こんにちは。
プロマッチングユニットのエンジニアの宮崎です。
「en learning」とは?
会社や自分のステージに合わせて、社員それぞれが学びたいこと・必要なことを、外部からその道のプロをお招きして、開催している勉強会です。
この会には、エンファクトリーに在籍したことのある人、これから入社予定の人、パートナー企業の方々、社員の友人、知人などをお招きしています。
メインとなる勉強会以外にも「ゆるく」いろいろな方とつかず離れずで繋がりを保っておく、という目的もあります。
過去のレポートはこちら
- enでつながる勉強会「en learning」第1回レポート
- en learning vol.2「オウンドメディア運営の極意」
- en learning vol.3 「ユーザーを掴むサービスの作り方」ビジネス構築請負人セッション
- en learning.vol.4「マネーリテラシーを高めよ」
- en learning 外伝 「AIの実際」
- en learning.vol.5「メディア編集がかかわる法律超入門 ~著作と薬事と景表法〜」
- en learning vol.6 オモシロガリストに聞く「面白がる極意」 そして未来の働き方を面白がろう!
- en learning vol.7 外科医が語る、医療のリアル
- en learning vol.8 売れっ子PRプランナーに学ぶ、メディア取材が殺到するプレスリリース入門
- en learning vol.9 「チーム」がパラレルワークのこれからのキーワード
- en learning vol.10 「予算がなくてもできる! 広報の工夫」
今回は、今ホットな話題の1つAIについて、株式会社キカガクの吉﨑 亮介さんにお越しいただき、
「AI教育の最前線から見た技術の移り変わり」というテーマでセミナーを行っていただきました。
株式会社キカガクについて
まずは、株式会社キカガクが展開されているサービスについて、ご説明頂きました。
ビジネスに活用できるための教育を追及追求し、キカガクでは新しい教育のスタイルを提案します。
キカガクの考える教育は良いカリキュラムを良い講師が教えるだけではありません。
モチベーション管理や引継ぎ、教育コストの長期的な削減までを考慮したエコシステム形成までが教育です。
その鍵が「教えあい」であり、この教えあいによる人材育成のエコシステム形成に取り組んでいます。
続いて、今回セミナーの講師をしていただいた吉﨑 亮介さんのご紹介です。
1991年生まれ、27歳。舞鶴高専にて画像処理およびロボットの研究、京都大学大学院にて製造業向けの機械学習を用いた製造工程最適化の研究に従事。卒業後、株式会社SHIFTでソフトウェアテストの研究開発を経て、株式会社Caratを共同創業。2017年1月より株式会社キカガクとして独立。
ビジネスの現場で使える人工知能(AI)を目指し、企業向けの教育やコンサルティングを行う。2017年6月に日本マイクロソフト・Preferred Networks両社公認のデータサイエンス人材養成トレーナーに抜擢され、現在は東京大学やG’sアカデミーなどでも講師として教鞭を執る。キカガクの講義は設立1年半で受講生は7000名を超える。
今回はこのセミナーの内容をざっくりまとめてみました。
AI教育の最前線から見た技術の移り変わり
ちょっと前から人工知能や機械学習、ディープラーニング、プログラミング言語ではpythonが人気になったり、とても熱い分野となっているので聞いたことがある人も多いでしょう。
そこで今回吉崎さんからも、2017年から2019年4月までの機械学習の移り変わりについてお話いただきました。
大きく分けて
- 2017年は、AIの原理学習
- 2018年は、AIの推論
- 2019年は、AIの活用
となっているとのことでした。
■2017年:学習フェーズ
AIの原理を学ぶ。しかし、原理がわかったところで何をするかはこれから考えるといったフェーズ。フレームワークもScikit-learnだけだったり、インフラもオンプレだったためエンジニアが開発しにくい状況でした。
その後、2017年後半ディープラーニングに興味を持つ層が広がり始め、フレームワークもChainerやTensorflow、インフラもAWSやAzure、コンテナ技術など少しずつエンジニアが開発できる環境が整っていきます。
■2018年:推論フェーズ
学習済みモデルの活用が視野に入ってき、Django、Flask、IoTなどが利用され始めます。学習済みのモデルが作成されたことにより、数学的な理解よりもアプリケーションへの理解が重要になってきました。
その後、2018年後半、Auto MLやAzure ML StudioやCustom Vision Service、BIツールとの連携、GUIでアプリケーション開発と環境が整い学習から推論までシームレスになり、これなら開発ができそうというフェーズに進化しました。
■2019年:AI活用フェーズ
開発できそうな環境が整ってたので、エンジニアとビジネスサイドで学ぶべき事柄が明確に分かれてくるようになりました。
エンジニアは
- データサイエンス
- 機械学習
- アプリケーション
エンジニアは言うまでもなく、数学やプログラミングスキルが必須となります。
ビジネスサイドとしては、
- AI特有のビジネスモデル
- 投資対効果(Rol)の算出
- 法律
ビジネスサイドにおいては、精度が100%出ないこと、最初は精度が悪い、教師データが必要などなど理解した上での活用方法を考えなければならないとのことです。
続いては活用事例となります。
AIの活用事例
ここまで機械学習の移り変わりについて書きましたが「そもそも機械学習とは何か?」ということについて踏まえて導入事例を説明していただきました。
以下の図のように、佐藤さんなのか鈴木さんなのか判別するための教師データを手作業で準備する必要があります。
そして、この教師データを用いて “モデル” と呼ばれるものを作成する必要があります。
そうすると次から入力変数をモデルに与えてあげることにより、
「○○%の確率で鈴木さんの可能性があり」と言ったような出力変数yが得られるようになります。
ここで大切なことは、
- このモデルを作成するためには、学習させるデータが必要(教師データ)
- 学習させたとしても出力されるものは予測値である(最初は精度が悪く、100%ではない)
ということになります。
これを踏まえてAIの活用事例の紹介していただきました。
MRI画像から異常箇所を見つける
Q. MRI画像から異常な箇所とその病名を予測する機械学習のモデルを構築したい。依頼する前にどのようなデータを準備しておくべきか考えてください。
A. ただMRI画像だけがあっても学習させることはできません。
学習させるための「どこに腫瘍があるのか?」という点ですが、この判断は人間で行い、学習させる必要があるため手動で腫瘍のX座標、Y座標を手入力する必要があります。そうすることでモデルを作成でき、腫瘍の可能性を得ることができます。
ただこのモデルはあくまでも「○○%の確率でこの場所に–の腫瘍の可能性がある」と言う予測値を出力しているだけなので、結局は人間が判断しなければなりません。
「結局人間が判断しなきゃならないなら、意味ないじゃん。」と思うかもしれませんが、お医者さんは、MRIの画像を5分間約500枚ほど見る必要があるため、危ないゾーンを赤くするだけでもお医者さんにとっては、腫瘍を見逃しを減らすことが可能になるとのことです。
他にも様々な事例や問題などを紹介していただきました。もっと知りたい方は、株式会社キカガクで短期セミナーも開いていますので興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
まとめ
「機械学習」と言う単語だけが一人歩きしているような感覚でしたが、今回のセミナーを通して少し勉強になりました。
幅広く知識をキャッチアップすることは大切だと改めて感じました。
今後エンファクトリー でも機械学習を取り入れられるようになっていきたいですね。
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