エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた大日本印刷株式会社高橋 様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
私は現在、社会課題や地域課題解決に向けた事業開発を行っており、主に西日本エリアの自治体に対して、課題探索や事業仮説の実証パートナー探し等の渉外活動を通じ、新たな事業創造に貢献する活動を行っています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
顧客の事業開発に関わっているものの、私自身、実務として本格的に事業開発を行った経験がなかったため、実践的なフローを学びたいと考えました。スピード感に欠けることも多く、実践的な対応ができていないのではないかと感じていたため、その改善を図りたく複業留学に手を挙げました。事業開発に関するスキルやリアルな感覚を身につけたいという想いが強かったですし、自分のキャリアについても模索しており、自社以外の環境で自分がどのように通用するのかを知りたかったというのも大きな理由です。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
スタートアップ企業の新規事業における、マーケティング支援を中心に活動していました。具体的には、私が参加した8月より製品販売を開始するタイミングだったので、販売戦略の策定支援を行いました。留学先が取り組んでいるケミカルリサイクルについて、日本国内ではまだ浸透していないため、その社会システムの構築に向けた調査や、国内外の動向を調査する業務も担当しました。所属部門がマーケティング本部であるため、基本的なマーケティングのフレームワークを活用して情報を整理することができました。また、留学先と自社とのシナジーを生み出すための取り組みも行いました。
自分自身に営業や企画、事業開発の経験があるため、異なる部門の人々の視点を理解しやすく、相手の立場に立ったコミュニケーションができたと感じています。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
常に自分自身との葛藤を感じていました。理想像と実際の自分とのギャップに悩む場面が多くありました。ミッションに着手するまでに現況の動向や背景知識のキャッチアップに時間がかかってしまい、どのタイミングでどう入ればいいのかをつかむまでに時間がかかってしまったこと、本業のスケジュールによりどうしても留学先の会議に参加できないことが続き、一時情報のキャッチアップが難しくなりました。議事録で結論を知ることはできても、そのプロセスを理解できないため、次のアクションが見えずに困惑することがありました。ミッションに対する貢献度に対するジレンマもありました。
これらに対し、まずは留学先のメンバーと週次のミッション面談を設けてもらいました。皆さんが忙しい中でも、できるだけ早く関わりを持ちたかったので、積極的にアプローチしました。また、社内SNSでのやり取りを通じて、課題がありそうな時は自分から提案をするように心がけました。頼まれていないことでも、少しでも糸口をつかむために行動しました。
月に一度はオフラインでのミーティングに参加し、気になる点については対面で、短時間でも意思決定者の意向を確認するようにしました。周囲の考えや判断のプロセスを感じ取ることで、足並みを揃える努力をしました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
全員が「やらされ仕事」ではなく、自分のやりたいことに取り組んでいるというポジティブな雰囲気に刺激を受けました。スタートアップという環境なので、難しい課題に直面することも多く、アクシデントも頻繁に起こります。そのため、実際にはしんどい部分も多いはずですが、周囲の人たちは 「これは乗り越えられるはずだ」という前提のもとで行動しており、ポジティブに変換して取り組んでいる姿勢が印象的でした。スタートアップの組織は比較的若いメンバーが多いため、 ポジティブなエネルギーが強いのかもしれません。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
一番大きな変化は、心持ちが変わったことです。今までは「できること」と「できないこと」を経験から判断して、新しい取り組みに対してネガティブな見方をしてしまうこともありました。しかし、複業留学を通じてフラットに物事を見ようとする姿勢が身につきました。 自社の考え方を理解しつつ、自分がその中に収まらないように心がけるようになりました。
もちろん楽しいことばかりではありませんでしたが、仕事に向けるエネルギーが伝わって、周囲からは「とても充実しているようだった」と言われました。これからもその部分を伝え続けていければと思っています。また、留学先が取り組んでいる資源循環のテーマについて、今期から自身のテーマの一つとして活動しようと考えています。スタートアップで学んだことを生かせる場を作りたいと思い、部門内で意見交換や情報提供を行っています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
非常に多くの学びがありました。皆さんのレポートを通じて、何人かの留学生とはチャットでもやり取りをし、「このことについてどう考えますか?」といったコミュニケーションを取りました。レポートを読む中で、抱える思いは共通していることに気づきました。例えば、「入り込めなくてどうしよう」とか「ミッションが達成できるかな」という不安を抱えていることなど、共通の悩みを知ることで安心感を得ることができました。また、抱えている課題に対してどう対応するかという点でも、多くのことを学ばせていただきました。レポートを書くのは大変でしたが、皆さんのレポートを読むことが励みになりました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
過分な評価をいただいたことに感謝しています。その中で、自分の良さを再認識できた一方で、まだ一歩足りない部分も見えてきました。自分が認識している弱みと重複しているところもあったので、今後はその点を補えるように努力していきたいと思います。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
まずは、業務において一つのテーマとして取り組むことを考えています。また、 スピード感を持ち続け、困難な状況でも歩みを止めないこと、正解がなくても前に進む姿勢を大切にしたいと思います。これらの学びを自分のマインドとして持ち続けていきたいです。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
自分自身を客観視することができ、普段出会わない方々との交流があるため、大変なこともあるかもしれませんが、後悔することはないと思います。仕事だけでなく、 自分の生き方や優先順位の付け方にも影響を与える経験になると思います。普段の仕事とは異なる価値観に触れることで、「こうでなければならない」という思い込みを疑うきっかけを得られるのではないかと思います。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。
越境型研修サービス一覧:https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu
複業留学:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
複業留学 留学生インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%e8%a4%87%e6%a5%ad%e7%95%99%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%ae%e5%a3%b0