こんにちは、ライフスタイル事業部の辻です。
エンファクトリーでは、半年に一度の「en Terminal(エン ターミナル)」を開催しました!
社内スタッフはもちろん、社外からも多数の参加者が集ったイベントの様子をお届けします。
今回のテーマは「エフェクチュエーション」
エンターミナルは、社員やフェロー(元社員)、ゲストによる社外活動の共有をすることで、刺激を与えあい共に成長していくための機会を提供するイベントです。
今回のテーマは「エフェクチェーション」!
目的・目標達成のために最適な手段を検討する逆算的なアプローチを指す「コーゼーション(Causation)」という言葉があります。これに対して「エフェクチェーション(Effectuation)」とは、手持ちの手段や資源から何ができるか?を考えるアプローチです。簡単に言うと、自分の身の回りから小さなアクション・変化を起こしていこう!目標や目的よりも、何ができるか・何がしたいかを出発点としよう!という考え方ですね。
普段のエンターミナルは、社員の場合は社外活動にあたる複業(副業)の報告をする人が多いです。しかし今回エフェクチェーションというテーマで登壇した6名の発表は、社外活動だけではなく、社内での活動や普段の業務の中、はたまた人生の中で起こした小さなアクションについての報告が多くを占めました。
日本最大級のサービスから、領域を拡大
一人目の登壇者は、エキサイト株式会社の野村勝永さん。
野村さんが関わる「エキサイトお悩み相談室」は、2006年にスタートした日本最大級のオンラインカウンセリングサービス。リピート率が高いことが特徴です。
そんな業界の大御所とも言えるサービスを運営する一方で、野村さんが率いるLife&Wellness事業部は「ウェルビーイング」を中長期方針として掲げているのだとか。
具体的には、eラーニング型職業訓練事業の領域に足を踏み入れ出しているようです。個人のメンタル面に加えスキル面も支援するようなサービスですが、「人を支えたい・サポートしたい」という思いは同じですね。これまで運営してきたお悩み相談事業のノウハウを元に支援の幅を拡大していく動きは、まさにエフェクチェーション!
きっかけは、自身が持っていたハンデ
二人目の登壇者は、株式会社ARARAT CREWS代表の上野真路さん。
ARARAT CREWSは上野さんが大学2年生のときにスタートした会社。「食で光を与える」をミッションに、食領域での事業を中心に運営しています。コーヒーに入れて健康習慣をサポートするオイル「N save」が代表製品です。
そんな上野さんの起業のルーツは、自身の幼少期の経験。体が弱く、食に対してハンデを負っていたのだそうです。そこから「食の領域で自分に何かできることがないか」と考えるようになったのが起業のきっかけだと語ってくれました。
学生起業って大変そう…というイメージが思い浮かびますが、上野さんの原動力になったのは「自分と同じように苦しむ人をサポートしたい」という身近で純粋な思い。だからこそたくさんの人の共感を呼び、活動への協力も得られているのでしょうね。
「もう一度やりたくはない」!?曖昧なスタートだった起業
三人目の登壇者は、フェローの大谷啓介さんです。
エンファクトリー在籍時代は、ライフスタイルショップ「スタイルストア」のMDを担当。その後独立され、KCmitF、lo-op LLP、株式会社とぶひを創業してきました。「ものづくりを通じて、日本らしい幸せのあり方を追求する」というテーマの通り、どれも日本各地の伝統的工芸品事業者の商品開発・マーケティング支援を目的とする取り組みです。
そんな大谷さんは、「とても曖昧に起業した」とかつてを振り返りました。公私共にとても苦労されたそうで、「もう一度同じように起業するかと言われると…」と言葉を濁したほど。それでも、起業というアクションを起こしたのがエフェクチェーションだったと語っていました。
起業以来の12年を省みると、時代や業界の状態、そして大谷さん自身のスキルや繋がりも変化してきました。その中で改めて「これから自分には何ができるのか?何をすべきか?」を考えているのだそうです。自分がこれまで培ってきたものを踏まえてさらに何ができるのかを考える、エフェクチェーション的な営みはまだまだ止まりませんね!
