エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション 小野寺様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
ショッピングクレジットを取扱う事務センターに所属し、業務用クレジットやリフォームローンの審査業務を行っております。また、従業員満足度を向上させるための取り組みも行っており、若手社員を中心としたプロジェクトチームの活動を通じて、従業員のエンゲージメント向上に努めています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
以前、会社の同期のピアサポーターをしていた際に、同期の複業留学での様子や自己成長の過程をみて興味を持ったのがきっかけです。複業留学を経験された先輩や上司からも話を聞くたびに自分も挑戦してみたい気持ちが強くなりました。また、入社してから五年間、同じ環境下で働いているので価値観や思考にとらわれているのではないか、中堅社員となったこのタイミングで何か変化が欲しいと感じていました。金融業界とは全く異なる分野に複業を通じて飛び込むことで視野を広げ、自分のスキルアップに繋げたく、応募を決めました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先での活動は、ベンチャーキャピタル等から資金調達を受ける為の事業資料作成のサポートと消費者向けWebサイトの運営でした。
資料作成では、元々ある資料から第三者の目線で不足点や改善点を見つけ、補足資料を作成することで留学先のサポートを行いました。また、消費者向けWebサイト「Yui shizuoka」の運営では自分の興味の持った内容や農業イベントの宣伝に関する記事を作成し、読者に発信する作業を行いました。
活動では日頃から大切にしている積極的にコミュニケーションを取る姿勢が特に活かされたと感じています。全てリモートのみで複業を行う企業が多い中で、私は対面でのコミュニケーションも重要だと感じておりました。私の留学先は静岡の浜松にある企業でしたが、思い切って自ら現地訪問を提案したことで希望が実現し、実際に代表者の方と直接会って話すことができました。その結果、距離が縮まり、より多くの情報を得ることができたので自分から積極的に関わりたいという気持ちが、良い結果に繋がったと思います。
浜松に訪問した際は丸一日活動させていただき、結苺というブランド苺の商品のラベル貼りや実売所、留学先の携わっている農家さんの訪問をさせていただきながら事業内容を詳しく教えていただくなど、留学先の事業への理解も深まり、充実した一日でした。訪問後には留学先の方ともよりフランクにお話できるようになり、資料のことなどについても踏み込んで質問できるようになりました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
特に困ったのは、パワーポイントでの事業資料の作成です。本業ではパソコンソフトを使用する機会が少ない為、スライドに載せる情報やデザインを決めるのに苦戦し、留学先が求める内容やクオリティになるのかとても不安でした。また、農業界は全くの未経験だったので、業界知識を得ることから始める必要があり、時間もかかりました。
毎回行われるミーティングを通じて代表との会話を大切にし、代表と自分の方向性が相違しないように心掛けました。求められるクオリティについても聞いたところ、完成度を気にせず自由に作成していいと仰っていただけたので、安心感を得ましたし、自信になりました。また、周りの方の意見を聞き他社の事業資料を参考にしながら、自分の資料を作成する際のヒントを得るようにしました。時間がかかることについては、タイムスケジュールを組み、目標時間を定めることで、効率的に作業を進めることができました
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたのは、留学先の従業員数です。パート社員を含めてわずか5名で運営されていると聞き、非常に驚きました。メディア発信や地域活性化に関わる様々な業務を行っている中で、この人数で成り立っているというのは本当に凄いことだと思いましたし、全員が子育て中のママさんであることも、現地に行って初めて知り、驚かされました。働きながら子育てをすることがどれほど大変か、身近に働いている方々を見て実感していたので、少数精鋭での働き方には感銘を受けました。もちろん他にも委託先の方々がいらっしゃいますが、メインは5名で運営されているという点で、彼らの力強さを感じました。
また、意思決定の早さにも驚きました。記事にする内容について提案し相談したところ、すぐに「お願いします」と快く承諾していただきました。今の部署では、1つのプロジェクトを進めるのに数十名が関わり、長いと何ヶ月もかかることがあるので、アイディアの創出から実行されるまでのスピード感は全く異なりました。少数精鋭のベンチャー企業だからこそ、情報交換がスムーズに行え、実行に移すことができるのだと実感しました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
好きなことが増えたというのが大きな変化でした。お店の訪問や卸先の方へインタビューをし、相手の意見や自分が感じたことを文字に起こしSNSに投稿する作業を今回初めて経験しました。これがとても楽しく、 自分の文章で人に発信する作業が好きだと気づきました。今まではそのことに気づいていなかったので、嬉しい発見でした。記事を読んでくださった方からフィードバックをいただけたことも、達成感を感じる要因となりました。本業では得られなかった経験であり、それが自信にもつながったと思います。
せっかく好きなことに出会えたので、今後他に機会があれば、このスキルを活かしていきたいです。最終報告会で、皆さんから「資料が読みやすかった」とのコメントをいただけたこともあり、 後輩への指導等でより良い伝え方を工夫していきたいと思います。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
レポートを通じてお互いの学びや経験を共有し、刺激を沢山受けていたので、同期の存在は心強かったです。特に、資料作成アプリ「Canva」を同期から教えてもらい、複業での資料作成や最終報告会の資料もこのツールを使いました。その結果、資料を褒めて頂き、自分にとって大きなプラスになりました。
毎週のレポートで励ましの言葉をもらったことも印象に残っています。気分が沈んでいたときもありましたが、皆さんからの「こういうときもあるよね、大丈夫」といった声やアドバイス、また同じく悩み・葛藤されている様子をみて「自分だけではないんだ、頑張ろう」という気持ちになり勇気をもらいました。そうした励まし合いが、良い循環を生んでいたと感じています。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
特に、積極性について高い評価をいただけたことが嬉しかったです。複業留学前に自分が目指していた「思ったことを溜め込まずにどんどん発言する」という目標を達成できたと感じました。代表者の方にもその部分を評価してもらえたことは、自信に繋がりました。
自社以外の方から評価を受けることはなかなかない経験で、自分の知らなかった一面や、伸びしろポイントを五年目という年次で教えてもらえたことは、今後の成長に繋がる貴重な体験となりました。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
自分の経験を周りの人に知ってもらい、同じような体験をしてほしいと思っています。 今回学んだ挑戦する気持ちや、壁にぶつかっても乗り越える力を大切にしていきたいです。もし異動などで新しい環境に移ることがあれば、今回の経験を思い出し、その喜びや達成感を胸に業務に取り組んでいきたいと思います。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
自社で悩んでいる方や挑戦したいけれど不安がある方には、ぜひその不安を乗り越えて手を挙げてほしいと伝えたいです。自身のスキルアップに繋がるだけでなく、コミュニティを広げられる素晴らしい経験になると思います。また、遠方の企業との関わりでは、リモートだけでは得られない経験も沢山あるので、現地に行ってみることもお勧めします。直接対面することで、代表者の方とも深い話ができ、業務以外のことも共有できる良い機会になります。
今回の複業留学の制度について学生時代の友人にも話したところ、私の会社にはそういった制度がないので羨ましいという声もありました。社外での複業の制度は非常に価値があると感じているので、ぜひ多くの方に活用して欲しいと思います。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。
越境型研修サービス一覧:https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu
複業留学:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
複業留学 留学生インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%e8%a4%87%e6%a5%ad%e7%95%99%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%ae%e5%a3%b0