直帰率と離脱率の違いとは?平均値や高くなる原因、改善方法を紹介

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直帰率と離脱率は、Webサイトの運営者にとって重要な指標です。これらの数値を理解し、適切に管理することで、サイトのパフォーマンスを大幅に向上できます。

本記事では、直帰率と離脱率の違いはもちろん、それぞれの定義や計算方法、高くなる原因と改善方法について解説します。

これらの知識を身につけることで、WebサイトのSEO強化につながり、より多くのユーザーに認知されるサイト作りを行いやすくなるでしょう。記事の後半ではGoogle Analytics 4(GA4)で直帰率・離脱率を確認する方法もご紹介しますので、ぜひお読みください。

直帰率と離脱率の違い

直帰率と離脱率は、ともにウェブサイトのユーザー行動を示す重要な指標です。しかしその意味や計測方法には明確な違いがあります。

直帰率は、サイトに訪れたユーザーが他のページを閲覧せずに、入口ページから離脱した人が全体においてどれくらいの割合を占めるのかを示す数字です。一方の離脱率は、特定のページがセッション内の最後のページとなった割合を表します。

まずは直帰率について詳しく解説します。

直帰率とは

直帰率とは、サイトを訪れたユーザーが他のページに回遊せず、すぐにそのサイトを離脱した場合の割合を示す数字です。

自社サイトを訪れたユーザーがどれくらいサイト内を回遊しているか、自社サイトのコンテンツに満足しているかどうか判断する場合の指標として、直帰率は用いられます。直帰率が高いということは、多くのユーザーがサイトに興味を持てずに離れてしまっていることを示唆している可能性があります。

直帰率の定義

Googleによると、直帰率について下記のように説明されています。

直帰とは、サイト内の1ページしか閲覧されなかったセッションのことです。(中略)直帰率とは、1ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値です。

引用:直帰率|アナリティクスヘルプ

つまり「流入したページだけ見てから離脱した人が全体でどれくらいの割合存在するのか」を示したのが直帰率となります。他のページも閲覧してもらえれば直帰率は低くなりますし、逆にそのページで検索を終了したりブラウザバックしたりする人が多くなれば直帰率は高くなります。

直帰率の計算方法

直帰率の計算方法は比較的シンプルです。以下の公式で算出できます。

直帰率 = 直帰数 ÷ 全セッション数 × 100(%)

たとえば100人が自社サイトを訪れてそのうちの30人が1ページだけ見て自社サイトから離脱した場合、そのサイトの直帰率は30%となります。

直帰率の目安・平均値

直帰率の目安は、Webサイトの種類によって異なります。サイト種別の直帰率を見てみましょう。

Webサイトの種類別の直帰率

  • eコマース:20〜45%
  • BtoBサイト:25〜55%
  • 記事ページ:60〜90%

参考:Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?|CXL

多くの商品を紹介しているeコマースサイトでは直帰率が比較的低くなっています。一方でノウハウを提供するブログのような記事ページの場合は、直帰率が比較的高くなっていることが分かります。

ただし上記の数字はあくまで目安です。検索者のニーズやWebページの内容によっては上記の数字から前後する可能性もあります。「平均より高い(低い)から」と一概にページを評価せず、該当ページの内容などを考慮して総合的に評価を下すことが大切です。

直帰率が高い原因

直帰率が高くなる要因に対処することで、数字が改善される場合があります。各要因について詳しく見てみましょう。

ファーストビューに求める情報がない​ 

ユーザーがサイトを訪れた際、最初に目にする部分(ファーストビュー)に求める情報が確認できない場合、すぐにサイトから離脱される可能性が高くなります。

たとえば「革靴の磨き方」という検索クエリから流入してきたユーザーの場合、革靴をどう磨くのか知りたいはずです。しかしファーストビューに「こんにちは!最近は天気が良いですね。しかし最近、恋人と別れてしまって〜」といった、クエリと関係がない情報が続いていると、読者はすぐに離脱してしまうでしょう。

