オウンドメディアに訪問したユーザーがいくら多くても、すぐに離脱してしまっては、期待している成果にはなかなか繋がりません。しかし、「どの数値を見ればいいのか」「どう改善していけばいいのか」というポイントを押さえるのは簡単ではありません。
そこで今回は、オウンドメディア運用の改善に欠かせない「回遊率」についてや、改善のポイントについてご紹介します。
回遊率とは?離脱率や直帰率との違いとは
回遊率とは?
回遊率とは、1訪問あたりのPV数のことを指します。計算式としては、「回遊率=PV数÷訪問数」で算出することができます。例えば、PV数が100で、訪問数が50だった場合、回遊率は2となります。
ユーザーが最初に訪れたページから、サイト内のほかのページにアクセスすればするほど回遊率は上がっていきます。そのため一般的には、回遊率が高いほどユーザーのエンゲージメントが高いと判断されます。
ECサイトであれば、回遊率が高くなるとユーザーが商品を見る回数が増えるため、購入機会を増やすことができます。メディアサイトであれば、いくつかの記事を読むことでユーザーがそのサイトのファンになり、再訪問に繋げることができます。このように回遊率を上げることで、目標とする成果を達成することができるのです。
回遊率を確認する方法
回遊率を確認する場合は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使用します。Googleアナリティクスでは、回遊率は「ページ/セッション」と表示された項目で確認することができます。回遊率は「なんの回遊率なのか」によって見方が変わるため、注意しておきましょう。
・サイト全体の回遊率:オウンドメディア全体の回遊率
・それぞれの参照元ごとの回遊率:オウンドメディアへの流入元ごとの回遊率
・ランディングページごとの回遊率:オウンドメディアのランディングページごとの回遊率
このように、分析したい・改善したい箇所に沿って、回遊率を確認することが重要です。
直帰率・離脱率との違い
回遊率と似た言葉に「直帰率」「離脱率」という単語があります。回遊率を正しく理解するためにも、それぞれの違いを把握しておきましょう。
直帰率
直帰率とは、ユーザーがサイトを訪問した際に、最初に閲覧したページだけを見て該当のサイトを離脱した割合のことを指します。計算式としては、「直帰率=直帰数÷訪問数」で算出することができます。例えば、該当のページの閲覧開始数が100で、直帰数が50だった場合、直帰率は50%となります。回遊率を上げるためには、この直帰率をできるだけ下げて、別のページへと誘導することが必要不可欠となります。
離脱率
離脱率とは、該当のページにアクセスされた回数のうち、離脱した割合のことを指します。計算式としては、「離脱率=該当のページの離脱数÷該当のページのPV数」で算出することができます。直帰率とは異なり、ユーザーがそのサイト内で何番目に該当のページにアクセスしたかにかかわらず、該当のページから離脱した割合を算出します。
回遊率の分析方法
回遊率はただ高ければ良いというものではありません。例えば、回遊率が高かったとしても、「欲しい情報が見つけられず、サイト内を回遊してしまっている」というネガティブな要因も考えられるためです。逆に回遊率が低い場合でも、「ヘルプページなど、ユーザーが知りたい情報を得て満足して離脱している」というポジティブな要因が考えられます。
そのため、分析を行う際は回遊率の数値だけを見るのではなく、滞在時間やコンバージョン率などのほかの数値も参考にしましょう。そうしないと、「回遊率は上がったが、コンバージョン率が下がってしまい、結果的に成果に結びつかなかった」ということにも繋がりかねません。あくまで各数値を参考に、ユーザーの行動を想像することで、最適な改善方法を考えましょう。
オウンドメディアで回遊率を下げてしまうポイントは?
オウンドメディアにおいて、回遊率を下げてしまうポイントはいくつかあります。今回はその代表的なポイントをご紹介します。
記事のクオリティが低い
せっかく集客したユーザーも、肝心の記事のクオリティが低ければ、そのページを読んでそのまま離脱してしまいます。ほかのページへのアクションを促すためには、コンテンツでユーザーの温度感を高めることが必要です。
「内容が薄い」「文章が支離滅裂」など、記事の質が低いと、回遊率は下がってしまうでしょう。
次のアクションに繋がる導線がない
記事を読んでくれたとしても、次のアクションに繋がる導線がなければ、ユーザーは直帰してしまいます。記事を読んだ後にどんな行動をして欲しいのか、そしてそのためにはどんな導線が必要なのかを考えなければ、ユーザーの回遊を促すことは難しいでしょう。
サイトが使いにくい
「ページの読み込み速度が遅い」「使用デバイスにデザインが最適化されていない」など、サイト自体の使いやすさも回遊率に大きく影響するため注意が必要です。訪問したサイトが使いにくいと、ユーザーはストレスを感じてそのまま離脱してしまいます。特にページの読み込み時間に関しては、一般的に3秒を超えてしまうと顕著に離脱率が上がると言われています。
オウンドメディアの回遊率を上げるポイントは?
オウンドメディアの回遊率を改善するためには、次のようなポイントを押さえておきましょう。
ユーザーのニーズにこたえる質の高い記事を発信する
サイトに訪問したユーザーを満足させるためには、まずユーザーが求めている情報を適切に用意することを心がけましょう。そのためには、ターゲットユーザーの明確化・テーマ選定・構成やボリュームなどの最適化など、記事を執筆する前の準備も欠かせません。
また、誤字脱字や記事の構成のチェックはもちろん、専門知識などほかでは得られない情報を盛り込むことで、ユーザーの満足度を上げ、次のアクションに繋がりやすくすることができます。
人気の記事が増えてくれば、自ずとユーザーが別の記事も読んでくれる可能性が高まるため、回遊率の向上が見込めます。ただし、質の高い記事を発信し続けるには運用体制を整える必要があるため、社内リソースに限界がある場合は、外部に依頼することも検討しましょう。
次のアクションに繋がる導線を用意する
記事を読んだユーザーを次のアクションに促すためにも、サイトの回遊に繋がる導線を用意しておきましょう。具体的には、記事の終わりに別コンテンツへの遷移先を設置することが有効です。
・読了した記事に類似した記事を紹介する
・記事のランキングなどで人気記事を紹介する など
記事を読み終わったユーザーができるだけ自然と次のアクションに移りたくなるような導線をつくることを意識しましょう。
ストレスフリーな体験をつくる
訪れたユーザーができるだけストレスを感じないサイト設計にすることも重要なポイントです。
・画像サイズなどを縮小して、読み込みのスピードを上げる
・文字のレイアウトやサイズの視認性を上げ、読みやすくする
・スマホ/PCなど、ユーザーが使っている端末ごとにデザインを最適化する など
サイト全体の体験を良くすることで、ユーザーのストレスを軽減し、次のアクションに繋がりやすい状態をつくることができます。
回遊率を改善して、成果に繋がるオウンドメディア 運用を!
回遊率の改善は、オウンドメディアを成果に繋げるために必要不可欠な要素の一つです。
ユーザーにとって、「記事のクオリティが高い」「サイトが使いやすい」などといったポジティブな要素は、回遊率を上げ、ユーザーのエンゲージメントを高めることに貢献します。逆に、「記事のクオリティが低い」「サイトが使いにくい」などといったネガティブな要素は、回遊率を下げ、ほかのサイトに流れてしまう要因になりかねません。
サイトに訪れたユーザーを満足させることができるよう、記事のクオリティやユーザー体験を向上させることで、回遊率を改善していきましょう。
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