多くの企業では、自社の商品やサービスを宣伝するためにさまざまなマーケティング活動をおこなっています。マーケティングの中でも、比較的コストをかけずに実施できるのが「SEO対策」です。
SEO対策には「内部対策・外部対策・コンテンツSEO」などの種類がありますが、中でも外部対策は、外部要因が大きいため対策が難しいとされています。
そこで今回は、外部対策で扱われる被リンクについて、得られる効果や増やしかたを解説していきましょう。
被リンクの概要
被リンクとは、外部のWEBサイト上に自身が運営しているWEBサイトのリンクが掲載されることです。
ブログ記事をみていると、参考になる文献や情報源として外部URLを掲載しているケースがありますが、このときの外部URLを被リンクと呼んでいます。
被リンクを獲得することで、ほかのWEBサイトから参照されるくらい信頼性が高いと認識されやすくなるため、SEOの評価向上にもつながります。
SEOで被リンクが重要視される理由
SEOでは「EAT」と呼ばれる概念が重要だといわれています。
EATとは「Expertise:専門性」「Authoritativeness:権威性」「Trustworthiness:信頼性」の頭文字を取ったものです。
専門性とは、記事の内容が専門的であるかを意味しており、権威性は発信する人間の知名度やブランドを表し、信頼性ではどこから発信された情報であるかが重視されます。
EATを満たした記事は重要ですが、EAT以外にもSEOに効果的である施策があります。それが外部対策の「被リンク獲得」です。
被リンク獲得をすることで、周りのサイトからも参考されるくらい品質の高い記事であると評価されるため、Googleから評価されやすくなります。したがって、SEO対策をするのであれば被リンク獲得は欠かせない要因の1つといえるでしょう。
被リンクで得られる3つの効果とは
被リンク獲得により、主に以下3つの効果が得られます。
- 上位表示されやすくなる
- ドメインパワーの向上につながる
- アクセス数の増加
それぞれ解説しましょう。
効果1:上位表示されやすくなる
被リンクの獲得は、周りが参考にする品質の高い記事であるとGoogleが認識しやすくなるため、SEOの評価が上がって上位表示されやすくなります。
上位表示されるかどうかは、Googleのアルゴリズムによって決められているため、SEOにおいてGoogleから評価されるのが重要なポイントです。Googleではユーザーを第一に考えているため、ユーザーのためになる記事が評価されやすい傾向にあります。
被リンクの獲得は、ユーザーにとって参考になる記事であることの証明につながるため、結果的にGoogleにも評価されやすいのです。
効果2:ドメインパワーの向上につながる
ドメインパワーとは、運営しているWEBサイトのドメインに対する力を指します。ドメインパワーの向上は、Googleが評価するSEOにも大きく影響してきます。
ドメインパワーはすぐにつけられるものではなく、継続的な運営によって徐々に増やしていけるものです。その中で、被リンクの獲得はドメインパワーの向上につながります。
効果3:アクセス数の増加
被リンク獲得によって上位表示されやすくなるため、サイトへの流入数増加にもつながります。
サイトを運営している多くのかたは、流入をきっかけに自社の商品やサービスの成約につなげたいと思っているでしょう。成約につなげるためには、対象の商品やサービスを知ってもらうことから始めなければなりません。
被リンク獲得によってアクセス数が増加すれば、ユーザーが目にする機会が増えて成約につながる可能性も上がっていくでしょう。
被リンク獲得で発生するリスク
被リンク獲得には、メリットだけではなくリスクも存在します。
想定されるリスクは、Googleのアップデートによって悪質な被リンクがSEOの評価を下げる要因となったため、被リンク獲得の方法を間違えると悪影響を及ぼしてしまうことです。
以前までは、専門の業者から被リンクを購入するなどの行為が発生していました。その結果、大量の被リンクを獲得する行為をGoogle側で悪質な被リンクだと判断するようになり、SEOの評価基準に影響を与えたのです。
したがって、被リンク獲得では自然と発生するような施策が重要なのです。
SEOにおける被リンクの増やし方を5つ紹介
SEOで被リンクを増やす方法には、主に以下の5つがあります。
- ユーザーファーストのコンテンツ作成
- SNSの活用
- 企業へのアプローチ
- 成功事例などを掲載する
- 統計データを掲載する
1.ユーザーファーストのコンテンツ作成
ユーザーファーストのコンテンツは、質の高いコンテンツだと評価されるため被リンクが自然に発生しやすいです。
