エンゲージメントとは?重要性や指標、ツール、高める方法などを解説

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コンテンツマーケティングを行ううえで重要な要素の1つが「エンゲージメント」です。しかし、「エンゲージメントとは具体的にどのようなものを指すのだろうか」「どうすれば業務に落とし込めるのだろうか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、コンテンツマーケティングにおけるエンゲージメントについて解説します。エンゲージメントについて正しく理解し、コンテンツマーケティングの成果を向上させたい方はぜひお読みください。

コンテンツマーケティングにおけるエンゲージメントとは

コンテンツマーケティングとは、読者に価値のある情報(コンテンツ)を提供することで、自社サービスへの信頼感や好感を獲得し、最終的に購買行動へつなげるマーケティング手法のことです。

たとえば転職支援サービスを提供している会社であれば、転職活動に関するお役立ち情報を発信します。そのなかで自社サービスを活用すれば解決できる課題があれば紹介して、問い合わせ獲得やサービスの契約を促します。これがコンテンツマーケティングの一例です。

一方、エンゲージメントとは、一般的には「約束」「制約」、ビジネスでは「愛着」「思い入れ」といった意味で使われます。

ただしコンテンツマーケティングにおけるエンゲージメントとは「読者がコンテンツに対して行う何かしらの行動」のことです。

たとえばGoogleアナリティクスの「エンゲージメント: 定義(*)」によると、下記の行為がエンゲージメントとして扱われます。

  • 記事を読むためWebページをスクロールした
  • 「詳しく見る」などのボタンをクリックした
  • 特定のページに一定時間留まった など

つまり「読者がどれくらいコンテンツに対して興味関心を持っている(と思われる行動をする)か」が、コンテンツマーケティングにおける「エンゲージメント」という言葉の意味です。

(*) 参考:エンゲージメント: 定義|Googleアナリティクス

コンバージョンとの違い

コンバージョンとは「サイト運営者が目標としている何かしらの成果」が達成されることです。たとえば下記のような指標がコンバージョンの例として挙げられます。

  • 商品の購入
  • サービスの契約
  • お問い合わせの獲得 など

エンゲージメントは特定の読者の行動だけでなく、「サイトを閲覧する」などコンテンツが読者にリーチした数を含む場合があります。そのためWebマーケティングでは、エンゲージメントとコンバージョンは分けて測定されることが多いです。

読者のエンゲージメントが高まるとコンバージョンが発生しやすくなります。

たとえばECサイトを運営している場合、サイトへの流入数や回遊率が上がる(エンゲージメントが高まる)ことは、商品が購入されるチャンスが増える(コンバージョンが発生しやすくなる)ことにつながります。

コンテンツマーケティングではエンゲージメントを高めながら、最終的にコンバージョンを目指すことが重要です。

コンテンツマーケティングにおいてエンゲージメントが重要な理由

エンゲージメントを重視するべき理由の1つに、コンテンツマーケティングを効率よく進めやすくなることが挙げられます。エンゲージメントが高くなれば、読者がコンテンツに対して一定以上の満足感を得ていることが伺えます。

その結果、自社コンテンツ(商品やサービスなど)との間に愛着や絆を感じてくれるようになり、マーケティング活動を行いやすくなるのです。

エンゲージメントが高いユーザーは口コミや評判などで自社コンテンツを拡散してくれやすくなります。その結果、第三者からの口コミを参考にした見込み顧客を獲得しやすくなり、新規顧客の獲得にもつながるのです。

このようにユーザーとのエンゲージメントを重視することで、自社コンテンツと読者との絆を強め、マーケティング活動をより効果的に進められます。

エンゲージメントを測る指標

コンテンツマーケティングにおけるエンゲージメントを測る指標には、主に以下の4つが挙げられます。

  1. UU数
  2. 滞在時間
  3. 回遊率
  4. 再訪期間・再訪数

それぞれの指標について詳しく見ていきましょう。

1.UU数

UU(​​ユニークユーザー)数とは、一定期間内にサイトを訪れたユーザーの数です。たとえば同一人物が複数回サイトにアクセスした場合は「1UU」とカウントします。

「UU数が多い=多くの人がサイトにアクセスしている状態」のため、自社サイトの人気度を測るうえでおすすめの指標です。ただしUU数だけでは、読者がコンテンツにどれくらい満足したのかは分かりません。

