アフィリエイトとは、インターネット広告手法のひとつです。自社メディア経由でユーザーが商品を購入すると、広告主から報酬が支払われます。
本記事では、アフィリエイトの仕組みやメリット、具体的な始め方などを解説します。
アフィリエイトとは?
アフィリエイトとはインターネット広告手法のひとつであり、「成果報酬型広告」とも呼ばれます。サイトやSNSなどのメディアに広告主(企業)の商品やサービスのリンクを貼り、ユーザーがそのリンクをクリックして購入すれば、広告主からメディアに報酬が支払われます。
特別な資格や大きな元手が必要ないため、会社員や主婦(夫)、学生など幅広い方がアフィリエイトに参入可能です。
アフィリエイトとアドセンスの違い
アフィリエイトでは、商品を購入したり資料を請求したりなど、「特定の成果が発生した時点」でメディアに報酬が支払われます。
アフィリエイトは購入につながらないと報酬が発生しないため、セールスライティングスキルなどが必要となり難易度は高いです。その分、アドセンスより成約時の報酬は高くなります。
一方のアドセンスは「広告がクリックされた時点」で報酬が発生します。
表示される広告は、ユーザー属性やメディアの内容ごとにカスタマイズされるため、親和性が高くなりクリック率も増える点が特徴です。
クリック型報酬広告との違い
アフィリエイトのように、商品購入など特定の成果に応じて報酬が発生する広告を「成果報酬型広告」と呼びます。
一方で、上記のアドセンスを含め、クリック時点で報酬が発生するものが「クリック型報酬広告」です。主なクリック型報酬広告として、以下が挙げられます。
- Googleアドセンス
- i-mobile
- nend
- 忍者AdMax
「アフィリエイト詐欺」にご注意!
アフィリエイトは手軽に始められる点が魅力ですが、中には詐欺もあるため注意しましょう。具体的に、以下のような詐欺事例が挙げられます。
- 高額なコンサルティング料を受け取った挙げ句、成果が発生しなくても返金に応じない
- 「アフィリエイトの勉強のため」という建前で高額な商材を売りつける
- アフィリエイト広告の仲介業者を偽り、高額な広告登録料を請求する
もちろん、アフィリエイトのコンサルティングや商材すべてが悪いわけではありません。しかし中には、知識のないメディア運営者や企業を騙す業者もいるため注意しましょう。
アフィリエイトの収入の仕組み
アフィリエイトの仕組みは、以下の4者によって成り立ちます。
- 企業(広告主)
- メディア
- ASP
- ユーザー
企業(広告主)
自社商品やサービスの販促を目的とし、マーケティング手法のひとつとしてアフィリエイト広告を出稿する企業のことです。後述のASPを通じてメディアに広告を出稿します。
広告主となる企業の規模は大手〜ベンチャーと幅広く、ジャンルも美容や医療、不動産、金融、飲食、小売、SaaS、サブスクサービスなどさまざまです。
成果報酬型のアフィリエイト広告なら、成果分だけ費用を支払えばよいため高い費用対効果を望めます。
メディア
企業が出稿する広告を、自社サイトやブログ、各種SNS(X(旧Twitter)やInstagramなど)に掲載する運営者のことです。アフィリエイターとも呼ばれます。
掲載したアフィリエイト広告をユーザーがクリックし、商品購入や資料請求など特定の成果に達すると、メディア運営者に報酬が支払われます。
メディア運営者の規模は、個人〜大手企業とさまざまです。アフィリエイト収益の大きい個人メディアが企業に買収された事例もあります。
ASP
「アフィリエイト・サービス・プロバイダ」の略語であり、広告主とメディア間の取引を仲介する事業者のことです。
広告主が販売したい商品をASPに登録すると、「アフィリエイトコード」が掲載されます。メディアはASPの中から商品を探し、サイトにアフィリエイトコードを貼り付け、そのコード経由で購入につながるとASPからメディア側へ報酬が支払われる仕組みです。
ASPには、A8.netやバリューコマース、もしもアフィリエイトなどさまざまな事業者がいます。取り扱う商品や報酬などは各事業者で異なります。
ユーザー
メディアに訪問してアフィリエイト広告をクリックし、実際に商品を購入する人物のことです。ユーザーがメディア内のコンテンツを読み、「この商品を欲しい」と思わせることで購買行動までつながります。
アフィリエイトを始めるメリット
アフィリエイトを始めるメリットは、大きく以下の3つです。
- 金銭的なリスクが少ない
- 好きな時間・場所で行える
- 知人や会社に知られることがない