Googleでは「ユーザーファースト」の理念を第一に掲げているため、ユーザーのためになるコンテンツは高く評価されて上位表示されやすくなります。その結果、多くのユーザーの目に触れる機会が増えるため、被リンクとして掲載される可能性も上がるのです。
また、SEOで上位表示されているコンテンツは信頼性が高いと認識されやすいため、参考としてURLを掲載されるパターンも多いでしょう。
2 .SNSの活用
SNSでは、自分のコンテンツを投稿することで拡散されていき、間接的なSEO効果が見込めます。
例えば、Twitterを使って自分のコンテンツを投稿したとしましょう。
投稿後、いいねやリツイートによって投稿が拡散されていき、SNS経由での流入数が増加していきます。流入数が増加することで、多くのユーザーがコンテンツを目にする機会が増えていくため、外部サイトからの参照やサービスの成約にもつながりやすくなるのです。
ただし、SNS上で被リンクを掲載していたとしても、直接的なSEO効果にはつながらないため注意しましょう。
3 .企業へのアプローチ
企業に被リンクを掲載してもらうと、個人のサイトに比べてSEOの評価が得やすくなります。
企業へアプローチするときには、被リンクを掲載してもらうためにも企画を持ち込んだり、企業のレビュー記事や紹介記事を記載して直接営業したりすることが効果的です。
しかし、実績のないサイトでは断られるケースがほとんどであるため、ある程度の集客数を達成してからアプローチするのがおすすめです。
4 .成功事例などを掲載する
もし、何らかの商品やサービスを取り扱っているのであれば、実際に導入した成功事例を掲載することで導入した企業が事例のリンクを記載する可能性があります。
導入した企業側は、自社のアピールをするためにも活用している商品やサービスの紹介をしていきたいものです。したがって、成功事例を掲載しておけば、導入企業側も自然と被リンクとして掲載してくれることが考えられます。
5 .統計データを掲載する
コンテンツ制作をしていると、信頼性を高くするために調査した統計データを掲載する場合があります。
しかし、統計データの内容によってはなかなか目当ての情報を得られないケースがあるでしょう。そのときに、統計データをわかりやすくまとめたコンテンツを掲載しておくことで、データを必要とするコンテンツからの被リンクが期待できるのです。
統計データを掲載するときには、そのまま載せるのではなくわかりやすい表やグラフなどにすることで、被リンク獲得がしやすくなります。
SEOの被リンクを確認できる3つの分析ツール
被リンク獲得戦略をしていると、実際にどれくらい被リンクが獲得できたのかを知りたいところです。被リンクを確認できるツールとして、以下の3つがあります。
- Google Search Console
- ahrefs
- Majestic
それぞれ解説しましょう。
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
Google Search ConsoleはGoogleが提供しており、基本無料で利用できる分析ツールです。
Google Search Consoleが持つ機能としては、WEBサイト内に掲載しているコンテンツの検索結果確認や、WEBサイトに潜む問題点の検出などです。
検索結果の確認では、対象WEBサイトの掲載順位・クリック数・CTR・リンク状況などをみることができ、リンク状況の確認をすることで、WEBサイトでどれだけ被リンクされているのかがわかるのです。
また、WEBサイトに潜む問題点の検出内容としては、表示速度が遅いWEBページの把握やパンくずリストのエラー検出をしてくれます。
ahrefs(エイチレフス)
ahrefsは海外で開発された有料のツールであり、インストールが不要なツールとなっています。
ahrefsが持つ機能としては、被リンクのチェックや競合サイトの調査、そしてキーワード調査などがあります。
世界最大級の被リンクデータ量を誇るahrefsでは、そのデータベースを活用し、被リンク数の把握が可能です。被リンク数を把握することで、今までの施策が効果的だったのかを判定できるため、定期的に実施したいところです。
ほかにも、競合サイトの調査では、自社サイトに加えてさまざまな競合サイトの被リンク調査や上位表示コンテンツの確認ができます。自社だけではなく、他社にも目を向けることで新たな施策を生み出すチャンスにつながるでしょう。
キーワード調査では、対象のキーワードのボリュームやSEO対策の難易度調査が可能です。キーワードの競合性も調査もできるので、キーワードを選ぶ際に利用し、WEBサイトの流入につながるコンテンツ作成ができるようになるでしょう。
Majestic(マジェスティック)
