今回で5回目を迎えたen learningは、今年、2017年3月よりスタートした勉強会です。
会社や自分のステージに合わせて、社員それぞれが学びたいこと・必要なことを、
外部からその道のプロをお招きして、開催しています。
この勉強会には、エンファクトリーに在籍したことのある人、これから入社予定の人、パートナー企業の方々、社員の友人、知人などをお招きしています。
メインとなる勉強会以外にも「ゆるく」いろいろな方とつかず離れずで繋がりを保っておく、という目的もあります。
さて、今回の様子も、エンファクトリーのエディター 志賀がレポートします。
過去のレポート
- enでつながる勉強会「en learning」第1回レポート
- en learning vol.2「オウンドメディア運営の極意」
- en learning vol.3 「ユーザーを掴むサービスの作り方」ビジネス構築請負人セッション
- en learning.vol.4「マネーリテラシーを高めよ」
- en learning 外伝 「AIの実際」
メディアの運営に欠かせない、法律・法令の知識をつけよう!
第5回となる今回は「メディア編集がかかわる法律超入門 ~著作と薬事と景表法〜」というテーマで、菅原 太さん(メディア法令ドットコム)にご登壇いただきました。
All About時代から審査の仕事をされていたという菅原さん渾身のパワーポイントで、楽しくメディア運営に関わる法律について学ばせていただきました!
現在、エンファクトリーでは、社内・社外ともに多くのオウンドメディアを運営に携わっており、まさに何度聞いておいても損のない内容。耳を傾ける社員にも熱が入ります。
また、今回はライターさんなど、メディアに関わっているパートナーさんに多くお越しいただきました。
さて、今回のポイントはずばり
- この行為、法律に触れそう! の感度を高めよう
- 一度説明を受けたからといって安心せず、業務に関連すること、気になることはどんどん掘り下げて調べよう、知識を蓄えよう!
- メディアとしての3色の基準を決めよう!
この3点です。
以下より、私がポイントと感じた箇所を抜粋してレポートします。
この行為、法律に触れそう! の感度を高めよう
著作権で守られている範囲はどこまでなのかについては、創作する側も運営する側もとても気になるところ。
著作物の例としては、著作権法第10条で定められた以下のようなものがあります。
そもそも著作権とは、パクリ・模倣(コピー)・無断での使用を禁じるもの。その禁を侵すと、想像以上の罰則が与えられます。
ただし、お話を聞いていて感じたのは、場合によって判定が変わる可能性があること。
過去の裁判の判例を参考にしつつも、それで解決しない場合には然るべき機関に判断をお願いするのが必要となってしまいます。
(そこで費用の問題もあり泣き寝入りなども生まれてしまうわけですが……)
メディアの運営者としては、もちろん基本的なケースを把握しつつも、その時の状況に左右される部分もある、ということを心して、コンテンツを取り扱っていくことが求められます。ですから、まずは著作権法に抵触する行為に対しての認識であったり感度であったりといったものを高めて、抵触しないようなコンテンツ作りをする必要があります。
もし、著作権上危ない行為かもしれない、と思った際には、掘り下げて調べ、問題のない方法を取る必要があります。
こんなものにも著作権!?
ここで、しらなかった、びっくりした、あらためて納得した!
