PPCとは?広告の仕組みや種類、メリット、始め方などを解説

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PPCとは、クリックごとに費用を支払う課金方式のことです。PPCの仕組みを利用した広告を「PPC広告」と呼びます。実際の成果に応じて支払うコストが変動するため、高い費用対効果を期待できるでしょう。即効性もあるため、短期で成果を出したい企業におすすめです。

実際に運用する際は「広告の目的を定める」「CVRなどの指標をもとにデザインや文言を改善する」といったポイントを押さえましょう。

本記事では、PPC広告の仕組みや種類、メリット・デメリット、始め方、運用成功のポイントなどを解説します。

PPCとは?広告の仕組みについて

PPCとは「Pay Per Click」の略語です。日本語で「1回クリックされるごとに費用を支払う」という意味を持ちます。

PPC広告は、上記の仕組みを利用した「クリック課金型広告」です。ユーザーが広告をクリックし、用意したランディングページなどに移行した時点で費用が発生します。自社商品・サービスに関連する検索キーワードやターゲットを踏まえて、広告を出稿できる点が魅力です。

PPC広告の種類

PPC広告の主な種類は、以下の3つです。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告

リスティング広告

ユーザーの検索キーワードと関連した広告を出稿する手法です。例えばオンライン学習塾の運営企業であれば、「オンライン塾 おすすめ」といったキーワードで出稿することで、入塾を検討中のユーザーへ効果的にアプローチできます。広告は、パソコンやスマホの検索画面の最上部と最下部に表示されます。

「商品単価が高い」「リピートを見込める」といったサービスであれば、1件の成約で大きな利益につなげられる点が魅力です。

リスティング広告の料金目安やメリットなどは、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:リスティング広告とは?SEOとの違いやメリット・デメリットを解説

ディスプレイ広告

検索エンジンやWeb サイト、アプリなどの広告枠内に出稿する手法です。バナー広告とも呼ばれます。テキストだけでなく画像・動画と組み合わせて表示できるため、ユーザーへ視覚的にアプローチできる点が魅力です。

リスティング広告は、検索キーワードをもとに配信ターゲットを決めるため、ある程度ニーズを感じている「見込み顧客」へアプローチできます。一方のディスプレイ広告は、定められた枠内に出稿するため、まだニーズに気づいていない「潜在顧客」へアプローチする際に有効です。

見込み顧客・潜在顧客の違いについては、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:見込み顧客と潜在顧客の違いとは?オウンドメディアを活用して見込み顧客にアプローチしよう

SNS広告

X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNS上に広告を出稿する手法です。タイムラインに溶け込む形で広告が表示されます。SNS広告は、ユーザーが登録した性別・年代・趣味などの情報をもとに配信ターゲットを絞れるため、自社の顧客層へピンポイントでアプローチできる点が魅力です。

ユーザーが自発的に拡散してくれれば、自社のコストを抑えつつ潜在顧客を含め幅広いターゲットにアプローチできる可能性があります。

PPC広告のメリット

PPC広告のメリットは、大きく以下の3つです。

  • 費用対効果が高い
  • 効果測定がしやすい
  • 即効性がある

費用対効果が高い

PPC広告は、ユーザーがクリックしたタイミングで費用が発生します。「クリックが少ない=成果が出ていない」という場合はコストを抑えられるため、高い費用対効果を期待できるでしょう。「成果が出ない広告に毎月定額料金を支払う」という必要がないため、予算の限られた企業でも活用できます。

効果測定がしやすい

PPC広告では、以下のような指標をもとに効果測定を実施できます。

  • コンバージョン率(CVR)
  • クリック率(CTR)
  • クリック単価(CPC)
  • インプレッション数

数値を参照し客観的な視点でネックポイントを洗い出すことで、的確に施策を改善できます。例えば「クリック数は多いがコンバージョン率が低い」という場合、広告の文言と移行先ページの内容が噛み合っておらず、ユーザーの期待に沿っていないのかもしれません。こうしたケースでは、ランディングページの改善が必要でしょう。

指標の詳細は「PPC広告の効果測定に用いる指標」の章で解説しています。

即効性がある

PPC広告は設定完了直後から配信できるため、短期的な成果を望めます。コストは必要ですが、的確なターゲットに表示できれば短期間で売上につながるかもしれません。「期間限定のキャンペーンを実施して新規顧客へアプローチしたい」「新規サイトの初動の流入数を増やし早めに検索エンジンから評価されたい」という企業にもおすすめです。

