近年、購買活動の中心がオンラインへ移行され、昔ながらの営業スタイルや企業宣伝では他社に対抗できない状況となってきました。その結果、多くの企業ではSEOを始めとしたWEBマーケティングに力を入れ始めています。しかし「とりあえずSEOを始めてみたけどイマイチ重要性が分からない」「コンテンツマーケティングとの違いが分からない」と悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回は、WEBマーケティングに取り組んでいる方へ向けて、SEOの重要性とコンテンツマーケティングとの違いを解説します。
SEOマーケティングとは
SEOマーケティングとは、検索エンジン最適化を通じて、ウェブサイトの可視性を向上させ、ターゲットオーディエンスに見つけてもらいやすくするためのマーケティング手法です。これには、キーワードの最適化、質の高いコンテンツの作成、リンク構築、サイト速度の向上、モバイルフレンドリーなデザインなどが含まれます。
SEOは、主に検索エンジンの結果ページ(SERP)で上位に表示されることを目指し、自然検索によるトラフィックを増やすことが目的です。特に、オンページSEO、オフページSEO、そして技術的SEOの3つのカテゴリに分かれており、それぞれが異なる要素でウェブサイトのランキング向上に貢献します。
最終的には、検索エンジン経由でのトラフィックが増えることで、ビジネスの成長や売上の向上につながるといわれています。
SEOマーケティングが必要な理由
SEOは、継続的な集客を得るためにも重要です。WEBマーケティングにはさまざまな種類があり、得たい目的や効果によって使うべき施策が異なります。SEOは、ユーザーが検索したタイミングで流入の機会を得られるため、一度評価されればしばらく継続的な集客が見込めるのです。
ただし、定期的なGoogleのアップデートによって順位が一気に変化する可能性も考えられるため、継続的にコンテンツの修正をおこないましょう。
3つのSEO対策
SEOは、主に以下の3つで構成されています。
- 内部施策
- 外部施策
- コンテンツ制作(コンテンツSEO)
①内部施策
内部施策とは、SEOの順位を決めているクローラーが巡回しやすくなるために、WEBサイトの構成を最適化するための対策です。
内部施策の例としては、
- パンくずリストの設置
- ディレクトリ構造の最適化
- Google XML Sitemapsの設置
などが挙げられます。
②外部施策
外部施策とは、被リンクを獲得するための施策です。
被リンクとは、外部サイトに自社WEBサイトのリンク先が掲載されることを指します。被リンクの獲得は、SEOが評価するときに「外部サイトが参考にするくらい良質なコンテンツである」と認識するため、検索結果も上位に表示されやすくなるのです。
③コンテンツSEO
SEOで最も重要になるのは、何といってもコンテンツです。
どれだけ内部施策や外部施策を実施したとしても、コンテンツが良質でなければSEOの評価を得ることは難しいでしょう。コンテンツは基本的なSEO対策をしつつ、ユーザーの悩み・欲求を解決できるかを意識して作成するのが重要です。
SEO以外の主なマーケティング施策
WEBマーケティングと言っても、さまざまな種類の施策があります。
ここでは、以下に記載した5つの施策をご紹介します。
- 広告戦略
- SNS運用
- サイトの(オウンドメディア)作り込み
- 分析・効果測定
Web広告
広告戦略とは、WEB上に広告を掲載することで、広告をクリックしたユーザーが商品やサービスに興味を持つことです。
広告としては、以下のような種類があります。
- リスティング広告(検索結果の上部に表示される)
- ディスプレイ広告(WEBサイトやアプリ上の決められた枠内に表示される)
- SNS広告(さまざまなSNS上に掲載される)
広告は基本的に有料となるため、どのような目的でどの程度の効果を得たいのか事前に決めたうえで打ち出していきます。
リスティング広告についてはこちらをご覧ください。
SNS運用
SNS運用とは「Twitter・Instagram・Facebook」などを活用し、ユーザーの購買意欲を刺激する方法です。最近では、SNSでリアルタイムな情報を得られるため、商品やサービスの口コミを調べるときにも活用され始めています。
他にも、自社のアカウントを運営して有益な情報発信を続けることで、企業の宣伝活動にもつながるのです。
また、オウンドメディア上にSNSへのリンク先をボタンとして設置できるため、効果的に運用するための手助けとなってくれるでしょう。
オウンドメディアでのSNS活用方法はこちらをご覧ください。
オウンドメディア運用
WEBマーケティングで重要なのは、オウンドメディアに集客することではありません。ユーザーの集客後に、集客したユーザーを商品やサービスの成約まで結びつけるのが重要です。
したがって、商品やサービスの魅力をユーザーへ効果的に伝えるためにも、オウンドメディアを作りこむ必要があります。
オウンドメディア制作についてはこちらをご覧ください。
分析・効果測定
効率的にWEBマーケティングを進めるためには、打ち出した施策がどの程度成果に結びついているのかを定期的に測定する必要があります。
測定時には、オウンドメディアへのアクセス数やサイトへの流入経路がどこであるかを把握し、成果を得られていなければ新しい施策を打ち出すなどの対応が必要です。
分析や効果測定をするときは、以下のようなツールを利用すると良いでしょう。
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
SEOの分析についてはこちらをご覧ください。
LPO(ランディングページ最適化)
LPO(ランディングページ最適化)は、訪問者を効果的にコンバージョン(例えば、購入やサインアップ)に導くために、ランディングページのさまざまな要素を最適化するプロセスです。