こんなものにも著作権!? のコーナーです。
▼著作権の対象となるもの
・振り付け
⇒曲や歌詞などに目が行きがちですが、振り付けもしっかりと著作権で守られています。
・インタビュー記事はインタビューされた人が著作者
通常は
①創作した人=著作者
②著作者から権利を譲り受けた人=著作権者となります。
インタビュー記事に関しては、基本的にはライターやメディアではなくインタビューされた人に著作権が帰属しますが、別途契約を結べばその限りではないとのこと。
▼著作権の対象とならないもの
・アイディア、着想
⇒あくまでもアウトプット(表現)にかかるものなので、その前段にあるアイディアやコンセプトには著作権は発生しません。
・タイトルや名称
⇒よく小説や漫画の章のタイトルに曲のタイトルが使われたりしていて、見るたびに許諾取るのが大変そうだなと思っていたのですが、著作権保護の対象ではなかったようです。
・実用品のデザイン
⇒セロハンテープやハサミのデザインに著作権がかかったら……とてもユーザビリティーの悪い文房具が生まれそうですよね。
・法律の条文など
⇒この記事も安心して公開できますね。
ただし、著作権に守られていないからといってなんでも自由に利用していいというわけでもなさそうです。そのあたりのバランス感覚を養うことも重要ですね。
著作者、著作権者に無断で利用できるものとしては、下記のようなものがあります。
▼無断で使用できるものの例
①個人利用
②非営利・無料
③引用
④写り込み
⇒写真や映像に超有名キャラクターが小さく写り込んでしまっていたとしても、それは著作権の対象にはならないそうです。
③の引用に関しては、下記のようなルールがあります。
ただし、Webメディアでは地の文に入れてしまうと重複コンテンツとGoogleにみなされてしまう場合があるため、「ブロッククオート」の機能を使うことが主流にあるとのこと。
文脈を鑑みずに低評価にされてしまうことは避けられそうですね。
著作権と同じく気をつけたい! 薬機法と景表法
メディアに関わる以上、薬機法や景表法にも気をつけましょう。
▼薬機法
特に、健康食品を例に挙げると、
健康食品はあくまでも食品のため(特定保健用食品を除く)、
食品の範疇を超える記載をしてはいけない、というのがわかりやすいかと思います。
たとえ本当に効果があっても「食品」なので謳うことができないのです。
トクホ(特定保健用食品)は効能効果を謳うことができますが、
厚生省に申請して許可を得た表現しか使えないそうですので、その厳しさがうかがえますね。
▼景表法
景表法のダメな例としてよく目にするのが上記のような表現ですね。
最高級や最高水準などを記載し逃げる方法なども併せて多く目にされているのではないでしょうか。
客観的証拠がないのに、あたかもそれが最高である、と謳うのはNGですので注意が必要ですね。でも気持ちは痛いほどわかります。このあたりは表現者としての腕の見せ所なのかもしれません。
また、景表法においてポイントは景品類とみなされないというもの面白い発見でした。
まとめ メディアとしての3色の基準を決めよう!
全て真っ白な表現をすることが理想ではありますが、とかくこれが白でこれは黒とはっきり決まっておらず、グレーなことも多いのがこの世の中。それは、某有名番組で弁護士の見解がいつも二手に分かれることからもうかがい知れます、と菅原さんは話します。
問題があって解決しない場合には裁判所の判決を待つしかないのもまた現状です。
- 白い表現にこだわるのか
- 黒スレスレを進むのか
どこまでをグレーゾーンとするかはメディアの判断によるところが大きいので、
著作権・薬機法・景表法に十分に留意、理解をした上で、
コンテンツの作成をしていくこと、
炎上しないようなリスクを確実に減らしていくことが
これまで以上にメディアに関わる人間に求められていることなのです!!
さて、今回も終了後には併設されているカフェ「bondolfi」にて懇親会が行われました!
初めてお越しいただいたライターさんや企業様も多く、
お仕事のお話もたくさんさせていただきました!
en learningをきっかけとして、よいお取組みができればとても嬉しいです。
いらっしゃった社外の方同士でも多くの交流が生まれていました。
今回の講師、菅原 太さんは、勉強会などの講師を随時引き受けられているとのこと。
メディア運営に関わる法律・法令にご興味がある方、ぜひお問い合わせください!!
また、エンファクトリーでは、オウンドメディアの業務を数多く請け負っております。
- 掲載するコンテンツ作成
- 日々の運用
- システム開発やデザインから
ひとつだけでも、すべてでもお受けすることが可能ですので、
オウンドメディアを作成したいというご要望がございましたら、ぜひご相談くださいませ。
掲載するコンテンツは、「プロクル for メディア」というサービスで、
130職種20,000名以上の専門家に記事の執筆・監修を依頼することができます。
コンテンツ自体の質、エビデンスを担保したいというメディア様に数多くご好評をいただいております。
少しでもご興味ご関心がございましたら、お問合せください。
もちろん、著作権などの各種法律、法令を遵守いたします!