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en learning vol.13「人生100年時代のPDCA」

こんにちは!はじめまして!
今年6月にエンファクトリーに入社しました粱根(アワネ)と申します。
入社して早2ヶ月が経ちますが、デザインをメインに色々な業務に携わり、日々、刺激を受けながら学びの毎日を送っております。

先日、第13回目となるen learning(エンラーニング)を開催しました。

「en learning」とは?

会社や自分のステージに合わせて、社員それぞれが学びたいこと・必要なことを、外部からその道のプロをお招きして、開催しています。
この勉強会には、エンファクトリーに在籍したことのある人、これから入社予定の人、パートナー企業の方々、社員の友人、知人などをお招きしています。
メインとなる勉強会以外にも「ゆるく」いろいろな方とつかず離れずで繋がりを保っておく、という目的もあります。

毎回とても為になる話ばかりなので、是非、過去のレポートもご覧ください。

過去のレポートは、こちらから!

 

突然ですが、皆様はPDCAを回していますか?

今回のテーマは「PDCA」

「ん?AI、サブスクときて、今さらPDCAなの?」

と思ったあなた!
PDCAをビジネスだけでなく、自身のライフプランを通して活用できていますか?

(と、偉そうなこと書いている私自身、活用どころかPDCAを回すことすらままならない状態ですが)

 

本格的なAI時代の到来、そして、転職や副業が当たり前の世の中、典型的なロールモデルが生まれにくく、自分が歩みたいライフプランを実現するのはますます困難となってきています。
ビジネスだけでなく、何をするにも仮説・検証を立てて改善を行なっていくことが、今の時代とても重要になります。

 

このように説明してくださったのは、今回、講師としてお招きしました、株式会社 AND CREATE代表の清水久三子さんです。

BEERで喉を潤しつつ、楽しく講義をしてくださりました!

清水さんは、ビジネス書の執筆や、人材育成・経営コンサルティング事業、また様々な企業にてセミナーを開催し、高い集客と満足度を得ているとても素晴らしい方です。

一生食える!これは必見です!

今回は、今年2019年1月に発売されました清水さん著書の「一生食えるプロのPDCA」から「人生100年時代のPDCA」についてお話ししていただきました。

 

そもそもPDCAとは?

PDCA提唱者の名前からデミングサイクルとも呼ばれます。

ビジネス用語としてよく目にするPDCA。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとった言葉であり、計画から改善までのサイクルを繰り返し、業務改善を図っていく方法になります。

「じ……実はよく知らない。」
「上手くやれているのかわからない。」
「いやいや、PDCA回しまくってますよ!」

PDCAと聞いて、色々な認識を持つ方がいると思います。

 

PDCAに対する認識の段階を知ろう!

  • 無意識的無能
  • 意識的無能
  • 意識的有能
  • 無意識的有能

無意識的無能とはPDCAを知らない、知ろうとしていない状態、意識的無能は知っているけど上手くまわせていない状態になります。
意識せずとも自然にPDCAをまわせているというのは理想的であり、これが無意識的有能という段階になります。
まず、自身がPDCAに対してどの認識段階なのかを知ることが大事だと清水さんは言います。

自分自身がPDCAを上手くまわせていると思っても、実はできていなかったり、意識的無能と意識的有能ではかなりの違いがあるわけです。

 

PDCAが上手くまわらない理由とは?

計画・実行して、その結果を評価し、改善していく。
言葉だけ見ると決して難しくはなさそうですが、何故か上手く活用できない。そういう人も多いのではないでしょうか。

清水さんはPDCAが上手くまわらない要因として3つの問題をあげています。

  • 思考の問題
  • 人の問題
  • スピードの問題

失敗があってはいけないと調査や分析に時間を掛けたり(網羅志向)、正解を求め過ぎるあまり解決のヒントになりうるものを見逃してしまったり(検索志向)、次は頑張ろうと改善を怠り同じことを繰り返す(反復志向)といった思考の問題。

PDCAは一人の人や、一つのチームで回していくものですが、やる人が分断されていて、そもそもの目的や意図が上手く伝わらず、見当違いの方向に進んでしまうといった人の問題。

