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複業留学体験レポート「留学先で学んだ完成形の提案でなくていいという気軽に意見を出せる仕事の進め方を活かし、自社でも取り組みたい」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション 豊田様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
岡山工芸株式会社
https://www.okayama-kougei.com/

──本業での仕事内容を改めて教えてください。

クレジットの債権回収業務です。お客様と直接お話しする中で、カウンセリングをし、場合によっては法務知識を活かした債権回収業務を行いながら経験値を積み上げております。

──改めて複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

日常に時間的余裕と精神的余裕が生まれたことが、一つ目のきっかけです。
本業での現在の業務も2年半が経ち、業務にもだいぶ慣れてきました。また、プライベートでも子供が大学生となり、自分に使える時間が増えてきたことで、新たなチャレンジに目が向きました。

二つ目は、今後のキャリアを考えたときに、他社の経験が全くない状態でしたので 、新しいことに挑戦し、自分の可能性を試してみたいと思いました。
このふたつのきっかけが重なり、今回複業留学へ手を挙げました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

着物販売以外での収益化の柱をつくるための企画立案と、着物工房の活用方法のミッションに取り組みました。
着物販売以外の柱では、既にいろいろな小物などの商品展開があり、それらを自社ホームページで紹介するに留まっていましたので、商品タイアップを通しての販路開拓を提案し、企画書を作成しました。また、BtoC事業に関して、海外に向けたECサイトの活用を提案しました。
着物工房の活用は、糸目糊をおいた生地と染料をセットに販売するキット販売を提案しました。また、産業や体験を紹介する外部サイトを活用し、 その中でマッチングできそうなサイトを探しました。
営業販路を探すときに同業や小売店などのお店の知識を持ち合わせていたことが役立ち、提案書作成に関しては、OA技術が活かせたと思います。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

本業の仕事は全て出社のため、留学先の仕事をリモートで行うことに対しての周りの理解を得ることに苦労しました。
私自身は、以前本社勤めの際にリモートワークを活用した経験があったため抵抗感はありませんでしたが、在宅経験のないメンバーへの理解を得ることが難しく、留学先の話を上司だけでなく、周りのメンバーへも共有しながら乗り越えました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

「失敗を共有して、皆で学ぶ」というスタンスがとても新鮮で驚きました。
着物は、実際に蒸してみないと最終的な色味や色ムラが分かりません。意匠の会議に出席した時のことですが、「私は今回こういう失敗をしました」「それは、どうしたらそうなったのか」「では今度はこのようにしたら上手くいくか」など、自らの失敗や工夫の体験を共有していました。
本業では、どちらかと言うと失敗が許されないような業務が多いため、実際に失敗された方の口から、失敗の実体験を話されていることがとても新鮮で、自社との違いを感じました。

他にも、伝統的な技術のみならず新しい技術もよさを認めつつ、日々新たなことに挑戦されている姿も新鮮でした。
留学先の手描友禅は、とても高価なイメージがありましたが、競技会を見学した際に、インクジェットプリンターを活用した着物があることを知り、どんどん新しい技術が進化していると驚きました。留学先は手書きですが、「いろいろあっていい」「ここにはこのような良さがある」と教えていただき、初めて勉強することが多く楽しかったです。

最後に、留学先と自社では、新しいことへの取り組むときの決定速度が異なると感じました。
留学先の場合、社長の「やってみよう」の一言で皆が同じ方向を向き、何人かが取り組み実行し、やってみてダメなら諦めればいいという考え方です。
それに対して、現在の部署で新しい工夫を取り入れる提案をしても、わりと抵抗があります。
組織が大きくなるとマイナスの意見も出てきて、そこをまとめるところがとても大変ですが、今まさに変換期でもあり、ガラリと体制を変え、新しいことを始めようとしているので、「やってみないことにはわからない」と考えが変わりました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? 

まだ形になっていない思いつきの段階のアイデアも、きちんと汲み取って頂き、形にしていく難しさ、留学先と建設的なやりとりができたことは大きな学びとなりましたし、ひとりではなく周りの人の力を借りながらすすめるという経営者の視点も、大変勉強になりました。
何かを提案する時は、ある程度時間をかけて掘り下げて形にしてから提案しなければという仕事の仕方をしてきたので、アイデアの段階でいいという点がタイムリーに早く回せるということだと感じました。自社に持ち帰り取り入れたいと思います。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

お忙しい中でも自分が書いたレポートに「いいね」をつけるなど反応をいただくなど、精神的にも実務上でもいろいろな部分で知っていただけたなと思いました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

ありがたい評価をいただき嬉しく思います。評価につながる部分は、受入先社長に「完成形でなくていい」という言葉をかけて頂くなど、うまく引き出して頂けたおかげだと思っております。
留学先では勉強させていただくことが多く、最近覚えた麻雀で例えるならば、今までは、自分の手牌しか見ていませんでしたが、「勝負の世界なので、人の動きを観察しつつ、戦略を立てないといけない」という考え方が、自社を守るために異業種や同業他社をきちんと調べ、収益も考えながら、広い視野が必要なのだという今回の留学先の体験と繋がりました。視野を広げるという点で、ちょっとした発見でした。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

本業で、この春から新しいチーム作りを行っています。その中で、自分の意見だけで進行するのではなく、周りのメンバーが「こうしたらいいのではないか」という意見を気軽に出すことのできる体制を作っていきたいなと思っています。
また、留学先で学んだ「とりあえずやってみよう」という考え方を実行したいと思っています。
最後に、今回の複業留学をきっかけに、外部との接点を構築することは、とても大切な事だと気づきました。内々の付き合いに留まらず、外部との繋がりを大切にし、多様性にとんだ方々と一緒に仕事をしたいと思っています。
私の年齢になると、家庭が落ち着く人が多いのか、30年ぶりの集まりが開催されることもあります。公私にて色々な人とのコミュニケーションの機会を増やし、刺激と学びを得られるような人的資産を増やしていければと考えることが出来るようになりました。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

興味はあるけれど一歩踏み出すことがなかなかできないでいるようであれば、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。
少なからず自分を変えることができます。自分の成長を感じられると、やはり喜びに繋がります。人脈も増え、視点が少し変わります。
私自身は、固定概念の塊と思っていましたが、環境を変えることで「固定概念が無い分、自由な発想での提案が多く新鮮味を感じました」とのフィードバックをいただきました。

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