経験を積むためには指導者の確保が必要となり、社内に不在であれば外部に頼らざるを得ません。
その結果、多くの費用がかかってしまい、実際のインハウスSEOの実施までに、多くの時間を要してしまうでしょう。
インハウスSEOの進め方
インハウスSEOは、以下の手順で進めると効率的です。
- 目的の明確化
- 体制の構築
- 運用開始
それぞれの手順を解説します。
目的の明確化
まずは、インハウスSEOに取り組む目的を明確にしましょう。
目的の例としては、「顧客獲得に向けたCVRの向上」「ブランディングの向上」などがあげられます。
検索順位の向上だけを目的にしてしまうと、流入数が増加しても商品やサービスの売り上げに直結しない可能性があるため、ユーザーが行動に移すような目的にすることが大切です。
体制の構築
目的が決まったら、社内のリソースを確保して体制を構築しましょう。
確保すべきリソースの例としては、下記があげられます。
- 全体のディレクションを担当する人員
- コンテンツ制作者の確保
- SEO対策で必要なツール代
- 人材育成に必要な費用(セミナーなど)
「いつまでにどこまでの成果を出すか」をシミュレーションし、そこまでに必要なリソースを洗い出すと良いでしょう。
運用開始
体制構築が完了したら、いよいよインハウスSEOの運用がスタートします。
運用はPDCAサイクルを意識しながら回すことが大切です。施策をしたら終わるのではなく、効果測定を実施し、問題なければそのまま継続、効果がなければ改善を繰り返しましょう。
インハウスSEOで発生する業務とは
インハウスSEOでは、以下の業務が発生します。
- メディアの構築
- コンテンツ制作
- 内部対策
- 外部対策
- 効果測定
それぞれの業務を解説します。
メディアの構築
SEO対策をするのであれば、オウンドメディアを構築し、メディアのなかでコンテンツを配信していく必要があります。
プログラミングが得意な社員がいる場合は、HTMLやCSSのコーディングでメディアの構築が可能ですが、作業工数をかけずに作成できるWordPressなどのCMSを活用するケースが多いです。
WordPressは、サイトのデザインを決めるテーマを選んでしまえば簡単に構築できることが特徴的です。
コンテンツ制作
続いて、構築したメディアでコンテンツを発信していきましょう。
コンテンツは、SEOで上位表示を狙うための記事のことです。メディアで力を入れたい分野の記事を執筆し、その分野で専門的な知識を持っているとアピールすることでブランディングにもつながります。
コンテンツ制作は、ライティングスキルや執筆するジャンルの知識、そしてSEOで上位表示を得るためのスキルも求められます。また、最も重要となるのはユーザーファーストな記事であるかどうかという点です。SEOの評価はGoogleのクローラーが実施しているため、ユーザーファーストを理念に掲げているGoogleの方針にしたがうことで、上位表示につながるでしょう。
下記の記事では、SEOに強いライティングの方法を解説しているのでぜひ参考にしてください。
内部対策
内部対策とは、メディア内のタグ設計やページの構成などを見直す対策のことです。構成を見直すことで、各WEBサイトの情報を収集するクローラーの巡回が促されるため、SEOの評価を正しく得られます。
具体的には、下記の対策があげられます。
- XMLサイトマップの作成
- WEBサイトのSSL化
- メタディスクリプションの設定
- 見出しタグを意識した記事作成
- パンくずリストの設置
- ディレクトリ階層の見直し
- robots.txtの使用
- 構造化マークアップ
- ページネーションの見直し
- URLの正規化
各項目の詳細は、下記の記事で解説しています。
外部対策
外部対策とは、外部のWEBサイトが自社のWEBサイトのリンクを掲載する被リンクを獲得するための対策です。
被リンクの獲得は、外部のWEBサイトが参考にするくらい質の高いコンテンツと自社のWEBサイトが評価されるため、上位表示につながります。
具体的には、下記の対策があげられます。
詳しくは過去の記事をご覧ください。
効果測定
それぞれの対策を実施したら、正しい効果を得られているのかを確認することが大切です。効果測定をしないと、施策に効果があったかどうかがわからないため、無駄な努力を続けてしまう可能性もあるでしょう。
具体的な効果測定の方法については、過去の記事で詳しく解説しています。
- ユーザーファーストのコンテンツ作成
- SNSの活用
- 企業へのアプローチ
- 成功事例などを掲載する
- 統計データを掲載する
まとめ
今回は、インハウスSEOのメリット・デメリット、外注との違いを解説しました。
インハウスSEOは、SEO対策が自社内で完結するため、コストを抑えながらスピーディーに進めていけます。
しかし、専門的なスキルを持った人材が必要なため、社内人材の育成や外部からの確保に時間がかかってしまう可能性もあるでしょう。そこで、プロへの依頼を検討することがおすすめです。
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