PPC広告のデメリット

PPC広告には以下のようなデメリットもあるため、事前に確認しましょう。

・競合が多い場合は単価が高騰する

・運用が手間に感じる人もいる

競合が多い場合は単価が高騰する

PPC広告の単価は、出稿希望者によるオークション形式で決まります。「成約率が高い」「トレンドに乗っている」といったキーワードは人気が高く競合も増えるため、単価が高騰するかもしれません。

予算を抑えるには、あらためて自社のペルソナを分析し「ボリュームは少ないがターゲットと親和性が高い」という穴場のキーワードを見極めることが大切です。ロングテールキーワードであれば競合が減りやすいため、単価を抑えられるかもしれません。

運用が手間に感じる人もいる

PPC広告で成果を出すには、以下の点を意識して運用・改善することが必要です。

  • 出稿キーワードは適切か?
  • 広告のデザインや文言でユーザーの興味を惹いているか?
  • 移行先のランディングページで自社の魅力に訴求できているか?

上記のような運用・改善には専門知識が必要なため、漠然と「PPC広告を出稿すれば売上につながるのでは?」と考える方にとっては、手間に感じるでしょう。

PPC広告の効果測定に用いる指標

PPC広告の効果測定で用いる主な指標としては、以下が挙げられます。

主な指標概要計算式(単位は%)
コンバージョン率(CVR)自社の目的(商品購入や会員登録、資料請求など)を達成した割合。売上に直結するため、指標の中でも重要度は高いコンバージョン数÷クリック数×100
クリック率(CTR)広告が実際にクリックされた割合。広告の文言やデザインなどで数値が変動しやすいクリック数÷広告表示回数×100
クリック単価(CPC)広告が1回クリックされるまでにかかった費用広告費÷クリック数
インプレッション数ユーザーの画面に広告が表示された回数アクセス数×広告の掲載数
コンバージョン単価(CPA)1件のコンバージョン達成にかかった費用。主に「新規顧客の獲得単価」の計測時に利用する広告費÷コンバージョン数
広告費用対効果(ROAS)広告費に対し、どれほどの売上を生み出せたか計測する指標広告経由の売上÷広告費

上記の指標を用いることで、数値的な根拠をもとにPPC広告を改善できます。

PPC広告の始め方

PPC広告の具体的な始め方は以下のとおりです。

  1. アカウントの作成
  2. キャンペーンの設定
  3. 効果測定と最適化

1.アカウントの作成

最初に、PPC広告を出稿したい媒体でアカウントを作成します。公式ページをもとに、主な媒体におけるアカウント作成手順をまとめたので参考にしてください。

媒体アカウント作成ページ
GoogleGoogle広告ヘルプ | Google 広告アカウントを作成する
Yahoo!Yahoo!広告ヘルプ | 広告アカウントを作成する
X(旧Twitter)Xビジネス
Facebookビジネスヘルプセンター | Facebook広告アカウントを作成する
Instagramビジネスヘルプセンター | Instagramから広告を作成する

自社サービスにマッチしたターゲットが利用している媒体を選ぶことが大切です。媒体ごとの利用者層は、「総務省情報通信政策研究所の調査結果」でもチェックできます。

2.キャンペーンの設定

PPC広告におけるキャンペーンとは、「広告を管理するための単位」のことです。具体的には、以下のような項目を設定しグループごとで広告を管理します。

  • 目的
  • 予算
  • 配信地域
  • 配信期間
  • 配信ターゲット
  • 出稿キーワード
  • 言語

自社ターゲットやサービスなどを踏まえキャンペーンを設定することで、広告の成果を出しやすくなります。

3.効果測定と最適化

キャンペーンを作成して広告を出稿したら、必ず効果測定を実行しましょう。コンバージョン率やクリック率などをもとに、以下のような改善策を実行することで、徐々に広告を最適化できます。

  • 出稿キーワードを変更する
  • デザインを変更してユーザーの目を惹きやすくする
  • ターゲットに刺さる文言へ変更する
  • ランディングページにおけるメリットの訴求方法を変える
  • ランディングページのCTAの位置を改善して目に入りやすくする
  • 移行先にある登録フォームの入力項目を改善する

