みなさん、こんにちは。
エンファクトリーでメディアや記事の編集をしている、志賀です。
ちょっと久々の開催となってしまいましたが、第10回目のen learning、開催しました!
(そろそろen learningの名前も浸透してきたハズ…!)
en learningとは……
会社や自分のステージに合わせて、社員それぞれが学びたいこと・必要なことを、
外部からその道のプロをお招きして、開催している勉強会です。
この会には、エンファクトリーに在籍したことのある人、これから入社予定の人、パートナー企業の方々、社員の友人、知人などをお招きしています。
メインとなる勉強会以外にも「ゆるく」いろいろな方とつかず離れずで繋がりを保っておく、という目的もあります。
過去のレポート
- enでつながる勉強会「en learning」第1回レポート
- en learning vol.2「オウンドメディア運営の極意」
- en learning vol.3 「ユーザーを掴むサービスの作り方」ビジネス構築請負人セッション
- en learning.vol.4「マネーリテラシーを高めよ」
- en learning 外伝 「AIの実際」
- en learning.vol.5「メディア編集がかかわる法律超入門 ~著作と薬事と景表法〜」
- en learning vol.6 オモシロガリストに聞く「面白がる極意」 そして未来の働き方を面白がろう!
- en learning vol.7 外科医が語る、医療のリアル
- en learning vol.8 売れっ子PRプランナーに学ぶ、メディア取材が殺到するプレスリリース入門
- en learning vol.9 「チーム」がパラレルワークのこれからのキーワード
予算をかけず500万UU、年間300件の掲載……!
第10回となる今回は、アイランド株式会社の代表取締役社長、粟飯原理咲さんに「予算がなくてもできる! 広報の工夫」と題して講義していただきました。
アイランド株式会社は「みんなの暮らしをもっと楽しく、わくわく、心地よく」をコンセプトに「おとりよせネット」「朝時間.jp」「レシピブログ」「クッキングラム」といったテーマ特化型ライフスタイルメディアを運営されています。
月間のユニークユーザーは500万人以上、年間300件以上のメディアで紹介されているそう。ですが、今まで広報に大きなお金をかけたことはほぼないとのこと……!
今回は、そんなアイランド株式会社の広報戦略についてうかがいました。
年間24本のプレスリリース。「話題化」の工夫とは!?
現在はSNSの発達により、以前に比べて、小規模な企画でもだいぶ多くの人の目に触れるようになりました。それでも、自社や自社サービスを広めたいと思うとき、自然に拡散していく「テーマ」を作るのは難しさがあると感じます。
広報の理想は・・・
サービスや商品そのものに新規性やユニーク性などの価値があり、周りが自然と紹介したくなるもの
一方で・・・
・待っているだけでは、まず知ってもらえない
・時間とともに、新規性やユニーク性は失われてくる
・時代とともに、パワーがあるメディアも変わってくる
そのため、継続的に「話題化」して「発信」する工夫が必要!と粟飯原さんは語ります。
でも、継続的に「話題化」していくなんて、ネタ切れ感が否めない……
一瞬でそんなネガティブマインドを持ってしまいましたが、
アイランド株式会社では、情報発信のひとつとして月に2本はプレスリリースを打っていて、
(年間24本……!!)
