エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社ニフコ 綛谷様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
自動車に使われる樹脂部品の設計を行う部門で、今は設計者ではなくグループの管理業務を行っています。
──複業留学をやってみようと思った理由を教えてください。
推薦して頂いたことがきっかけです。同僚の活動をみたりワークショップで話を聞いたりするなど環境による機会が多かったため、やってみようと思い参加しました。また、転勤をしたことで周囲とのコミュニケーションの取り方に悩んでいたことや、過去の経験から馴染みのない人とコミュニケーションをとることの重要性も感じていたため、すごくよいタイミングでした。
──複業留学をして困ったことはありましたか?
まずExcelやPPTなどの基幹ソフトが違う会社があることに驚きました。名前は知っているけれど、使ったことがないソフトに直面したときは驚きました。また、医療系の専門用語が難しく、日常ではあまり聞かないような話題にも驚きました。
──新しいツールや専門用語に対して、どう乗り越えていきましたか?
専門用語は家に帰ってからとにかく調べました。単語の意味がわからないことで業務を中断させないように努力しました。また、ツールは使い方を教えてもらってなんとか対応しました。
──留学先で驚いたことや違いを感じたところはどこですか?
仕事を進める時間軸の考え方や、配分をどうするかという点が一番の違いでした。特に自動車業界は不具合が起きた時のダメージが大きい業界なので、石橋を壊れるまで叩くところがありますが、留学先では課題に対して臨むPDCAサイクルが不安になるぐらい早かったです。
──自動車業界は安全確保が最重要ですし、石橋を叩きまくりだと思いますが、その必要がないところでも石橋を叩いていたかなという思いもありますか?
はい。今思えば、聞かれてもいないQ&Aを想定したり、余計に資料を凝って作ったりした経験があることに気づきました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どのようなスキルや能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
歯科矯正用のマウスピースを作っている会社の製造チームで、チームの効率改善・製造業の効率改善と、顧客対応・お客様に対して説明する資料や全体の業務フローに携わらせてもらえたという2点が大きな活動でした。
スキルとか能力と言うほどでもないですが、調べても答えが出ないことは日常会話などから、誰に聞けばよいかを判断して聞いていました。
また、業務フローの部分では、資料作成時、受け取り側の見え方やどのように伝わるかを日頃から意識している点が活かせたと思います。
──複業留学をする前後で、変わったことや、周りの人に与えた影響はありますか?
これまでは自分のやり方が通用しなかったときに諦めたり環境のせいにしてきた部分もありましたが、人を変えたいのであれば、自分が変わること、そして実際に変わるための行動を起こすとき、相手が何に困っているのか、キーマンは誰なのかを見極め、適切な人にアプローチする重要さを学びました。自分の持つゴールへの道のりにもっと思考をめぐらすべきだという言葉が胸に刺さり、別の方法を試したり、自分自身の行動を変えたいなと思っています。
──複業留学の経験を今後どのように活かしていきたいと思っていますか?
時間の考え方や明日どうなるかわからないという危機感を持って何かに取り組み、結果にこだわって前進していくということですね。そのまま自社に当てはめるのは難しいかもしれませんが、何かしら落とし込めるところを考えたいと思っています。
──これから複業留学する方に対して、どういう言葉をかけますか?
まず、絶対行くべきだということですね。
私は行った直後からすごく気づきがありましたし、経験は必ず財産になります。あとは、どうせ行くのであれば、楽しんでもらいたいということです。外の空気に触れる良い機会だと思います。会社の行き帰りや町の雰囲気も楽しめたら面白いと思います。「楽しんで行ってきなよ」と背中をポンと押してあげたいですね。
──楽しむスタンスがあったから、良い結果や得られるものもあったのですね。
あくまで業務としてしっかり楽しむことができれば、すごくいい研修テーマだと思います。
複業留学をやるからには楽しんで欲しいですが、本業が忙しすぎて時間的な制約があると楽しめないしもったいない。
周りの人間がしっかりとこの研修に送り出す環境を整えることが大切だと思います。
送り出す側のスタンスが整っていないと外の世界を見て自社の悪い部分ばかり見えてしまうし、関心を持たれないと孤独を感じてしまいます。
この研修で得た個人の経験を企業にしっかり還元するためにも、送り出し側はしっかりと関心を持ち、体制を整えて望んでいただきたいですね。