ビジネスモデルにもよりますが、仮説・検証のサイクルが長すぎて、その間に時代が変化してしまい役に立たなくなってしまうといったスピードの問題。

計画に計画を重ね、調整し、その上でまた計画してと、一向に実行に移れない状態、Plan – Plan – Adjust – Plan(PPAP笑)となることも大企業ではよく見受けられるそうです。

 

今求められるPDCAの回し方

本質を理解することで、PDCAが最強のフレームワークに昇華します。

PDCAはいきなりPlanから始めるのではなく、「WHY(なぜやるのか)」、「GOAL(どこを目指すのか)」を考え始めることが今の時代、非常に重要だと清水さんは言います。

 

WHY&GOAL:PDCAを回す原動力

PDCAサイクルはやり方の改善などの試行錯誤を繰り返していく作業になりますが、行き詰まった時に指針がないとぶれてしまう恐れがあります。

同じ作業であっても、やらされ仕事ではなく、何の為にやっているのか、どんな状態を望んでいるのか、その根底にあるもの理解することが大事であり、継続していく力となります。つまり、WHYはPDCAを回す原動力として、とても重要なのです。

WHYが決まったら、次に大事なのは、どこへ向かうのかというゴールになります。当たり前のように感じますが、お店にて売り上げアップを目標とするのか、来客数アップを目標とするのかでやるべきことが変わってきます。

 

Plan:タイムマシーン法でやるべきことを細分化

お店での売り上げアップが大きな目標だとすると、その為には集客数を増やすことが施策の一つとして挙げられます。集客数を増やすにはSNSを運用したり、HPを作成したり、チラシを配ったりとやるべきことがリストアップされていきます。更に細かく見ていくと、リサーチしたり、デザインをしたり、人を雇ったりと……。

ゴール時期を決めて、そこから半分の期間ではどのような状態になっていたいか、その半分、その半分では?と、目標を未来から掲げていくことで、現時点で何をすべきかが明確化され、ゴールに向かいやすくなり、この手法をタイムマシーン法と呼びます。

 

Do:スケジュールに落としていく

清水さんは独自のテンプレートを作成しiPadでスケジューリングされているそうです。

タイムマシーン法で分解したやるべきことを一週間単位でスケジュールに落とし込んでいきます。
この時大事なのが、できた、できなかったは勿論、なぜできなかったかをメモしていくことです。これにより、その日の気づきが視覚化され、検証・改善に繋がっていきます。
また、ギチギチに予定詰めしまうとイレギュラーが発生した際、当初の予定がどんどんズレ込んでしまうので、余裕を持ってスケジューリングしていくことも大事になってきます。

 

CHECK&ACITON:振り返ることの大切さ


「今月の営業成績が○○とはどういうことだー!!」ドラマなどでよく見かける上司のお怒りシーンですが、何か結果が出た際、責任追及の場や、次は頑張ろうといった気合い等で終わってしまうと、改善に繋がらず、PDCAサイクルがまわりません。

PDCAの提唱者であるデミング博士は、Checkという言葉だと良い悪いといった検証程度の意味合いに捉えられてしまうと、後に、CheckではなくStudyに変え、PDSAサイクルと称しました。つまり、PDCAは責任追及の場ではなく、学びの場なのです。

 

状況と行動、そして結果

責任追及、気合いで終わらせない為には、きちんと状況と行動を“振り返る”ことが大切になります。
振り返ることは学びそのものであり、PDCAの本質とります。

ここで、とても有用な振り返りの手法として「KPT」と呼ばれるものがあります。

Keep(継続すべきこと)、Problem(改善すること)、Try(次にやってみること)の頭文字を取ったもので、プロジェクトを改善するフレームワークとしてよく使われています。
KeepとProblemを、状況・行動・結果という3点セットで洗い出していくと、改善すべきことが明確化され、Tryに繋がると行った手法になります。

 

改善の精度を上げる4つのアクション

 

当日は、仕事に活かすべく、たくさんの質問がされていました!