2.滞在時間

滞在時間とは、ユーザーがサイト内に滞在した時間のことです。滞在時間が長いほど、読者がコンテンツを熟読し、興味を持っている(エンゲージメントが高まっている)と考えられます。

ページ内のコンテンツ量にもよりますが、たとえば1ページあたり10秒くらいで離脱される場合よりも1分、2分とたくさん読んでもらえるコンテンツの方が、ユーザーが関心を持っている(エンゲージメントが高まっている)といえるでしょう。

ただし読者がサイトを離脱せずページを開いたままにした場合も滞在時間に含まれてしまいます。滞在時間はエンゲージメントを測る1つの指標といえますが、あくまで参考程度に見ておきましょう。

3.回遊率

回遊率とは、読者がサイト内の複数のページを閲覧した割合のことです。たとえば1人のユーザーが同じサイト内の複数のページを閲覧すれば、回遊率は上がります。

回遊率が高いということは、読者がコンテンツに興味を持ち、さらに詳しい情報を求めて他のページも閲覧しているということです。そのため「回遊率が上がるほどエンゲージメントも高まっている」といえます。

4.再訪期間・再訪数

再訪期間とは「読者が再びサイトを訪れるまでの期間」のこと、再訪数とは「読者が一定期間内に再訪問した回数」のことです。

たとえばある読者が一定期間内に複数回同じサイトにアクセスしている場合、そのサイトに対する興味関心(エンゲージメント)が高まっていることが伺えます。

そのため再訪期間が短く再訪数が多いほど、読者がコンテンツに興味を持っている、つまりエンゲージメントが高まっているといえます。

エンゲージメントを測るツール

エンゲージメントを測定するためには、適切なツールを活用することが重要です。ここでは、代表的なエンゲージメント測定ツールを3つ紹介します。

  1. Google Analytics
  2. SNSのインサイト
  3. ユーザーサーベイ

各ツールの特徴を見ていきましょう。

1.Google Analytics

Google Analyticsはアクセス解析ツールの1つです。サイトの滞在時間やPV(ページビュー)数、ユーザーの行動フローといった基本的なエンゲージメントの指標になる数字を取得できます。

「ユーザーがどれくらいサイトに滞在しているか知りたい」

「どの広告がどれくらいクリックされているのか知りたい」

このような場合にGoogle Analyticsを活用すれば、ユーザーの行動データを閲覧できるため、エンゲージメントが高まっているかどうか測定するうえで役立ちます。

2.SNSのインサイト

SNSにおけるインサイトとは、各プラットフォームで自分の投稿がどれくらいユーザーに届いているか調べるためのツールのことです。

多くのSNS(Facebook、 X(旧:Twitter)、 Instagramなど)では、投稿の閲覧数、いいねの数、シェア数、コメント数といった、エンゲージメントに関連するデータを提供してくれます。

インサイトをうまく活用することで、フォロワーに響くコンテンツはどのようなものか分析し、エンゲージメントを高めるうえで役立てられるでしょう。

3.ユーザーサーベイ

ユーザーサーベイとは、自社プロダクトに対してユーザーがどのような印象を持っているのか調査することです。

コンテンツマーケティングでユーザーサーベイを行えば、自社メディアがどのように関心を持たれているのか、ユーザーは満足しているのかどうかが分かります。

たとえばサイト内にアンケートフォームを設置したり、メールでアンケートを送付したりすることで、ユーザーの生の声を収集できます。

エンゲージメントが上がらない原因

エンゲージメント率が低迷している原因としてよくあるのが、データに基づかないコンテンツ制作です。

ユーザーのニーズや行動を分析せず、「なんとなくよいと思った」といった勘に頼ったコンテンツを作っていないか振り返ってみましょう。

ユーザーが求めているのは、自分たちの悩みや興味関心に合致したコンテンツです。得られたデータを活用せず、自社の都合や思い込みでコンテンツを作っていては、ユーザーのニーズにマッチしたコンテンツになりません。その結果、エンゲージメント率は低くなってしまうのです。