各サービスで、年に1本は大きな企画と連動して山となるリリースを作っている、とのこと。
では、アイランド株式会社がそれをどのように実践しているかというと、
以下の3つの工夫によるようです。
①「時流」と組み合わせる・提案する
②「らしさ」を盛り込む
③「広がり」を設計する
⇒「時流」×「らしさ」×「広がり」=話題化
この公式で、予算がなくてもできる広報を実践しているのだとか。
それぞれ詳しくみていきましょう。
「時流」×「らしさ」×「広がり」=話題化
①「時流」と組み合わせる・提案する
時流というと、例えば「消費税増税」「平成最後」などなど……といった「タイミング」のこと。
それに会社の資産である「企画」や「データ」、「人」「他社コラボ」や「イベント」を掛け合わせていって、「コト化」して、発信するのがひとつめの手法です。
その現象がなぜ流行っているのか、時代の文脈を捉えることが大切、と粟飯原さん。
でも時流といえば誰にでも共通のもの。競合他社も、もれなく時流に乗ると思いますが、その場合はどうするのでしょう。
そこで、次の項目でも触れる「らしさ」が重要になってきます。
他社が何をやっているか無視するわけではないけれど、企画に「自分たちらしさ」を入れることが大切だから、あくまでも自分たちなりにベストな発信のタイミングをはかって「コト化」するのです。
また、企画はどうしても必ずアタリハズレがあるので、アタリの数を増やしていくことも同時に大切とのこと。
②「らしさ」を盛り込む
先ほども少し触れましたが、企画には「自分たちらしさ」が必要。
その企画が話題になったときに、自社サービスのファンになってくれるような企画なのか(=自分たちのサービスの本質を捉えていて、それが伝わる企画か)を大事にしているとのこと。
面白い企画なら何でもよいのではなく、あくまでもサービスの本質をブラさずに、既存顧客が受け取っても違和感なく、また対象となる新規顧客がサービスの対象者と異なってしまわないように固めるのが大切そうです。
③「広がり」を設計する
これは拡散にも言い換えられますね、SNS時代ならではの「広がる仕掛け」を組み込むことも大切です。
たとえば、参加者が参加者を呼ぶ仕掛け。
最近、イベントに行くと目にしないことの方が少なくなってきた「ハッシュタグ」の提案。
#enlearning
のように、その企画に合わせて、投稿してもらうときにハッシュタグをつけてもらう、という習慣づけ、空気感づくりが大切。
そのときに、たとえばそのハッシュタグをつけていると、メディアに取り上げてもらえる、有名な人からコメントをもらえる可能性がある、というユーザーにとって嬉しいことを用意してあげることも同時に大事だといいます。
他にも、メディアとのコラボレーションだったり、理想的使い手を想起する人をアンバサダーとして取り上げる、プレゼント企画、などの方法をお話いただきました。
メディアでのコラボレーションは、そのメディアの名前で賞を作る方法。
先方のコンテンツのリッチ化にもなるような形で組むと、双方にメリットがあっていいですよね。そのような場合は、企画段階からメディアに相談することもあるそうです。
私が聞いていて、単純に「あ、それわかる、いいな」と思った施策が、
ユーザーのSNS投稿をリポストする際の「ことば」。
ユーザーの投稿に寄り添うように、ユーザーのことばづかいにトンマナを合わせる、ユーザーが心地よいと思っていることばを使う、というところ。
ユーザーが親近感を持ってくれること間違いなしですから、さらにファンになってもらえること請け合いです。
あとは、広報施策として企業向けに「広報メルマガ」を発信しているとのこと。
こういった細かなファンづくりの施策は、もちろん続けていくのは根気の必要なことですが、ひとつひとつ着実に実践していくことで積みあがるものは大きそうです。
ここにたどり着くまでに、数多くの施行錯誤があったことは容易に想像がつきます。
トレンドを掴む/エンゲージメントを高めるための日々の工夫
その他にも、日々の中で心掛けていることもうかがいました。
●FIY文化
トレンドを掴む/エンゲージメントを高めるために、行われていることのひとつに、
「FIY(For Your Information)」文化がありました。メールやチャットツールなどで、いいなと思った記事や体験をシェアする文化。
弊社もよくFacebookページを活用していて、全社のページと、各ユニットごとのページがあるので、気になった情報はいろいろなメンバーからシェアされています。
必ず何かしらの気づき・発想が生まれますよね。その時みる余裕がなくても、時間のできたタイミングにまとめて追えるのもいいですよね。
●ユーザーの話を聞く
ユーザーアンケート、ユーザー座談会、NPS調査など、いくつかの方法があります。
これもサービスとユーザーが乖離してしまわないために大事なことですよね。
●広報担当と一緒に会議
特に大きな企画を打つ際には、企画案の段階からメディアの担当者と広報担当者が一緒に打ち合わせをするそうです。
せっかくの企画でも広報しづらい……だったり、広報が内容を理解していなくて、リリースしている情報と内部の想いに乖離がある……ということになってしまったらもったいないですよね(でもありがちですよね)。
あらためて、広報の戦略性の必要性を感じました。
講義後はenの生まれる交流会
講義終了後は、いつも通り懇親会。
今回もTENOHAの&STYLE RESTAURANTにあるキッチンスタジオをお借りして、
レストランの食事をいただきました!
おいしい食事に話もはずみます。
en learningには、社員のつながりでさまざまな業種の方がいらっしゃるため、
いつもプチ異業種交流会の様相を呈します。
ここでコラボレーションが生まれたり、仕事をご一緒することもしばしば。
講義をしていただいた粟飯原さん、あらためてありがとうございました!
起こしいただいたみなさまにも感謝申し上げます。
また次回のen learningでお会いしましょう!