KPTでのTryが、PDCAのActionに相当し、4つのアクションを考えることが、精度の高い改善に繋がっていくと清水さんは言います。

  • Adjust(調整)
  • Challange(ステージを上げる)
  • Pivot(ステージを変える)
  • My Theory(技化する)

微調整・改善(Adjust)を繰り返しながら、Do’s and Don’ts(すべきこと、すべきではないこと)を明文化(My Theory)し、PDCAサイクルに活かしながら、結果が良い時は思い切って目標を上げたり(Challange)、成功する見込みがない場合は方向転換する(Pivot)ことを決めていくことが、精度の高い改善へと繋がっていくわけです。

 

仕事タイプ別PDCAのポイント

最後に、仕事タイプ別PDCAのポイントとして、5つのパターンをご紹介いただいたので、簡単にまとめてみました。

  • 生産性向上
  • オペレーション品質向上
  • スキルアップ
  • キャリア開発
  • 新サービス開発

 

生産性向上

スピードを求めるあまり、いきなり効率化に走り、頭打ちになってしまい事業として成功しない事がよくあります。きちんと仮説を立て、検証し、その上で効率化していくという順番が大事になってきます。

 

オペレーション品質向上

組織やチームによって状況が異なることが多いので、マイセオリーをきちんと作っていくことが大事になります。組織としての、チームとしてのマイセオリーを作っていくと、組織力が高まっていき、全体としての品質が上がっていきます。(ActionでのDo’s and Don’tsが大事)

 

スキルアップ

スキルは色々なもので構成されているので、分解して何を強めるか考える事が重要になります。例えば、プレゼンテーション一つとっても、単に話すだけの能力だけでなく、身振り手振りや資料の作り方、深く見ていくと色々なスキルの掛け合わせということがわかります。
自分の中で何ができていないのか、足りないのかということを一つ一つ分解し、把握していく。これは仕事環境によっても変わってくるので、仮説をたて検証し、改善していくことが大事になります。

 

キャリア開発

キャリア(career)とは英語で経歴という意味ですが、今までは一つの場(会社等)で着実に上を目指していくキャリアデザインが一般的でした。
ですが、転職や副業が当たり前の時代では、上をというより、自身のフィールドを広げていくというキャリアデザインが必要となっています。

ここで重要なキーになってくるのが“偶然”です。
たまたま見た求人に応募した。たまたま会った人と仕事するようになった。
そういった偶然で物事が決まっていくこと、多くはないですか?

個人のキャリアの8割は計画的なものではなく、予想しない偶発的なことによって決定される
(スタンフォード大学教授の計画的偶発性理論)

偶然が、これからの時代のキャリアデザインに大きく影響してくるわけです。

偶然を前提とすると、プランの立てようが無いのでは?と思ってしまいますが、この偶然が起こる確率を上げていく、偶然を起こすためのプランを立てていくことが大切になっていくのです。

格好良くいうと偶然を必然に変えていく……その為には何をすべきかということを念頭に動いてくということになります。

 

新サービス開発

人気の商品が数ヶ月後には時代遅れと言われてしまう昨今、ヒット商品の製品寿命のサイクルがとても短くなってきていますよね。
今まで無いものをどれだけ早く立ち上げ、確実に成長させていけるかという方法論として、シリコンバレーで一大ブームを巻き起こした「Lean start up」というフレームワークはとても優れていると言われます。
その本質を見てみると、Lean start upも仮説を立てて、実験し、学んで、意思決定していくという流れになるので、PDCAと似ており、確実にPDCAを回してくことは、どの領域でも有効ということがいえます。

 

これからの時代は「ワーク&ライフ・インテグレーション」

PDCAというとビジネス色が強く感じられますが、その本質を深く知ると、どんな領域でも活用できるということを、今回のエンラーニングを通して学びました。

これからの時代は「ワーク&ライフ・バランス」ではなく、「ワーク&ライフ・インテグレーション」

清水さんが仰られていた言葉ですが、仕事、生活を分け隔てるのではなく、自分のライフステージの中でPDCAサイクルを回しながら、アップデートをしていく。
これからの時代を生き抜いていく為に、そして、自分自身の幸せの為にも、大事な考え方です。

まさに、人生100年時代のPDCA!

とはいえ、堅苦しく考えず、楽しみながら生活にも取り入れていきたいと思いました。
イヤイヤ期の娘の攻略方など。(皆様のDo’s and Don’ts絶賛募集中!笑)

 

清水さん、今回は生涯を通して為になるお話、ありがとうございました!

「一生食えるプロのPDCA」ではさらに詳しい内容が書かれているので、気になった方は是非手にとってみて下さい!

→ 本のご購入はこちらから!

 

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