エンゲージメント率を高めるには、ユーザーデータをしっかりと分析し、ユーザーが求めているコンテンツを提供することが重要です。

エンゲージメントを高める方法

エンゲージメントを高める4つの方法を紹介します。

  1. ペルソナが好むような内容を発信する
  2. トレンドを意識する
  3. SNSでユーザーとコミュニケーションをとる
  4. 勘ではなくデータを分析・活用する

それぞれの方法について解説します。

ペルソナが好むような内容を発信する

エンゲージメントを高めるには、ペルソナ(ターゲットとなるユーザー像)が好むような内容を発信することが重要です。ペルソナが関心を持っていることや抱えている悩みを理解し、ニーズを満たすコンテンツを提供することで、エンゲージメントを高められます。

たとえばペルソナがアウトドア好きな20代男性の会社員だとすれば、休日におすすめのキャンプ地や登山に関するコンテンツを発信することで、エンゲージメントを高められるでしょう。

トレンドを意識する

ユーザーのエンゲージメントを高めるには、その時々のトレンドを意識することも大切です。旬な話題をコンテンツに取り入れることで、エンゲージメントの向上が期待できます。

たとえばある映画が話題になっている時期に、その映画に関連したコンテンツを発信することで、自社サイトのエンゲージメントを高められるでしょう。

ただしトレンドが過ぎるとエンゲージメントは以前と同じ状態に戻ってしまいます。またサイトのテーマと異なる話題を取り上げてもエンゲージメントの向上は期待できません。トレンドを意識することは大切ですが、トレンドだけを追わないよう意識してメディアを運営しましょう。

SNSでユーザーとコミュニケーションをとる

ホームページやブログと異なり、SNSはユーザーと直接コミュニケーションをとれる貴重な場です。ユーザーからのコメントへ丁寧に返信することで、ユーザーとの距離を縮め、エンゲージメントを高められます。

時にはユーザーから指摘を受けることもありますが、うまくフィードバックを活かせばコンテンツを改善するきっかけにもなります。

ただしSNSは拡散力が強いため、不適切な投稿をしてしまうと多くの人から非難が殺到する、いわゆる炎上が発生する恐れがあるのが怖いところです。

コンテンツマーケティングを行ううえでSNSは有力な選択肢の1つですが、発信内容は投稿前にしっかり精査を行いましょう。

勘ではなくデータを分析・活用する

コンテンツマーケティングでエンゲージメントを高めるには、正確なデータ分析に基づいたコンテンツ制作が不可欠です。

「なんとなく」といった勘で意思決定を行ってしまうと、なんとなく失敗してなんとなく再び似たような施策を行ってしまいかねません。結果、エンゲージメントも上がりにくくなってしまいます。

どのようなコンテンツが多くの反応を得ているのか、どのようなユーザーが自社のコンテンツに興味を持っているのか。このようなことを、アクセス解析ツールやSNSのインサイトを活用して分析することが重要です。

エンゲージメント率を高めることを意識してコンテンツを作ろう!

エンゲージメントはコンテンツマーケティングを成功に導くうえで重要な指標です。ユーザーのニーズを的確に捉え、共感を得られるコンテンツ制作が求められます。各指標を確認し、得られたデータを分析したうえで戦略的にコンテンツ制作を行うことが必要です。

本記事で紹介した方法を参考に、エンゲージメントを高めてユーザーとの絆を強められるようなコンテンツを制作していきましょう。

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