自社の公式ホームページを作りたいと考えたときに、最近では初心者でも簡単に制作できるCMSを活用して作られるケースが多く見られます。
CMSの中で最も高い利用率を誇るのはWordPressですが、サーバーの準備やWordPressのインストールといった運用までのハードルが高いため、より簡単に制作できるWixを使いたいという方も多いでしょう。
しかし「WixでSEO対策はできるの?」「SEO対策をするときのポイントってどのようなものがある?」と悩む方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、WixでSEO対策をするときのポイントや注意点を解説します。
Wixとは
Wixとはホームページを作成できるツールのことで、HTMLやCSSといった知識が不要なため、誰でも簡単にホームページを作れます。
本来ホームページを制作する場合、ページを作成するためにHTMLやCSSといったコーディング作業をする必要があるのです。さらに、ホームページはWEB上に公開しなければならないため、サーバーやドメインなどの準備も必要となります。
しかし、Wixはこのような事前準備が不要で、マウスのドラッグ&ドロップやキーボード操作だけで簡単にホームページが作れてしまうのです。
また、HTMLやCSSの知識を持っていれば必要に応じてカスタマイズができます。したがって、オリジナル性のあるWEBページを作りたい方にとってもおすすめです。
WixでSEO対策は可能?
WordPressに比べてSEOに弱いと言われているWixですが、SEO対策を実施すれば問題なく上位表示が可能です。
上位表示されているコンテンツの中には、Wixで作成されたものも含まれています。
しかし、何も考えずに作成するだけではSEOで上位表示されることはありません。あくまでも、後ほど解説するSEO対策を十分にしたうえで、継続的に運営する必要があるのです。
WixでSEO対策をする方法11選
WixのSEO対策には、以下の11通りの方法があります。
- ページタイトルとディスクリプションの定義
- スマホ最適化
- alt属性へのテキスト付与
- canonicalタグの利用
- meta robotsの設定
- 暗号化対応
- XMLサイトマップの登録
- 分析ツールの活用
- Wix SEO Wizの利用
- URL スラッグの変更
- robots.txtの設定
それぞれ解説しましょう。
1.ページタイトルとディスクリプションの定義
コンテンツを作成するときには、ページタイトルとディスクリプションをそれぞれ定義するのが重要です。
ページタイトルとは、その名のとおり作成したコンテンツのタイトルとなります。ディスクリプションとは、検索結果のタイトル下部に表示される文章のことで、コンテンツの概要を記載することが多いです。
ページタイトルとディスクリプションは、いわゆる顔になる部分です。ユーザーがコンテンツにアクセスするかどうかは、魅力的なページタイトルやディスクリプションであるかも要素の一つになります。
ほかにもSEOキーワードを含めることで、検索時にページタイトルがヒットするようになったり、ディスクリプション内に検索キーワードと同じキーワードがあれば太字で表示されるようになったりするなどの効果があります。
ページタイトルやディスクリプションについては、下記の記事で詳しく解説しているので、是非参考にしてください。
2.スマホ最適化
スマホ最適化とは、スマートフォンなどのデバイスから見ても、見やすいホームページの設計になっているかどうかです。
今までは、基本的にパソコンから閲覧するのを想定してホームページ制作をしてきました。
しかし、スマートフォンの普及率が高まったことにより、ホームページを訪れる多くの方がスマートフォン経由となってきたのです。
したがって、スマートフォンでも見やすいような縦に長いデザインにするなどの考慮が必要となりました。
さらに、スマートフォンに対応したホームページはGoogleの検索エンジンにも評価されやすいため、スマホ最適化を通じてSEO効果が得られるでしょう。
3.alt属性へのテキスト付与
alt属性とは、ホームページ上へ画像を掲載するときにimgタグ内に記載するものです。alt属性には画像に対するテキスト情報を付与でき、付与されたテキスト情報がGoogleのクローラーによって収集されていきます。
クローラーによって収集されると、画像検索時にヒットするようになります。画像検索は対象の画像からホームページへの流入が期待できるため、商品やサービスの成約につながりやすくなるでしょう。
4.canonicalタグの利用
canonicalタグとは、複数あるWEBページに対してどのページが正規のURLなのかを伝える役割を持ちます。
ホームページによっては、同じようなコンテンツが重複していることも考えられます。その場合には、WEBページごとに別々のURLを設定しているため、SEOの評価も分散されてしまうのです。
そこで、似ているWEBページにcanonicalタグを設定してURLを一つに絞ることによって、分散されずに正しいSEO評価を得られるでしょう。
5.meta robotsの設定
meta robotsとは、SEOの評価をするクローラーの制御を目的としたmetaタグの一種です。
具体的には、
- インデックスの許可(noindex)
- リンクの追跡の許可(nofollow)
- 検索結果へのスニペット非表示
などの設定ができます。
Wixでmeta robotsを設定するときには、HTMLコードにmetaタグを追加する必要があります。HTMLの知識がないとホームページ全体に影響を与える危険性があるため、十分な知識を持った方が追加するようにしましょう。
6.暗号化対応
暗号化対応とは、ホームページ内で発生する通信のやりとりを他人から盗み見られないように、安全な通信を実現する技術です。