タイトルと内容が合致しない

記事のタイトルと実際のページ内容が一致していない場合、ユーザーはすぐにブラウザバックしてしまい、直帰率が上昇してしまいます。

たとえば「転職活動の進め方」というタイトルなのに記事の内容が「おすすめのスマートフォンの紹介」だと、読者が直帰してしまいます。

ページ表示速度が遅い

Webページの読み込み速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、コンテンツを見る前に離脱してしまう可能性が高くなります。

たとえば読みたいWebページがありクリックしたにもかかわらず、表示されるのに数十秒もかかるようでは「もういいか」と思われて離脱してしまいかねません。

離脱率とは

離脱率とは、ユーザーが自社サイトを訪れて、そのページを最後に閲覧して離脱した人の割合を表す数字です。

直帰率では「そのページに流入してすぐ離脱した人」が対象となりますが、離脱率では「(そのページに外部から流入したか内部リンクから流入したかを問わず)そのページで離脱した人の割合」を表します。

各ページの離脱率をチェックすることで、どのページでユーザーが読むのをやめているのか、客観的に分かります。

離脱率の定義

Googleによると、離脱率は下記のように解説されています。

離脱率は、個々のページのすべてのページビューで、そのページがセッションの最後のページになった割合を示します。

引用:アナリティクスヘルプ|Google

直帰率との大きな違いは、離脱率はユーザーがサイト内の他のページを閲覧したかどうかに関係なく計算される点です。たとえば、ユーザーが3ページ閲覧した後に4ページ目で離脱した場合、その4ページ目の離脱率にカウントされます。

離脱率は、各ページがユーザーの興味を引き続けているか、また次のアクションへ効果的に誘導できているかを判断する指標として活用できます。

離脱率の計算方法

離脱率の計算方法は以下のとおりです。

離脱率 = そのページからの離脱数 ÷ そのページへの総閲覧数 × 100(%)

たとえば、あるページの総閲覧数が1000回で、そのうち300回がそのページを最後に閲覧してサイトを離れた場合、離脱率は30%となります。

離脱率の目安・平均値

離脱率は、じつは平均値や目安というものが存在しません。なぜならサイトのテーマやページの内容、読者のニーズなどによって、ユーザーの行動パターンは大きく異なるからです。

たとえば過去記事への内部リンクが多く設置されているページでは、離脱率は低くなるでしょう。一方、ランディングページなど商品の購入や問い合わせを促すページでは離脱率が高くなりがちです。

このように、ページの内容だけを見ても離脱率は大きく異なります。それでもあえて目安や平均値を求めるならば、自社サイト内の他ページと離脱率を比較してみましょう。

離脱率が高い原因

離脱率が高くなる主な原因は下記のとおりです。

  • 読者が求めている情報とコンテンツに乖離がある
  • ユーザビリティが悪い
  • 訴求が強過ぎるorしつこい

どういうことか、詳しく解説します。

読者が求めている情報とコンテンツに乖離がある

ユーザーが期待する情報とページの実際のコンテンツに乖離がある場合、離脱率が高くなる可能性があります。

たとえば「初心者向けの料理レシピ」を探しているユーザーに対して複雑なレシピを記載してしまうと、ユーザーは離脱してしまう可能性が高くなります。

ユーザビリティが悪い

ページのユーザビリティが悪いと、ユーザーは必要な情報を見つけられずにストレスを感じ、離脱してしまう可能性があります。

  • 直感的に分かりにくい画面の構成
  • 読みづらいフォントやレイアウトの多様
  • モバイル対応が不十分 など

上記の要素はユーザビリティを下げてしまう主な要因です。ユーザーが直感的に操作でき、必要な情報にスムーズにアクセスできるようなデザインを心がけましょう。

訴求が強過ぎるorしつこい

過度な広告の設置やポップアップの多用など、訴求が強すぎるとユーザーに不快感を与え、離脱率を高める原因となります。

たとえば記事を読み始めてすぐに大きな広告が画面中央に表示されたり、頻繁にポップアップ広告が出現したりすると、ユーザーは記事の内容に集中できずストレスを感じます。

訴求は重要ですが、読者の満足度を下げるほどしつこい売り込みは避けるべきです。

直帰率と離脱率の改善方法

直帰率と離脱率を改善するには具体的にどうすれば良いのか解説します。

直帰率の改善方法

「直帰率が高くなる原因」で紹介した内容と逆のことを行えば、直帰率が改善される可能性があります。

  • ファーストビューに読者が求める情報を記載する
  • タイトルと記事の内容を一致させる
  • ページ表示速度を改善する

読者は記事のタイトルを見てクリックするかどうかを決めます。そのためタイトルと本文の内容が一致するよう、記事の制作時点でチェックしておきましょう。ページの表示速度が遅くならないよう、画像を軽量化したりキャッシュを活用したりすることも重要です。

