エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた大日本印刷株式会社 秦様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
私は新規事業開発のプロジェクトチームでリーダーを務めています。自社は多様な事業を展開していますが、特に教育という新しい領域において、あまり知見や強みがない分野での事業開発に取り組んでいます。メンバーは他の部門からも手伝ってくれており、現在は約10人で楽しく活動しています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
新規事業開発において、ゼロから一を生み出すベンチャー企業の活動に非常に興味がありました。大企業にいるとスピード感が不足していると感じることが多く、そのスピード感を体感したいという想いがありました。また、自分のキャリアを複線的に考える必要性は理解していますが、自分がどの程度通用するのかを試したいという気持ちもありました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
「みんなのまちづくり」では、地域への移住者を増やし、定着させることで地域の活性化を図る活動に取り組んでいます。特に、高齢化問題などの社会課題の解決に貢献することを目指しています。初期段階では短期滞在施設の宿泊者や体験者の受け入れに関わり、その後は市の指定管理の仕事に応募する挑戦も行いました。具体的なスキルを言語化するのは難しいですが、実際に手を動かしながら学ぶことができたと思います。計画を立てて実行し、チェックするという管理職的な役割を果たしていましたが、実際に自分で手を動かすことにも挑戦しました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
本業との兼ね合いで、十分な時間を確保できなかったことが一番の課題でした。与えられたミッションに対して、本当は5時間かけたいと思っても、実際には2時間半しか使えないというようなことが多く、特に最初の2ヶ月間はそのような状況が続きました。スピード感は落とさないよう、できる時間の中でまずできることをやろうと割り切って進めました。限られた時間の中で、50点、60点だとしてもしっかりアウトプットを出すということは意識しました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
驚いた点としては、予算を使わない前提であったことです。リサーチを行う際に、数万円の予算があればもっと効率的に進められたのにと思いましたが、デスクトップリサーチでなんとかするしかありませんでした。また、代表が即断即決で物事を進める姿勢にも驚きました。留学先ではアイデアをすぐに形にするスピード感があり、自社ではアイデアの決定以前のミッションについての議論や、上層部への報告等で、あっという間に時間が経つところですが、留学先ではすぐに決まるということに驚きましたし、私にとって大きな学びとなりました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
複業留学を経て、特にチームのメンバーや部下に対して、自分の想いや考えをはっきりと伝えるようになったと感じています。以前は新規事業のチームにおいて調整型のリーダーシップを優先し、部下がやりたいことやモチベーションを重視していました。しかし、今は自分の中にミッションやビジョンをしっかりと持ち、それを堂々と表現することができるようになったと思います。唐突にアイデアを出すことも増え、そうしたアプローチが許されることに気づきました。
周りの人への影響については、まだ少し先の話かもしれません。ただ、最終報告会の際には、周囲から「なんか時間を有効に使っているように見える」と言われ、仕事を依頼されることが増えたように感じます。自分が成長していると見られているのかもしれませんが、実際にはまだ変化の実感が薄い部分もあります。今後、もっと明確な変化が見えるようになると思いますので、そのときにまた報告できればと思います。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
ミートアップの際、皆が思うように進められないことで壁にぶつかっていると感じているのは、真剣に取り組んでいる姿の裏返しだと感じられ、自分ももっと頑張らなければならないと感じました。また特に、ベンチャーの環境では裁量が思ったより広く与えられるため、環境の違いに悩んだり戸惑いを感じたりしましたが、皆が同じような経験をしていることを知り、少し気が楽になりました。同期と実際に会って他の同期の留学先の展示会に足を運ぶ機会もあり、同期の複業留学の活動の実情を知ることができたことや、自社の中にいろいろな方がいることを知ることができたことも大きな収穫でした。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
自分が思っていた自分と他者から見た自分とのギャップに気づくことができました。自分では感情や想いを乗せて話していたときでも、他者からは意外と冷静に見られていることがあると知り、そのギャップを理解することができました。いただいたフィードバックは非常に価値があり、自分の成長に役立てられると感じています。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
今までキャリアを積んできていますが、事前のワークショップから複業留学を通じて、これからもより広く、複線的にキャリアを築いていく必要性を感じました。今回の経験を踏まえ、留学先のように自分が力を発揮できる、成長できる場があると感じたので、今後も似たような取り組みにチャレンジしていきたいと思っています。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
普段とは異なる環境に身を置くことは、人の成長にとって非常に重要だと思います。異質なものと触れ合うことで、自分自身の成長を強く意識できるはずです。複業留学は会社の制度としても非常に整っており、安心してチャレンジできます。リスクはゼロではありませんが、少ないリスクで成長を目指せる機会ですので、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。
越境型研修サービス一覧:https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu
複業留学:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
複業留学 留学生インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%e8%a4%87%e6%a5%ad%e7%95%99%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%ae%e5%a3%b0