オウンドメディアは、コンテンツマーケティングの1つであり、比較的取り組みやすく、検討にも上がりやすいマーケティング手法だといえます。しかし、必ずしも成功するわけではなく、失敗してしまうことも少なくありません。
では、コンテンツマーケティングが失敗する理由はどんなものなのでしょうか。今回は、コンテンツマーケティングが失敗する理由にふれたうえで、成功するためのコツについて解説していきます。
そもそもコンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングの考え方や意味合いを知り、どのような方法でアプローチしているのかなどもふまえて自社のコンテンツマーケティングを見直してみましょう。
コンテンツマーケティングの概要
コンテンツマーケティングは、有益なコンテンツを用いることで、顧客の信頼度を高めるマーケティング手法です。オウンドメディアがコンテンツマーケティングの中でも代表的な存在です。そのうえで、下記の項目もコンテンツマーケティングに含まれます。
・自社サービス・製品の使い方を動画サイトで配信
・専門的な情報を散りばめたメール配信
・SNS向けの有益情報発信
コンテンツマーケティングは、ユーザーの疑問を解決するための有益情報をあらゆる形で提供するマーケティングです。そして、コンテンツマーケティングを成功させるためには戦略に則って実行していく必要があり、ユーザーのニーズもどのように満たすのか戦略的に計画していくことが重要です。
コンテンツマーケティングが求められる理由
コンテンツマーケティングに多くの人々が注目している理由は、情報を届けたいユーザーに対して今までの広告手法では効果を発揮するのが難しくなったためです。
現状では、インターネットを使って、toC・toBどちらでも、ある程度情報を集められる社会に変化しています。そのため、大々的な広告を打ったとしても、必要な人に対して必要なアピールを行うことにはつながりません。
また競合の激化などにより、広告出稿料の高騰も挙げられます。
元々の企業としての信用度や専門性などを、コンテンツを運用することでユーザーに示し、成果につなげる必要があります。そのため、オウンドメディアを含めたコンテンツマーケティングに注力し、他社と差別化することがより重要な目標となっています。
コンテンツマーケティング失敗例
コンテンツマーケティングが失敗する理由は、運用におけるポイントが抜け落ちているために起こるものです。ここでは、コンテンツマーケティングが失敗する理由について詳しくみていきましょう。
コンセプトが曖昧
コンセプトに関しては、コンテンツマーケティングを行う前段階で通常は決定するものです。マーケティングは、ゴールを設定する必要があります。あらゆる数字や指標などもゴールに対しての成果を図るために用いられるものです。
たとえば、ホワイトペーパーのダウンロードやメルマガの登録などを成果として設定したとしましょう。しかし、配信しているコンテンツのコンセプトがそれに沿ったものではない場合、コンテンツマーケティングは失敗し確率が高いといえるでしょう。
短期間で効果が出ると考えた
コンテンツマーケティングは、短期的に効果を出すのが難しく、ある程度長い期間を設けて運用していく必要があります。なぜなら有用なコンテンツを配信していたとしても、そのコンテンツがユーザーに認知されるまでには非常に時間がかかります。定期的に、安定的にコンテンツを掲載し続け、徐々に認知度をあげていく必要があります。加えて、作成したばかりのオウンドメディアで収益を上げることは、大企業でも方向性を誤ると難しいのが現状です。Googleなどの検索エンジンの評価を得るには、時間がかかります。
そのため、コンテンツマーケティングに取り組む場合、すぐに結果が出ないことを前提に改善を続けることで結果に結びつけることができます。
コンテンツマーケティングの目標設定ができていない
目標設定がなければ、コンセプトがずれるだけでなく、コンテンツを運用する方向性も見失うでしょう。コンテンツマーケティングを行う場合、商品やサービスの購入・契約に結びつけることから最終的な目標となります。
しかし、コンテンツマーケティングと広告は異なり、コンテンツマーケティング単体で下記のような設定が必要となります。
・どのような成果に結びつけたいのか
・成果に結びつくまでの期間、PR手段
・有益情報の専門性の高さをどのように確保するのか
とくに、目標に対する成果は指標や数字で把握できるでしょう。期間や予算を加味したうえで、コンテンツマーケティングで何をしたいのか?は明確化する必要があります。
適切な運用メンバー(体制)を用意できなかった
コンテンツは作成して終わりではありません。運用や保守を行う人材、すべてをまとめる人材など複数の人材が関わって体制を構築することが可能です。
そのため、コンテンツマーケティングを行う場合、自社に運用できるメンバーがいない場合、失敗する確率が高まるといえるでしょう。加えて、運用体制を構築するのは、専門的にマーケティングを学んでいるなどの素養が必要となります。
サイト開発に予算をかけすぎた
サイトは、開発と運用に分けることが可能です。そのため、開発費をかけ過ぎることによって、運用できるための体力がなくなってしまうパターンも少なくありません。
