こんにちは、エンファクトリーブログ初投稿のWEBエンジニア 矢上です。
エンファクトリーでは主にスタイルストアの開発・メンテナンスを担当するエンジニアとして約4年間在籍しておりましたが、2015年3月に独立し、現在はフェローとして週2日ほどの頻度で引き続き開発のお仕事をさせていただいております。エンファクトリーには「専業禁止」というユニークな人材理念があり、パラレルワーク(複業)推奨、フェロー制度などメンバーそれぞれがプロフェッショナルに振る舞いながら、フレキシブルに関わり合う仕組みがあります。私もまさにこの仕組にうまく乗っかりながら新しい道を進んでいるわけですが、現在に至る経緯などを書いてみようと思います。
複業のススメ。個人が力をつけるためにアウトプットすること
2006年からエンジニアとして個人のスキルを高めなければとブログ「Creazy! (クリエイジー)」を開始したり、会社とは関係なく個人でWEBサービスやツールの開発・公開する活動を始めました。これは新卒で入社したSIerでは比較的閉じた世界で仕事をしている感覚があり、技術者としてはもっと広く知見を集めるべきだし自分自身の考えていることを形にしたいという思いからでした。
ブログにしてもサービスにしても、自分が知りたいとか自分が使いたいというかなり個人的な動機から作るものがほとんどでしたがユーザーが増え感想や不満などのフィードバックが返ってくるようになると、直接自分がサービス運営する楽しさや難しさを経験することができました。また、本職ではなかなか試すことのできない実験的な手法も遠慮無く実施できるのでエンジニアとしては非常によいサンドボックスであったともいえます。
私が開発職だったからかもしれませんが、複業といっても自ら考え・自ら動く活動だったことで本職だけでは経験できないスキルが身についた実感があります。
それでも独立を選択した理由。地方で働くという選択
複業を推奨するエンファクトリーであれば、このまま本職を続けながら複業として個人事業を続けていけば良いのでは?という選択肢もありました。ただ、もう一つのチャレンジとして地方で働くというテーマがあったのです。私は現在千葉県は木更津市に在住しており、エンファクトリー社のある代官山(恵比寿・渋谷がオフィスの時期もありました)まではアクアラインを高速バスで渡り、山手線に乗り換えて長距離通勤していました。渋滞なども加味すると片道約2時間ほどかかってしまい、なかなかのタイムロスが気にはなっていました。
加えて、せっかく地元に戻ったのだから地域に貢献できる活動がしたいと、田舎ではなかなかWEBを使った情報発信が進んでいなかったのでブログやソーシャルメディアを使った地域メディアを立ちあげたり、情報発信にかかわる勉強会を主催するなどプロボノ的な活動を始めました。また、ネットを利用していない層へのアプローチとしてスタンプラリーやお祭りイベントなどを開催するなどWEB以外の活動にも積極的にチャレンジしています。スタンプラリーを主催した際は地元ラジオ番組に生出演させていただいたり、地元新聞が取り上げてくれたりもしました。
また、取材先で良く一緒になる市役所の職員さんたちとも顔なじみになり、3年以上運営を続けている千葉県富津市の地域情報サイト富津っ子などは、富津市観光協会のサイト「たび旅富津」にリンクを貼っていただくなど行政とも少しずつ連携をとれるまでに至りました。
こういった活動はそもそも地域貢献が目的のためボランティアで動いていたのですが、やがてWEB制作やコンサルなどの相談を頻繁に受けるようになりました。地元で困っている人のためになるのであればと、より地域での活動に力を入れられるよう独立を決意し、現在は個人事業主として仕事の割合を増やしています。
地方で働くといっても様々
そもそも「地方」と一口に言っても人によって想像しているレベルが違うと思いますが、関東に住んでいる自分としては東京圏かそれ以外かというイメージです。千葉県は東京圏と言われるかもしれません、私が住んでいる木更津など房総地方は千葉の中でも端っこというか、まあ田舎というイメージだろうなと思います(実際そうです 笑)
田舎だと、自然に囲まれながら清々しく仕事!というイメージかもしれません。実際写真のような開放的な環境で仕事をしていることもあるのですが、WEBの仕事でネットと電源が必須の自分としては結局自宅で作業をしている時間が一番長いです。東京であればここにコワーキングスペースなどが活躍するのですが、田舎にはそういった洒落たスペースはありません。今のところ数少ない電源が使えるカフェを転々とする感じですが、これから自分のような働き方をする人が増えることも想定し、こういったシェアスペースの設立にもチャレンジしたいと思っています。
田舎の人は田舎だけで生活しているわけではない。仕事だって同じです
田舎では東京のようなWEBで完結したり、WEBを全面に押して事業を考えるようなケースが圧倒的に少ないです。WEBの制作会社も多くないですから地域情報サイトのつながりから相談を受け仕事につながることが多いですが、それほど大規模な開発案件はありません。そういう意味ではエンジニアとしては働きにくいとも言えるのかもしれませんが、そんな中でも、自社の事業を広げる突破口としてWEBの重要性に気付いていながらどうしたらいいか分からないという経営者の方に出会うこともあり、今後は面白い試みもできそうな予感がしています。
また、地方にいるからといって地方の仕事だけをしなきゃいけないわけではありません。特にWEBはどこにいても仕事ができるので案件豊富な東京の仕事を地方にいながら対応することも可能です。WEBでなんでも情報が手に入る時代といってもどうしても最新の情報は東京に集まる傾向があるため、積極的に最新の情報に触れるように意識をしています。
実はこれってWEBに限らず他の業種で成功している人を見ても、展示会などで東京にいったり、商品の販売先として都内におろしていたり非常に広範囲に考えているんですね。田舎と都会は役割さえ違えど、断絶して否定しあう必要はないんです。
新しい働き方は良いことばかりじゃないけれど
独立してから約半年、徐々に収入源となる開発・制作の仕事も増えてきましたが、田舎ならではかもしれませんが地元のパソコン・ネットに詳しいおにいさん的な役割もあり、あまりお金にならないことも色々あります。ただ、いわゆる営業活動をあまりすることなく紹介で仕事がもらえるのは、やはりこうした人との繋がりがあってこそなので地道に力を尽くしていきたいと思っています。
また、WEBはまだまだ地方でも伸びしろのある分野です。WEBを使って地方を元気にするサービスをどんどん開発・リリースしていきたいですし、同じようにIT・WEBにかかわる人材を増やしたいと考えています。できることから少しずつでも興味のある人には関わってもらい、一緒に仕事ができるチームを作っていきたいと考えています。
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私は、フリーランスが良いともサラリーマンが良いとも言いません。どちらもメリット・デメリットがありますし個々人で向き不向きもあるでしょう。田舎と都会の対比も一緒で、どちらが良いとか優れているとかいう話ではありません。エンファクトリーのように既成概念にとらわれない会社が増えることで、働く場所、住む場所をもっと自由に・自分のスタイルに合った形で実現できる環境がどんどん整っていると思います。私は田舎に住む方が絶対に合っていると思いますが、都会の新しい情報やテクノロジーにも興味があります。どちらも否定しないで共存する生き方を楽しみながら試行錯誤していきたいと思います。
また、発表できる面白い展開があればこちらのブログでも紹介させていただこうと思いますのでぜひお楽しみに!