Majesticは自社だけではなく、競合他社の被リンク状況を確認できる外部対策用のツールです。
利用方法は簡単です。対象WEBサイトのドメインやURLを記載すると解析が開始されます。
解析時にわかるものは、対象のWEBサイトの獲得被リンク数、被リンク元のドメイン情報などがあり、被リンク数やドメイン情報だけではなく、Majesticが独自で持つ指標も検出されます。
Majesticが持つ独自の指標は2つあり、Trust Flow(トラストフロー)とCitation Flow(サイテーションフロー)を指します。
Trust Flowとはリンクの品質を表していて、数字が高いほど高品質のリンクであると判断します。一方、Citation Flowとは、リンクの量を反映するスコアなのでリンクの品質まで判断していません。
リンクの量にあわせてリンクの品質がわかることで、正しく被リンク獲得できているかの確認もできるでしょう。
プランは3つあり、「LITE・PRO・API」と使用用途にあわせて選ぶことができます。本格的に使うのであればPROがおすすめといえるでしょう。
SEOの競合分析ツールについては、下記の記事で解説しているので参考にしてください。
SEOの被リンクを獲得するときに注意すべき5つのポイント
SEOの被リンクを獲得するときには、以下の点に注意しましょう。
- 業者から被リンクを買わない
- コンテンツ同士の関連性を意識する
- 隠しリンクを設置しない
- 相互リンクをしすぎない
- 同一の被リンクを複数載せない
ポイント1:業者から被リンクを買わない
先述したとおり、Googleのアップデートによって悪質な被リンクはSEOの評価を下げる要因となってしまうため、業者から被リンクを買わないようにしましょう。
Google側では大量に増える被リンクを悪質であると評価するので、被リンクは業者から買うのではなく、良質なコンテンツを発信して自然と発生するような施策をしていきましょう。
ポイント2:コンテンツ同士の関連性を意識する
被リンクは、ただ単にほかのサイトからリンクしてもらえばいいわけではありません。重要なポイントは、リンク元とリンク先のコンテンツ同士が関連しているかどうかです。
例えば、マーケティングに関する情報を発信しているコンテンツを運営していたとします。
そのときに、リンク先として食事の作りかたなどのサイトを掲載したとしても、コンテンツ同士の関連性が低いため評価されにくいでしょう。マーケティングであれば、SNSなどの関連性が高いコンテンツを掲載するのが効果的です。
ポイント3:隠しリンクを設置しない
隠しリンクとは、訪れたユーザーに認識されにくいようなリンクです。
例えば、リンクの文字をサイトの背景色と同一にしたり、フォントサイズを極端に小さくしたり、わかりにくい場所に配置したりなどが当てはまります。
そもそも隠しリンクを設置する目的としては、SEOを評価するクローラーだけに認識させるためです。
しかし、最近ではGoogleアルゴリズムのアップデートにより、隠しリンクや隠しテキストを悪質であると判断するようになったのです。
リンクを設置するときには、正しい記載方法でおこないましょう。
ポイント4:相互リンクをしすぎない
相互リンクとは、お互いのサイトでリンクを掲載し合うことです。
相互リンク自体は悪いものではなく、お互いにとってメリットがある関係性であれば実施して問題ありません。
しかし、被リンクの獲得だけを第一に考えてしまい、さまざまなメディアと相互リンクをするのは危険です。先述したとおり、大量の被リンクやコンテンツの関連性が低い場合はSEOの評価を下げてしまいます。
相互リンクをする場合には、お互いにとってメリットのあるリンクとなるのかを確認した上で取り組んでいきましょう。
ポイント5:同一の被リンクを複数載せない
同じページ内に同一の被リンクを複数載せたとしても、最初の被リンクのみが評価される対象となるため意味がありません。
また、同一リンクを増やすことは「ドアウェイページ」と呼ばれるスパム行為であると認識される危険性があるため、できる限り1つだけにするのがおすすめです。
正しい方法で被リンクを獲得しよう
被リンクの獲得は、Googleから良質なコンテンツであると評価されるため、上位表示につながる効果的な施策です。
最近では、被リンクの獲得とあわせてEATを意識したユーザーファーストのコンテンツであることも重要視されています。被リンクの獲得を達成するためには、コンテンツの作成からおこなっていき、ある程度質の高いものができてきたら企業へ営業していくなどの行動が効果的です。
これから被リンク獲得戦略をすすめていくかたは、今回の記事を参考に悪質な方法ですすめていくのではなく、正しいアプローチで取り組んでいきましょう。