この場合、オウンドメディアの全体的な予算を把握し、コンテンツ制作に使える費用などそれぞれの配分を明確化しましょう。そうすることによって、開発費と運用費を分けることができるだけでなく、長期的な運営を前提にどのように使用していくかなどの検討も可能です。
SEO対策ができていなかった
専門性が高い場合に陥りやすい失敗として、検索エンジンに対する最適化(SEO)ができていなかったパターンは失敗につながります。オウンドメディアの目的は、自社のサービスや商品の購入などの利益につなげることが最終的なゴールです。
そのため、検索エンジンで上位表示ができなければ、売り上げの増加につながらないパターンも少なくありません。
環境構築に時間がかかった
オウンドメディアを運営する場合、記事の製作からアップロード、その記事の運用からマーケティングの立案・実行、効果測定など行わなければならない作業は少なくありません。
そのうえで、記事の製作や効果の測定などのリソースが足りない場合、作業がおろそかになる部分があると想定できます。そして、そのおろそかになった部分は人材やリソースが確保できるまで改善できないため、結果の改善も遅れていくという悪循環となり、失敗につながります。
記事のテーマ選定を軽く考えてしまった
記事のテーマは、キーワードをもとに考えられるため、メディアのコンセプトや届けたいユーザーにあわせたものでなければ意味がありません。加えて、内容そのものがユーザーのニーズと乖離している場合、オウンドメディアの信頼性が失われてしまいます。
そのため、SEOを意識しつつ、ユーザーに必要な情報を届けることを意識しましょう。また、キーワードに関しては検索ボリュームを適当に入れ込んでも順位があがる訳ではない点に注意が必要です。
コンテンツマーケティング成功のポイント
コンテンツマーケティングは、戦略的に行うことで成功しやすくなります。また、コンテンツをどのように扱うかだけでなく、会社として何処を目指すのかなどもふまえて設計していきましょう。
ペルソナの作成
簡潔にいうと、ペルソナは自社にとってベストな人物像のことです。顧客層を決めたとしても年齢や年収、どんなことに課題を持っているのかなどはペルソナによって決定して行きます。
加えて、マーケティング施策によって顧客を育成するナーチャリングでもペルソナの設定は重要です。信頼性を高めるとしても、訴求するユーザーが間違っていれば、成果につながりにくくなってしまいます。ペルソナのニーズを満たす情報をコンテンツで提供することで成功に近づけられます。
運用体制の整備
上記でも触れた運用体制はコンテンツマーケティングを成功させるための重要なポイントです。たとえば、下記のような役割が必要となります。
・全体の統括・・・ディレクターなど
・コンテンツ制作者・・・ライターやデザイナー
・広告、運用担当・・・マーケティング施策の立案、実行、効果測定
・編集・・・編集長が全体を統括し、品質をチェックする
それぞれの役割は兼用できるとしても、運用担当者が具体的に決定されていなければコンテンツを公開することも難しくなります。そのため、最低限必要な役割をこなせる担当者を設定し、場合によっては外部の専門業者も使用してサポートしていく体制が大切だといえるでしょう。
コンテンツマーケティング成功事例
コンテンツマーケティングには、いくつもの成功例があります。成功例を真似ても成功に近づけるわけではないものの、成功と評価される内容は、自社の課題とユーザーのニーズに対して向き合った結果だといえます。
・サイボウズ式
副業などに関して先進的な取り組みをおこなうサイボウズ株式会社のオウンドメディアです。さまざまなマーケティング施策の1つとして展開されており、サイボウズのブランドイメージを作る1つの要因として評価されています。
・ニキペディア
スキンケア用品を販売するガシー・レンカー・ジャパン株式会社のオウンドメディアです。若年層の女性をターゲットとしており、記事の書き方や他社比較など徹底したユーザビリティを意識したコンテンツだといえます。
・ラクスルマガジン
ネット印刷専門のラクスル株式会社のオウンドメディアです。メディア内の記事は、利用者の声を載せたものだけが掲載されており、活用方法から社内印刷物の負担軽減などの内容に特化しています。また、法人向けと一般向けで内容が分かれている点もマーケティング施策の差別化の方法として優れているといえます。
失敗する理由を把握し、コンテンツマーケティングを成功させよう
コンテンツマーケティングの成否は、計画性の有無や明確なゴール設定などによって分かれます。また、計画がうまくできてもリソースが足りなければ、成果を達成することも難しいといえるでしょう。
失敗例を学んだうえで、目標設定やペルソナに対する価値提供などで、コンテンツマーケティングに大切なポイントを把握し、自社のコンテンツマーケティングに生かしていきましょう。
プロクルコンテンツでは、専門家やライターによる記事制作だけでなく、お客様のオウンドメディア運営を受託してきた経験をもとに、効果的な運用方法のアドバイスから、体制構築のサポート、実際の運用までお引き受けすることができます。
オウンドメディア運営に課題を感じられている場合には、ぜひ一度、プロクルコンテンツにご相談ください!