SEOマーケティングにおいてもLPOは重要で、ページの読み込み速度、モバイルフレンドリーなデザイン、そしてコンテンツのキーワード最適化などが含まれます。さらに、訪問者の行動データを分析し、A/Bテストを実施することで、最も効果的なページデザインやメッセージングを見つけ出します。
ランディングページに信頼の指標(例えば、顧客のレビューやセキュリティバッジ)を配置することも、訪問者のコンバージョン率を向上させる要素となります。
SEOマーケティングを実施する5つのメリット
SEOの実施には、主に以下のメリットが得られます。
- 集客につながる
- 広告費がかからない
- 資産となる
- ブランディングにつながる
- あらゆる顧客層にアプローチできる
メリット1:集客につながる
SEOは、Googleに評価されれば検索結果で上位表示されるため、ユーザーの集客につながりやすいのが特徴です。
2020年7月にSISTRIX社が発表した「検索順位とクリック率」によると、検索順位が高いほどクリック率も向上するのが分かります。
検索順位 | クリック率 |
1位 | 28.5% |
2位 | 15.7% |
3位 | 11.0% |
4位 | 8.0% |
5位 | 7.2% |
6位 | 5.1% |
7位 | 4.0% |
8位 | 3.2% |
9位 | 2.8% |
10位 | 2.5% |
参照:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid
WEBサイトへの流入数が増加することで、自社商品やサービスの成約にも結びつく可能性が上がるでしょう。
メリット2:広告費がかからない
SEOでは、実施するための広告費がかかりません。
広告費がかからない分、評価されるために良質なコンテンツ作成を意識する必要があります。他の広告では、広告がクリックされる度に費用が発生したり、掲載するバナーの大きさや期間によって費用が発生したりするケースがあるのです。
ただし、SEOに対する広告費はかからないものの、コンテンツを制作するための制作費は多少なりともかかってくるでしょう。
メリット3:資産となる
SEO評価を得たWEBサイトは、継続的な集客が見込めるため企業の資産となります。WEBサイトが上位表示されることで、費用をかけずにユーザーが流入する機会を増やせるのです。
しかし、競合WEBサイトによって良質なコンテンツが作成されたり、GoogleのアップデートによってSEOの評価基準が変更されたりすることで、今まで上位表示されていたWEBサイトの順位が変動することも考えられます。
集客を維持したい場合には、定期的なコンテンツの見直しを実施していきましょう。
メリット4:ブランディングにつながる
SEOでの上位表示は、ユーザーの悩みを解決してくれるWEBサイトであると認知されやすくなるため、企業のブランディングにもつながります。
ブランディングとは、企業や個人に対するイメージを意味しており、ブランド力が高いと「その企業が出した商品だから買う」「ある芸能人がおすすめした商品だから購入する」といったような効果を得られるのです。
もし、ユーザーの悩みを解決してくれる企業であると認知されれば、知識や技術力が豊富な企業であるという認識にもつながる可能性があるため、商品やサービスの成約率アップにもなるでしょう。
メリット5:あらゆる顧客層にアプローチできる
SEOは、顧客層に関わらずアプローチできるのもメリットの一つです。検索エンジンは、顧客層に関わらず誰でも利用する媒体となります。したがって、あらゆる顧客層が利用します。
また、SEOで集客されてくる顧客は特定のキーワードで検索をしてくるため、何らかの目的を持ってWEBサイトへ訪れます。したがって、ふと目にして訪れる広告などと違い、目的が明確化されているため次のアクションにも移りやすいのです。
SEOとコンテンツマーケティングにある4つの違い
オウンドメディアを運営している企業の中には、SEOとコンテンツマーケティングの違いを理解せずにさまざまな施策を打ち出しているケースが見受けられます。
そこで、それぞれの違いを4つの観点からお伝えしましょう。
1.最終的なゴール
SEOは、検索結果の上位表示を目的としているため、最終的に自社サイトへのアクセス数増加をゴールとしています。対してコンテンツマーケティングは、自社サイトへ訪れた後の商品やサービスの資料請求や問い合わせ、そして成約に結びつくのをゴールとしているのです。
2.ターゲット層
SEOは、自社サイトへの流入数増加を目的にしているため、商品やサービスを認知していない顧客をメインターゲットとしています。一方でコンテンツマーケティングは、顧客が購買につながる何らかのアクションを目的としているため、既に商品やサービスの認知をしており、ある程度の購入意欲がある顧客を対象としているのです。
3.利用媒体
利用媒体にも違いがあります。SEOは検索エンジンからの流入を狙う施策であるため、利用媒体は検索エンジンのみとなります。コンテンツマーケティングは、さまざまな媒体を使って顧客にアプローチをしていくため、複数の利用媒体を駆使していくのです。
4.アプローチ方法
SEOの場合は、基本的にオウンドメディアのSEO対策記事を経由して流入してくるため、テキストコンテンツがメインです。対してコンテンツマーケティングは、先述した通り複数の媒体を利用するため、テキストコンテンツ以外にも動画などを使うケースがあるでしょう。
SEOとコンテンツマーケティングを効果的に活用していこう
SEOとコンテンツマーケティングは、どちらか一方を活用するのではなく、組み合わせることでWEBマーケティングを効果的におこなえます。具体的にはSEOでWEBサイトへの流入数を増加させ、コンテンツマーケティングによって成約へつながる方法です。
これからWEBマーケティングに取り組む方は、今回の記事を参考にSEOとコンテンツマーケティングを活用していきましょう。
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