ホームページのURLを見てもらうと分かるのですが、httpsから始まるWEBサイトは暗号化対応が完了しているサイトです。Googleでは、httpsの形になっていないホームページに対して警告を表示しているため、SEOに限らず暗号化対応が重要になっています。
現在、Wixが提供しているホームページはすべて暗号化対応がされているため、問題なく利用できるでしょう。
7.XMLサイトマップの登録
XMLサイトマップとは、SEOを評価するクローラーが認識しやすいように、ホームページの構造を記入したものです。
XMLサイトマップを登録することで、コンテンツの評価を正しく得られます。一方で、XMLサイトマップが未登録の場合は正しい評価を得られない場合があるのです。
具体的には、
- ページのURL
- 更新頻度
- 最終更新日
などの情報を記載することで、正しい情報をクローラーに伝えます。
イメージとしては本に書いてある目次のようなもので、どこに何が書いてあるのかを知ってからの方が効率的に読み進めていけます。クローラーも同様で、ホームページのどこにどのページがあるのかを認識させることで効率的にデータ収集ができるのです。
8.分析ツールの活用
分析ツールとしては「Googleサーチコンソール」と「Googleアナリティクス」がおすすめです。
Googleサーチコンソールは、訪問するユーザーの事前情報を取得できます。
例えば、流入のきっかけとなった検索キーワードやそのときの表示順位などです。上手く活用できれば、狙ったキーワードに対する現時点の順位が分かるため、今までの施策に効果があったかを判断できます。
Googleアナリティクスは、ホームページにユーザーが訪問してからの行動を分析できます。
例えば、訪問後に滞在した時間、ユーザーが資料請求などの利益につながる行動を起こしたかなどです。Googleアナリティクスの活用により、アクセス数は多いけど滞在時間が少ないなどの現状を把握できるため、今後の施策に向けての検討材料となるでしょう。
9.Wix SEO Wizの利用
Wix SEO Wizとは、Wix内でSEOをサポートしてくれるツールとなっており、無料での利用が可能です。
ツールでは、最初にSEO対策キーワードを入力するだけで独自のSEOプランを作成してくれるため、プラン通りに進めるだけでSEO対策ができてしまいます。
より活用していきたい場合には、有料プランも検討する価値があるでしょう。
10.URLスラッグの変更
URLスラッグとは、URLの中で自由に設定できる部分を指します。URLスラッグにコンテンツの内容を設定することで、ユーザーやクローラーのデータ収集時にプラスの効果を与えるのです。
例えば、「https://pro-atmedia.jp/media/seo-marketing/」というURLがあったとしましょう。
このとき「seo-marketing」の部分が、URLスラッグに該当します。URLスラッグを設定することで、この記事にはSEOのマーケティングについて記載されていると認識されるのです。
もしURLスラッグを設定しなかった場合、ランダムな値のIDが設定されてしまうため、設定しておくのをおすすめします。
11.robots.txtの設定
robots.txtとは、クローラーがデータ収集を行う対象ページを制御できるファイルです。
robots.txtでは、過去にアップロードしたクオリティの低いコンテンツや重要ではないコンテンツを対象外にすることで、重要であるコンテンツのみに対象を絞れます。
オウンドメディアの初期よりも、コンテンツの数が膨大になってきた規模の大きなサイトで検討するのが良いでしょう。
WixでSEO対策をするときの3つの注意点
WixでSEO対策をするときには、以下の3点に注意する必要があります。
- コンテンツSEOも行う
- 有料プランの独自ドメインを利用する
- 移管時のコストが発生する
コンテンツSEOも行う
コンテンツSEOとは、コンテンツそのもののSEO対策のことです。
コンテンツは主に記事のことを指しているので、一般的なSEO対策をしつつユーザーを第一に考えて執筆するのが重要です。コンテンツの質が上がることで、自然とSEOの評価が上がっていくでしょう。
逆に、どれだけ先述したSEO対策を実施していても、コンテンツ自体の質が高くなければSEOで評価されることはありませんので、WEBサイトに対する対策と同時に、コンテンツ自体のクオリティアップにも取り組んでいくのが大切です。
有料プランの独自ドメインを利用する
Wixでは、無料プランを利用しているとサブドメインでの運用となります。
サブドメインとは、Wix配下のURLでコンテンツを運用することになるため、SEOの評価が上がったとしても自社ではなくWixの評価となってしまいます。
そこで、有料プランの独自ドメインを利用することで、Wixではなく自社独自のURLに変更できるため、SEOの評価が上がっていけば今後の財産となり得るのです。
移管時のコストが発生する
もし、WixではなくWordPressで運用したいとなったときに、投稿していたコンテンツの移行時に大きなコストが発生します。
特に、ブログなどの記事を移行するときには、手動で記事を移行していく必要があるため手間がかかってしまうのです。ほかにも、同じ内容のコンテンツを移行したとしても、別のコンテンツであるとクローラーが認識する可能性があるため、SEOの評価がリセットされる可能性も考えられるでしょう。
Wixを扱うならSEO対策が必須
WixはWordPressよりも手軽にWEBサイト制作ができるため、WordPressの運営に自信がない方におすすめのCMSです。また、Wixでは有料プランにすることで独自ドメインの利用が可能なため、SEO対策も十分にできます。
これからWixでホームページを立ち上げようと考えている方は、今回紹介したSEO対策のポイントや注意点を意識した運用をしていきましょう。