多くの大企業において、次世代の経営幹部育成に多大な投資が行われているにもかかわらず、「座学や経営塾の機会は設けたのの、修羅場を乗り越えられる実践力が養えない」という共通の課題が後を絶ちません。これは、企業が計画的ではない「偶然の修羅場」に依存した育成から脱却し、戦略的に設計された「良質な経験」を意図的に与えることが求められていることを示しています。
特に日本企業においては、「生涯1社で会社頼み」のキャリア形成や「当社のやり方」重視のOJTといった「内向きの慣行」が根強く存在しており、外部の視点を取り込む機会が少なく、閉鎖的な発想を助長する傾向にあります。この外部視点の不足こそが、外部環境で求められる「非連続なイノベーションを生む力」や「タフな意思決定力」の獲得を妨げ、環境変化に対応できるリーダーを育成する上での大きな課題となっています。
このガイドブックでは、経営人材育成に不可欠な「タフアサインメント」を、越境学習を通じて戦略的に設計し、真の実践力を高めるための具体的な方法論を解説します。
目次
1.タフアサインメントとは？
2.三井化学の事例：「キータレントマネジメント」から学ぶ、次期経営者育成のはじめかた
3.越境学習でタフアサインメントを進めるうえでのポイント
4.タフアサインメント導入時の“5つの壁” の乗り越え方
5.タフアサインメントでリーダー育成に成功した企業事例
6.リーダー留学のご紹介