「収納オタク」ご用命!好き・得意なことから出発
四人目の登壇者は、エンファクトリー社員の畠田有香さん(※北海道よりオンライン参加)。スタイルストアの現役MDです。
畠田さんは、「収納オタク」を自称するほど家の整理整頓が得意なのだとか。そんな得意・好きを生かして、友人宅の収納を考えるお手伝いをしたことがあったそうです。(図面が本格的で驚きました…!)物理的なものだけではなく、データの整理整頓も得意分野。社内の業務では、MD業務の整理整頓をして効率化に取り組んでいます。
その他にもイベントや家族写真の撮影、現在暮らしている北海道東川町のパンフレットデザインなどもお手伝いしているそうです。幅広く活躍する畠田さんの活動ポリシーは「苦にならず取り組めて、多分、人よりもちょっとだけ得意なこと」に取り組むこと。だからこそ自然と続けられて、周りから声をかけていただけると語りました。
一方で、声をかけてもらうだけではなく、自ら主導して活動することも増やしていきたいとのことです。整理整頓や写真、デザインといった単体のスキルはすでに世の中にありふれているかもしれないけれど、それらを複数掛け合わせれば独自の強みになるのかも……とお話ししていました。
新しいことを始めるには余白が必要
五人目の登壇者は、エンファクトリー社員の岩下音々さん。スタイルストアのカスタマーサクセス(以下「CS」)チームで活躍中です。
カスタマーリレーションリーダーを務める岩下さんは、CSという職種自体が初めての経験!今回は社内の業務でのエフェクチェーションを中心に語ってくれました。印象的だったのは、「新しいことを始めるには余白が必要である」というお話。スタイルストアのCSチームは少人数&新メンバーの参加により、目の前の通常業務の運用すらいっぱいいっぱいで、新しい取り組みができない……。そこで、まずは運用体制を整えるところからスタートしたそうです。
そして、スタイルストアの新しいモールプラットフォームへの出店。売り上げを伸ばしたい一方で、運用を手動で行っており新しい施策に取り組む余裕がない!という現実に向き合い、こちらもまずは安定運用の仕組みづくりに取り組みました。
その結果、「今できる事・これから出来る事、それぞれを切り分けて考えられるようになった」と語る岩下さん。まずは目の前のことに愚直に向き合う姿勢は、エフェクチェーションそのものです。
「自分には大した才能がない」という自覚が、強みへ
最後の登壇者は、エンファクトリー社員の松岡永里子さん。
エンファクトリーの事業の中でも、最も「新しいことにたくさん取り組んでいるチーム」と言っても過言ではないライフデザインユニットを牽引する松岡さん。素早く活発なトライアンドエラーを繰り返す松岡さんのルーツは、新卒時代に優秀な同期たちに囲まれる中で「自分には大した才能がない」と自覚したことだといいます。しかし、このネガティブな自覚を逆手に取り、量と速さ、新しさでカバーする。そしてその時の最善を尽くすことを心掛けるようになったのだとか。
松岡さんの発表も社内での日常業務にまつわる話題が多かったですが、一貫していたのは「まずはやってみる」を繰り返す姿勢。粗々の企画書からサービスを立ち上げたり、妄想で事例を盛り込んだ提案書をお客さんに出すこともあるそうです。そうした小さなアクションとフィードバックの繰り返しを通して、少しずつ成長していったと語りました。
参照していたチームのタスクリストには、細分化された改善項目がたくさん!思いついたことはとにかくリストアップするのも、エフェクチェーションの秘訣かもしれませんね。
おわりに
以上、en Terminal第14回のレポートをお届けしてきました。いかがでしたか?
複業はもちろん、目の前の日常業務からもエフェクチェーションを始めることはできるはず。事例を聞きながら、エフェクチェーションがグッと身近になった会でした。
次回もお楽しみに!