また記事の最初に、読者が必要としている情報を記載し、読者満足度を高めましょう。すぐにページから離脱されないよう、読者の役に立ちそうな情報をまとめた過去記事を紹介することも大切です。

離脱率の改善方法

離脱率の改善方法も「離脱率が高い原因」と逆の内容になります。

  • 読者が求めている情報とコンテンツを一致させる
  • ユーザビリティを良くする
  • 訴求はほどほどに抑える

まずは読者がブラウザバックして他サイトに流入してしまわないよう、読者のニーズと記事の内容を一致させることが大切です。たとえば「靴の磨き方」といったクエリから流入した読者であれば、記事コンテンツは靴の磨き方に特化した内容を書きましょう。

読者のユーザビリティが良くなるよう、サイトの見た目はシンプルにするのがおすすめです。必要に応じて「靴の磨き方」を解説した動画や図解を入れるのも良いでしょう。

また記事内で自社商品を訴求する場合、あまりしつこく売り込みすぎないようにすることが大切です。読者の利便性を損ねず、自然なタイミングで訴求をかけましょう。

GA4での直帰率・離脱率の確認方法

最後にGoogle Analytics 4(GA4)で直帰率・離脱率を確認する方法について解説します。

GA4で直帰率を確認する方法

GA4で直帰率を確認する方法は2つあります。なお操作手順はGoogleアナリティクスの仕様変更により、流れが若干変更される可能性がある点をご了承ください。

(1)レポートから確認する

  1. GA4にログインし「レポート」→「ライフサイクル」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」をクリックする
  2. 右上のペンアイコン「レポートをカスタマイズ」をクリックする
  3. 「指標」から「直帰率」を追加して「適用」を押す
  4. ページ下部の一覧表に「直帰率」が追加される

(2)「探索」から確認する

  1. GA4にログインし「探索」→「自由形式」をクリックする
  2. 「変数」→「指標」にある+ボタンをクリックする
  3. 検索で「直帰率」を選択しインポートする
  4. 「値」に「直帰率」をドラッグ&ドロップする
  5. レポート画面に直帰率が追加される

GA4で離脱率を確認する方法

GA4で離脱率を表示する方法はありません。ただしページごとのPV数と離脱数は表示できるため、そこからスプレッドシートなどに出力して離脱率を計算できます。「探索レポート」から下記の手順で数字を確認できます。

  1. 「探索」から自由形式を選択する
  2. 「指標」横の+マークから「離脱数」「表示回数」をインポートする
  3. 「ディメンション」横の+マークから「ページタイトル」「ページタイトルとスクリーンクラス」をインポートする
  4. 「行」に「ページタイトル」「ページタイトルとスクリーンクラス」をドラッグ&ドロップする
  5. 「値」に「離脱数」「表示回数」をドラッグ&ドロップする

これでページごとの離脱数および表示回数が表示されます。あとは「離脱率の計算方法」で紹介した式を用いて、離脱率を計算できるでしょう。

まとめ

本記事では直帰率と離脱率の違いについて解説しました。Webサイトを改善していくうえで、直帰率と離脱率は重要な指標となります。

ただし直帰率や離脱率は「数字が高かったから改善が必要」「数字が低いからうまくいっている」と一概にいえるものではありません。サイトのテーマや各ページの性質などを考慮して、改善が必要なのか、どのような施策を行っていくのか考えて実行することが大切です。

GA4から得られたデータを参考に、さっそく自社サイトの現状を分析してみましょう。

国立久吉

2019年からフリーランスとして活動開始中。編集者・コンテンツディレクターとしても活動しており、多くのWeb媒体でコンテンツ制作に関わる。

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