金銭的なリスクが少ない
アフィリエイトを始める際の主なコストは、PC代やレンタルサーバー代、ドメイン代などです。
すでにPCがあれば、毎月数百〜数千円程度のランニングコストで運用できるため、金銭的リスクはほぼありません。初期費用やランニングコストを抑えながら、努力次第で毎月数万〜数十万円単位の収益を狙えるのは、アフィリエイトならではの魅力です。
好きな時間・場所で行える
極論をいえば、アフィリエイトはPC1台あれば始められるため、好きな時間や場所で運用できます。隙間時間で取り組む人も多く存在します。
知人や会社に知られることがない
アフィリエイトサイトは匿名で運営できるため、知人や勤務先の会社に知られるリスクがありません。「会社に副業禁止規定はないがあまりよい顔をされない」「アダルトジャンルのサイトを運営しているため知人に知られたくない」などの場合でも、気軽に行えます。
アフィリエイトを始めるデメリット
一方で、アフィリエイトを始める際は以下のデメリットもあります。
- 収益化まで時間がかかる
- 固定費がかかる
収益化まで時間がかかる
アフィリエイトサイトの収益化までには、一定の時間が必要です。
アフィリエイト収益は、商品ジャンルや承認率、トレンドなど、多くの要素に左右されます。そのため、収益化までに最低でも半年〜1年程度、数年単位かかる場合もあります。
また、アフィリエイトはサイトを完全放置して稼げるビジネスではありません。定期的なリライトやサイト構造の見直し、リンクの貼り替えなどが必要なうえ、毎月の売上が大きく変動することもあります。
固定費がかかる
メリットで「金銭的リスクはほぼない」と解説しましたが、毎月の固定費が完全に不要なわけではありません。数百〜数千円単位ですが、毎月のレンタルサーバー代やドメイン代などが必要です。場合によっては、PCの分割購入代やライターへの外注費なども発生します。
アフィリエイトの始め方
アフィリエイトは以下の手順で始めましょう。
- 報酬を受け取る銀行口座を準備する
- サイトやブログ、SNSを用意する
- アフィリエイトのプログラムに登録する
- 掲載したい商品・商材を選ぶ
- 広告バナーを掲載する
1.報酬を受け取る銀行口座を準備する
まずは報酬を受け取る銀行口座を準備します。
プライベートの銀行口座を使ってもOKです。しかし、アフィリエイト用のネットバンクがあれば、プライベートと収支を分けたりASPからの振り込み手数料を安くできたりするため、そうした面と照らし合わせつつ使う銀行口座を決めます。
2.サイトやブログ、SNSを用意する
アフィリエイト広告を掲載するサイトやブログ、SNSを準備します。
無料ブログでも始められますが、WordPressの利用が理想です。
WordPressはサイト作成ツールとしてもっともスタンダードなものです。デザインカスタマイズの自由度が高く、SEO面を考慮したメタディスクリプションやaltテキスト、プラグインなども手軽に設定できます。
WordPressを準備する際は、レンタルサーバーの契約や独自ドメインの設定も行いましょう。
SNSを使う際は、アフィリエイト商品のターゲット層との相性を考慮する必要があります。
3.アフィリエイトのプログラムに登録する
ASPを活用してアフィリエイトプログラムに登録します。
ASPごとで掲載商品の種類や振り込み手数料、審査の有無などが異なります。そのため、自社サイトのジャンルや参入のしやすさなどを考慮して選びましょう。
主要なASPとしては以下が挙げられます。
- A8.net
- バリューコマース
- もしもアフィリエイト
- Amazonアソシエイト
- 楽天アフィリエイト
- アクセストレード
- afb
4.掲載したい商品・商材を選ぶ
ASPへ登録したら掲載したい商品や商材、サービスを選びます。
ASPには多数の商品やサービスが掲載されているため、迷いそうであれば以下のポイントを押さえて選んでみてください。
- 自社サイトのテーマに沿った商品を選ぶ
- 報酬額が高い商材(クレジットカードや転職など)を選ぶ
- 成果の発生条件が緩い商品(資料請求や会員登録など)を選ぶ
- トレンドに沿った商品(オンライン系サービスやサブスクサービスなど)を選ぶ
- 実際に利用経験があり詳しく書ける商品を選ぶ
5.広告バナーを掲載する
掲載商品を選んだら、サイトやSNSに広告バナーを掲載します。バナーは、ASPが自動生成したリンク(あるいはURL)をWordPressやSNSに貼り付ければOKです。
アフィリエイトはどのくらい稼げる?
