ナレッジグラフは、Googleの検索結果画面に表示される詳細情報です。施設の情報を利用者に伝えられる便利な機能ではあるものの、企業側にとって具体的なメリット・デメリットがわからない人も多いでしょう。本記事では、ナレッジグラフがもたらす企業・利用者それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。
ナレッジグラフとは
ナレッジグラフは、Google検索をした際に強調して出現する情報です。ナレッジグラフとして表示されたものは「ナレッジパネル」や「ナレッジカード」と呼びます。場所・物・人などジャンルを問いません。
表示される内容は、以下のものがあります。
• 画像
• 地図情報
• 説明
• 乗り換え情報
• テイクアウト、宅配、イートインの有無
検索したワードが土地名であれば、地図だけでなく人口・面積などの詳細が記載されています。駅名検索をすれば、現在地からの乗換案内も閲覧可能です。企業名を検索した場合は、発祥地や主力商品などが画像付きで表示されます。
このようにWebサイトへ訪問せずとも、検索結果画面だけで多くの情報が手に入ります。
時代と共に変化しユーザーの役に立つ
2020年からこれまでにはなかった情報がナレッジグラフに盛り込まれました。飲食店がテイクアウト、宅配、イートインに対応しているかどうかが表示されるようになったのです。「テイクアウトで料理を楽しみたい」「自宅に届けて欲しい」などのニーズの高まりに応えた形といえます。
ただ情報を掲載するだけではなく、時代の移り変わりやニーズにあわせて内容を変化させ、企業側にとっても利用者側にとっても有益な情報を入手できるようにしているのです。
ナレッジグラフはオントロジー+インスタンス
ナレッジグラフは、オントロジー+インスタンスをあわせたものです。それぞれの用語の意味をみていきましょう。
• オントロジー……大まかな概念を整理するもの
• インスタンス……細かな単語で情報を細分化したもの
ナレッジグラフは2012年にGoogleが導入し、検索画面へ取り入れられました。以来、検索ワードの結果を表示させるだけではなく、多くの情報を取り入れて認識し(オントロジー)、細かな属性を結び付ける(インスタンス)仕組みが進んでいます。
ナレッジパネルを見れば知りたい情報がまとめられているため、ユーザーは必ずしもサイトへアクセスする手間をかける必要がないというメリットがあります。
企業にとって重要視される理由
これまでSEOといえば「Webサイトを見てもらうため」というのが主目的でした。検索結果の上位に表示させて多くの人に認知してもらえば、Webサイトへのアクセスが増えるからです。
しかし、必要な情報を探すために、いくつものサイトを訪れてはブラウザバックを繰り返していく経験をした人も多いでしょう。面倒に感じて途中離脱してしまったり、そもそも検索する行為自体を避けたりする人も少なくありません。
ナレッジグラフが企業から熱い視線を送られる理由はここにあります。ナレッジグラフはサイト訪問までしなくとも、企業側が伝えたい情報を簡潔に必要な人に届けられるシステムです。企業側・利用者双方にとってメリットがある存在です。
ナレッジグラフと似たような機能との違い
検索結果画面には、ナレッジグラフのほかにも似たような表示機能があります。ここでは2つの似ている機能の違いについて解説しましょう。
強調スニペット
強調スニペットは、検索結果の画面において「知りたい部分だけをピックアップして教えてくれるもの」です。たとえば「〇〇 とは」と検索したとき、該当するWebページの一部を抜粋し、検索結果の1番上に「〇〇とは、△△のことです」と表示される項目を見たことがある人は多いでしょう。
強調スニペットでピックアップされたWebサイトへ訪問すれば、知りたい情報はハイライトで装飾されます。また、そもそも強調スニペットに知りたい情報が掲載されていれば、わざわざWebページをクリックする必要はありません。最小限のステップで必要な情報を見られるシステムだといえます。
リッチスニペット
リッチスニペットもまた、検索結果の画面に表示される情報です。知りたいキーワードを検索すると、画面にはWebページのタイトル・URL・ページの概要以外にも情報を与えてくれます。
たとえば、商品を検索した場合は、商品の価格・画像・口コミ評価などが記載されます。利用者に寄り添った情報が付随されるため、その種類は豊富です。
リッチスニペットはナレッジグラフのパネルや強調スニペットと違い、大きく表示されません。しかし、多くの人が「知りたい!」と思った詳しい情報が補足的に記載されるため、ユーザーの満足度が高まりWebページへの訪問率が上がります。
ナレッジグラフのメリット
ナレッジグラフのカードを見れば知りたい情報が把握できるため、Webページにわざわざ訪れてくれないのでは?と疑問をお持ちの方も多いでしょう。確かに必要な情報を見て満足してしまえば、自社のWebサイトの繁栄からは遠ざかってしまうことが想定されます。
そのうえで、ここではナレッジグラフから享受できる多くのメリットをみていきましょう。
ユーザーから認知され行動を把握できる
ナレッジグラフには、自社の情報の詳細を記載できます。営業時間・電話番号・住所・経路案内などを伝えられ、ナレッジパネル経由でアクションを起こしたユーザーの属性が把握可能です。
目立たせて認知されるだけでなく、行動まで把握できます。
ローカルSEO対策として有効で、口コミが管理できる
