エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション大塚様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を改めて教えてください。
営業推進課で営業活動をしております。弊社加盟店様に対して様々なクレジット絡みの商品を提案しており、15年間BtoB事業含め幅広く営業活動を実施しています。
──複業留学に参加を決めた理由を教えてください。
営業力を強化したいという想いが一番です。なぜなら15年間ずっと同じ仕事をしていて、少しマンネリ化していると感じ、新たな力を身に着けることで「より加盟店様に響く提案ができるのではないか」という考えが漠然とありました。異業種業務の運営や営業を経験することによって、様々な視点から物事を捉えたいという気持ちが強かったです。また、自分の癖も見つめ直す良い機会になればなと思い手を挙げました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
複業留学先のLibertyGateは高齢者福祉支援サービスの「アシスタ」という商品のFC展開をされている企業です。活動としてはFC展開に対しての営業支援、この商品を提案するためのアポイントの取得等を行いました。
「アシスタ」の初歩的な商品知識を習得した上で、日頃からどのようなキーワードを使えば相手に響く提案ができるのかを考える癖がついていて、そのようなスキルはすぐに活用できたと思います。
前半部分は、アポイントを取得するために、言われたことを自分の中で考えて行動するという受け身の姿勢がどうしても強い状態でした。中間面談で「もっと意見を言った方がいい」とアドバイスを受け、自分のためにもならないと感じたため、 主体的に関与するように変化させました。収益の具体的な資料をいただいたり、ロープレをしたり、具体的な提案をして、少しでも「アシスタ」に対する営業をレベルアップすべく、様々な提案をしていきました。
これまでは何かを思っても、言ったことに対して相手が傷つくことを恐れ、相手に嫌われたくないと思ってしまう自分がいました。しかし、そのような考え方では 自分のためにも相手のためにもならないと理解し、その癖を改善できたと思います。私が思っていることを伝えることが、相手にとっては良い方向に向かうかもしれない、それは言わないとわからないから、言ってみようという気持ちにこの3ヶ月で変わったと思います。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
前半は、問題なく進めることができました。後半は、具体的な商談を取りにいくまでの動きを身に付けなければならず、多くの法人に「新規事業に興味ありませんか?」と提案していきましたが、なかなか商談に繋がらないという状況でした。複業留学先の方とコミュニケーションを取りながら進めたのですが、複業留学の同期の滝澤さんと電話で辛いところを共有したり、「こんなことこうやったら解決できるんじゃないの?」とアイデアを出したり、いろいろ話し合える機会がありました。お互いに励まし合いながら、問題解決に向けたプロセスを経験できて良かったと思います。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
複業留学を始める段階で「こんなことを提案できるんじゃないか」と思っていましたが、複業留学先ではすでにいろいろと実践されていたことです。例えば、トークスクリプトの作成です。シチュエーション別に、ものすごい細かく作られていて、私が思ったよりも数倍違う精度の濃いものでした。創業から3年の間に、課題があったらすぐに対応されていた成果だと思います。そういったスピード感に驚きました。オリコでは、慎重にやる仕事が多いのですが、慎重さにスピードが備わればより良いので、このスピード感は今後に活かしたいと思っています。
もちろん今となっては良い財産となっていますが、前半の1ヶ月半の段階で「このようなことを考えてみたのですが、どうでしょうか」ともっと提案できてもよかったという反省が、正直に言ってあります。複業留学に限らずですが、PDCAのチェック、反省は必須だと思います。今回の反省を活かし、自社でまた新しくPDCAを回していきたいと思います。
──複業留学の前後で変わったことありますか? あと周りの人への影響あれば教えてください。
「相互補完」の視点でしょうか。 お互いの弱みを何とか助け合って強みに結びつけていくことです。相手の弱みは、私が提案することによって解決できるかもしれないという視点を持てるようになりました。
最終報告会では、複業留学先の課題をいくつか挙げました。課題を挙げたのは、おそらく初めてのことです。相手の弱みに対して「こんな課題があるよ」と伝えることによって、相互補完をボトムアップで繋げられるかなと思いました。相手の弱みをお互いに助け合いながら、業務を遂行したい気持ちが強まりました。
強みは人前に出しますが、弱みはなかなか出しにくいと思います。お互い信頼関係を築き、弱みも言い合える関係になっていくことも仕事のひとつではないかと思いますし、今はオリコがその役割を担えるのではないかと考えています。周りからの影響で言うと、複業留学の同期の資料作りのスキルやDXの知識など、私も身につけたいという気持ちが高まりました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
細かく見て評価していただいていて驚きました。私の活動が、複業留学先の財産になったという評価をいただき、率直に良かったです。
また、DX人材という言葉の重みをものすごく感じています。私がやってきた活動については、オリコでもDX人材とずっと言われていますが、そこに対して私は正直劣っている人材なのかなと思っています。なので、そこの能力を身につけるためには、もし機会があれば営業以外の経験をして、DX人材と言われるような人物になれるように、DXという言葉に重みを置きながら活動していきたいです。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
複業留学を始める前に聞いたプロティアン・キャリアを踏まえると、人生100年時代においてこの活動は初めの一歩かなと思っています。ここで終わったら意味がありません。自社の営業として活かすことも、人生全体で考えればスモールステップなのかもしれません。日々の積み重ねだと思っています。
そしてまた新たなスモールステップを踏むためにも、自己啓発を続けていきたいです。今までの私は自己啓発をあまりしてこなかったので、自己啓発を積極的に行い続けていくとともに、自分の意見を相手に言うことも続けていきたいと思います。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
「行動すれば、絶対変わることがある」ですね。やりたいけれどできないと考える人には、例えば自分の業務に手一杯で時間が全然ないケースや、別に今のままでいいなど、いろいろ理由があると思います。私も正直、最初は「ちょっと時間がなくてなかなか難しいかな」と思っていました。やっぱり、やらないと始まりませんし、やれば何かが変わるかもしれません。
時間は、自分が努力すれば作ることができます。今の仕事が将来残っているのかと考えるきっかけにもなります。複業留学は必ず自分の財産になります。少しでも興味がある人はまず3ヶ月、積極的にやった方がいいですよと伝えたいです。