エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学(社外留職)」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいたピジョン株式会社 折野様に、複業留学(社外留職)についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
私は共創開発部に所属しておりベビー用品の設計開発を担当しています。具体的には、企画部門が提示した要求仕様を設計に落とし込み、形にしていきます。OEM開発になりますので、3Dデータ・図面の確認・修正、試作モデルの検証、金型の確認、初回量産までを一貫して幅広く携わっています。
──社外留職に手を挙げた理由を教えてください。
入社5年目となり、新しいチャレンジを行いたいと考えていたタイミングで社内公募があり、良い機会だと思い手を挙げました。一つの部署での経験しかなく、他業務や他社で働くことによって、自分自身の考え方や業務の進め方に良い変化や刺激が与えられるのではないかと考えました。
また、もともと興味のあったマーケティングについて本で勉強していましたが、実践的に学べる機会が少なく、社外留職を通じて実践出来ることも決め手となりました。
──社外留職先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
熱可塑性樹脂にスギの間伐材を混ぜ込んでいる新しい射出材料を活用し、自社のベビー用品への展開を検討しました。具体的には、ベビー用品におけるサステナビリティ志向の意識調査から顧客定義、プロダクトの検討やマーケティング戦略の立案を行い企画書の作成をゴールとして取り組みました。
活かせたスキルについては、設計開発を行っているため強度・安全性を含めた検討や材料・生産に関する知識です。留職企業では設計は専門外となるため、知識について活かすことができました。
──社外留職で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
一ヶ月経った頃で、使用する材料に成形方法の制限が入り、プロダクトの方向性が固まってきたにも関わらず白紙に戻ったことです。また、自社業務がある中で留職先での業務がプラスオンとなり、時間的にもかなり厳しく両立にも苦労しました。
乗り越えるために、まず
積極的に社内の普段関わりのない人ともコミュニケーションを取り、アイデアの相談を行いました。また、
実際に店舗に足を運んでのプロダクト検討や、視野を広げて考えることを意識しました。結果的に、アイデアの方向性が決まり乗り越えることができました。
時間配分については、優先順位はもちろんのこと、
やらないことを決め無駄な時間をなるべく無くし効率化を意識しました。また、本業が優先となり留職業務は後回しになってしまっていたため、曜日で時間を確保し環境を変えてスイッチを切り替えていました。
──留職先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたのは、留職先の代表である宮内さんの行動量の多さと、その自由度の高さです。ベンチャー企業では、自分で仕事を取ってこなければならないので、アンテナを高く保ち、様々な場所でピッチコンテストに申し込むなど、行動量が非常に多いと感じました。また、制度がなければ制度を作るために政府に働きかけるなど、新しい気づきとなりました。社外留職を経験したからこそ、得られたものだと感じています。
──社外留職の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
社外留職を経験したことで、 視野が広がったと感じています。特に、マーケティング業務を経験出来たことは、開発業務内で設計だけではなく、その前段である企画内容についても深く考えるようになりました。今後は顧客をより意識し要求品質が何であるのかを設計側からも積極的に意見交換をして行きたいです。また、 自分からアイデアを提言することにハードルが下がり、考えを具現化するために行動しやすくなったと感じています。
周りへの影響については、なかなか分かりづらい部分ではありますが、後輩に対しては新しいことを積極的に挑戦することについて、少しでも刺激になっていれば嬉しいです。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
もし最初からもっと積極的に行動していたら、より良い結果が得られたかもしれないと感じました。一方で、自分の経験や知識が、留職先にとって少しでも役立っていたと感じたのは、 社内だけでなく、外部でも自分の知識や経験を活かせるという自信につながりました。
──社外留職での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
主にマーケティングに関する業務を行いました。その中で、商品開発やマーケティングの視点から、お客様目線での物作りの重要性を改めて気づきました。
また、自分の想い・やりたいことをどうやって行動に移すのか、どうやって周りを巻き込むのかということも学びました。自分の想いを行動に移すことは以前から考えていましたが、具体的なやり方がわからず行動に移せていなかった部分がありました。しかし、社外留職を通して、どのように行動すれば良いかを掴め、自分の想いを行動に移しやすくなったと感じています。これからは、社内で積極的に行動し、自分の想いを行動に移すことで、周りの人々にも影響を与えていきたいと思います。
──ほかのメンバーに社外留職をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
もし迷っているなら、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。その際には自社の業務内容とは全く異なる、異業種の企業を選んで欲しいです。異なることで刺激の幅が広がり、多くの学びが得られると感じました。始めは不安もあるかと思いますが、成長のきかっけを掴めるチャンスだと思いますので、チャレンジして頂きたいです。