ローカルSEOのローカルとは地域情報のことです。Googleマップなどの地域情報に表示される施策をローカルSEOと呼びます。
行きたい場所があった場合、多くの人は「行きたい場所+地域」「近くの〇〇」で検索するでしょう。たとえば「ファストフード+新宿」「近くのラーメン屋」などです。
そのようなユーザーに対して地域の情報を伝えるのがローカルSEOです。
このローカルSEO対策としてもナレッジグラフは有効です。また口コミに対して返信も可能なため、来店客とのやりとりでリピーターを増やせる可能性も見出せるでしょう。
自社の情報を投稿できる
ナレッジグラフはGoogleが定めた企業情報だけでなく、自社の情報を投稿することができます。自社の情報が掲載できればユーザビリティの向上に繋がり、Webサイトや施設への集客に繋がるでしょう。
ナレッジグラフのデメリット
ナレッジグラフの利用には、デメリットもあります。自社への不利益が降りかかってきたり、正しく掲載されなかったりなど、思うようにいかないケースも頭に入れておかなくてはなりません。デメリットを知った上で、利用を検討してみましょう。
悪い口コミが投稿されることがある
口コミは良い内容だけが掲載されるとは限りません。施設へのクレームなど、悪い口コミが投稿されるのを覚悟しましょう。
悪い口コミが記載されても削除できません。投稿者本人が消すか、Googleがポリシー違反と判断した場合を除き、ナレッジグラフに残り続けてしまいます。
写真や画像が思ったとおりに掲載されない
任意の写真を掲載できるものの、写真や画像の掲載順位は選択できません。たとえば「初めて訪れる人のために、建物の外観を1枚目に表示させたい」「美味しそうな料理の写真を見てほしい」と思っていても、叶わないケースもあるでしょう。
一般ユーザーが投稿した写真が先頭で表示される可能性あります。トラブルが起こるケースも視野にいれて、継続的に管理していく必要があります。
競合が多いと掲載が難しい
Google検索で表示されるナレッジグラフのパネル数は限られています。そのため、競合の多い業種や地域では掲載されないケースも想定しなければなりません。
ナレッジグラフに表示させる手段
「ぜひGoogleに情報を表示したい!」とお考えの方に、表示させるための手段を解説していきます。
Googleマイビジネスに登録
「Googleマイビジネス」への登録が必須です。Googleマイビジネスに登録する内容は以下のとおりです。
• 施設名
• 住所
• 電話番号
• Webサイト
• 経路案内
• 営業時間
• 臨時休業
• 写真
Googleマイビジネスは無料で登録できます。また、施設ではなくWebサイトの情報だけを掲載したい場合でも可能です。
Googleマイビジネスで把握できるユーザーの行動
Googleマイビジネス上では、ユーザーの行動を把握できます。Googleマイビジネスで把握できる内容をみていきましょう。
• Webサイトのクリック数
• 閲覧数
• ルートリクエスト
• 電話本数
• 予約本数
Googleマイビジネスの情報をもとに試行錯誤して、たくさんの人に注目される施設やWebサイトの運営をしていきましょう。
ユーザーが必要とする情報を提供する
利用者が知りたいと思っている情報を盛り込めるよう、試行錯誤することが大切です。検索した人が知りたい情報とは何かを考えると良いでしょう。
たとえば「今すぐ行けるカフェが知りたい」と検索した人は、アクセス方法・営業時間・おすすめメニューなどがわかると訪れやすいでしょう。このように利用者目線に立って考えて情報提供してください。
ナレッジグラフの内容の変更方法
ナレッジグラフの内容を変更したい場合、2通りの方法があります。掲載情報の権利者である場合は次の項目を見てください。権利者でない場合はその次の項目で、権利者として認証される方法を解説しています。
掲載情報の権利者である場合
掲載情報の権利者である場合は、以下の手順で変更しましょう。
- Googleアカウントにログインした状態で、Google検索を開く
- ウェブとアプリのアクティビティが有効であると確認する
- 変更したいナレッジグラフを検索し、表示させる
- パネル上部にある「情報の修正を提案」をクリック
- 変更する情報をクリックして、送信する
掲載情報の権利者でない場合
掲載情報の権利者でない場合は、Googleに「情報の修正を提案」が表示されません。その場合は、権利者になる申し立てをGoogleに行いましょう。申し立て方法は以下の手順です。
- Googleアカウントがない場合は作成する
- Google検索を開く
- パネルの最下部にある「このナレッジパネルに対し申し立てを行う」をクリック
- 認証のためYouTube・Search Console・Twitter・Facebookのいずれかにログインする
正常にログインできると、管理ができるようになります。
ナレッジグラフを活用して集客効果を高めよう
ナレッジグラフを活用すると、施設やWebサイトへの集客がアップします。利用者の目線に立ち、知りたい情報やアクセス方法を記載していきましょう。Googleマイビジネスは無料で利用でき、管理も可能です。
時代背景にあわせて利用者のニーズも変化が激しい中だとしても、ナレッジグラフを利用することで多くの人から愛される施設やWebサイトとなることができるでしょう。
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