結論からいえば、アフィリエイト収益は無収入〜月500万円以上と幅広いため、一概に「いくら稼げる」と断言できません。
実際、以下のようなアンケート結果も出ています。
画像引用:特定⾮営利活動法⼈アフィリエイトマーケティング協会 | アフィリエイト・プログラムに関する意識調査2023 | p.18
アフィリエイト歴1年未満では68.6%が収益化しておらず、年数が上がるほど徐々に収入も伸びています。
一般的な会社員の月収クラスである20万〜50万円未満に到達している中で、一番大きい割合が「アフィリエイト歴5〜10年未満の29%」であることを考えると、収益化は決して簡単ではありません。
アフィリエイトで成果を出す基本のコツ
上記のようにアフィリエイトの収益化は簡単ではありません。その中で少しでも成果を出すには、以下のような点に気をつけるとよいでしょう。
- SEOを勉強する
- テーマ性を持たせる
- 独自ドメインやレンタルサーバーを使う
SEOを勉強する
SEOとは「検索エンジン最適化」を指す言葉です。SEOの強化によって、検索エンジンで上位表示されやすくなります。
アフィリエイトで成果を出すには、検索キーワードで上位表示を狙いユーザー流入を増やすことが基本となるため、SEOの勉強は欠かせません。
SEOを勉強する際は、以下のような内容を押さえましょう。
- キーワードからユーザーの検索意図を考え、その意図を満たすコンテンツを作成する
- タイトルや見出しにキーワードを含める
- 適切に内部リンクを設置する
- サイトに独自性を持たせる
- 適切に共起語を散りばめながら執筆する
他にも、SEOの観点から検索順位を上げたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:SEOで順位が上がらない原因とは?具体的な対策も解説!
テーマ性を持たせる
アフィリエイトサイトはテーマを特化したほうが運営しやすく、収益化も狙いやすい傾向にあります。テーマを特化させると、ユーザーから「このサイトは◯◯の専門家だ」と認知してもらい信頼性が高まるため、商品購入までつなげやすくなるのです。
Google検索セントラルでも、「E(Experience:経験)-E(Expertise:専門性)-A(Authoritativeness:権威性)-T(Trustworthiness:信頼性)」の観点から、専門性の重要度に言及しています。こうしたことからも、テーマ特化型アフィリエイトサイトのほうが、より専門的として評価されやすいでしょう。
独自ドメインやレンタルサーバーを使う
独自ドメインやレンタルサーバーを使っても、直接「SEOに高評価を与える」というわけではありません。しかし、ユーザー視点で考えると「ドメイン名だけでどのようなサイトか判断できる」「ページの表示速度が早いレンタルサーバーを使う」といったほうが、使いやすいのは間違いありません。
サイト自体が使いやすければ流入数も増え、結果として「SEOに高評価を与える」といえます。
SEOはどうやって学ぶ?
SEOは主に以下の方法で勉強するとよいでしょう。
- 「Google が掲げる10の事実」「Google検索セントラル」「Google Search Central(動画)」でGoogle公式の見解を把握する
- SEOの情報を発信しているメディアの記事や動画コンテンツで勉強する
- インターネットで検索する
- 関連する書籍を読む
そして、SEOの勉強で一番大切なのは「インプットした知識をサイト運営に活かす」という点です。実際にSEO施策を試しPDCAサイクルを回すことで、より実践的な知識を身に付けられます。
アフィリエイトに挑戦するならSEOから学ぼう!
今回の記事では、アフィリエイトの基本やメリット、具体的な始め方などを解説しました。
アフィリエイトとは、「成果報酬型広告」と呼ばれるインターネット広告手法です。自社メディアに掲載したアフィリエイトリンクをユーザーがクリックし購入することで、広告主から報酬を受け取れます。PC1台あれば手軽に始められるうえ、大きな元手も不要なため幅広い方が参入できるでしょう。
ただし、参入障壁は低いですが、決して簡単に稼げるわけではありません。収益化までは年単位で運営する必要があり、検索上位表示を獲得できるようSEOの勉強も必要です。
簡単な道のりではありませんが、「自分の好きなジャンルがある」「サイト運営に挑戦したい」といった方は、SEOを学びながらアフィリエイトに挑戦してみましょう。