PPC広告とほかのマーケティング・広告手法の比較

PPC広告や、ほかのマーケティング・広告手法には違いがあります。それぞれの特徴を把握して、自社に最適な手法を取り入れましょう。

今回比較するのは以下のとおりです。

  • PPC広告とSEO
  • PPC広告とCPM広告

PPC広告とSEO

PPC広告とSEOの比較は以下のとおりです。

PPC広告SEO
成果が出るまでの期間短い長い
コスト必ず出稿費用がかかる努力次第で抑えられる
表示位置安定している安定していない

【成果が出るまでの期間】

PPC広告は出稿直後から検索画面に表示できるため、短期的にユーザーへアプローチできます。

一方でSEOは、検索順位を上げるために「キーワード選定検索意図の把握・記事制作・定期的なリライト」などが必要です。こうしたサイクルを回し、数カ月〜数年単位で成果が出るため、長期的な視点で運用しましょう。

【コスト】

PPC広告は、出稿時に必ず費用が必要です。

SEOも、コストが0というわけではありません。しかし、安定して検索上位を獲得できるようになれば、大きなコストをかけず自然流入経由でユーザーに認知してもらえます。

【表示位置】

PPC広告は、配信期間内であれば検索画面トップや定められた枠内に表示できるため、コストを投下し続ければ表示位置は安定するでしょう。

一方のSEOは、記事のクオリティやアップデートなどで検索順位が変動するため、表示位置は安定しません。

そのほか、SEOとの具体的な比較は以下の記事をご覧ください。取り上げているのは「リスティング広告」ですが、内容自体は参考にできる部分も多いはずです。

関連記事:SEOとリスティング広告の違いとは?定義から使い分けまで徹底解説

PPC広告とCPM広告

PPC広告とCPM広告は「課金形式」が異なります。

PPC広告は「クリック数に応じて課金する形式」です。

一方でCPM広告は「表示回数に応じて課金する形式」です。クリック数にかかわらず、表示回数によって費用が変動します。

PPC広告を成功させるには?

PPC広告の運用を成功させるには、以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 「期間限定キャンペーンの告知をしたい」「商品の購入数を伸ばしたい」など広告出稿の目的を定める
  • ターゲットや商品との相性を踏まえ、適切なキーワードや出稿媒体を選ぶ
  • コンバージョン率やクリック率などの指標をもとに、「目を惹くデザインへの変更」「ランディングページ内におけるメリット訴求方法の修正」といった改善策を実行する
  • 「社内で専門部署を立ち上げて知見を蓄積する」「プロに外注する」などで継続的な運用体制を整備する

まとめ

PPC広告とは、クリックに応じて費用が発生する広告のことです。具体的な成果に応じてコストが発生するため、高い費用対効果を期待できます。コンバージョン率やクリック率などの指標をチェックできるため、効果測定も実行しやすいでしょう。具体的な数値的根拠をもとにデザインや文言などを改善することで、効率的に自社の求める成果へ近づけます。

PPC広告を出稿する際は、以下の手順を参考にしてみてください。

  1. アカウントの作成
  2. キャンペーンの設定
  3. 効果測定と最適化

ただ、企業によっては「PPC広告のやり方は把握したが本当に自社で運用できるか不安」「成果を分析する知見がない」ということもあるでしょう。確かにPPC広告は、漠然と出稿しても成果を出しにくいため、不安を感じるのも無理はありません。

上記のような悩みを抱えている場合は、PPC広告運用のプロに任せることも有効です。

弊社が運営する「プロクルコンテンツ」であれば、130種類・2,000名という多くの専門家の中から、広告運用のプロを選んでサポートを受けられます。登録している専門家は審査を通過した方ばかりであるため、安心して依頼できるでしょう。広告運用のプロからアドバイスを受けて高い成果を出したい企業は、ぜひご活用ください。
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内野マナト

「ユーザーニーズを徹底的に満たせる記事を制作する」をモットーに活動しているWebライター。BtoB分野をメインに執筆しており、SEO・マーケティング・転職・CRMなど幅広いジャンルに対応可能。検索ニーズを満たすために必要な「独自性」を盛り込んだコンテンツの制作を心がけている。FP2級保有。X(旧Twitter)アカウント:@uchino_manato

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