エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社 有村様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──留学先が決まった際の率直な気持ちを教えてください。
はい、まずは受け入れてくれる企業があることに安堵感がありました。一方で、どのようなアプローチをすれば良いのか、自分がどのように貢献できるのかという不安もありました。まさに探り探りの状態でした。
──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか?それは得られましたか?
異業種の方と触れ合う機会がほとんどない状況だったので、まずは人との繋がりを作ることを一つの目的としていました。また、全く違う分野での開発や企画など、新たな業務や考え方に触れることにも期待していました。実現できたと思います。
──本業での仕事内容を教えてください。
現在、私の主な業務は医療用医薬品の開発です。具体的には、既に医薬品の製造販売承認を受けている薬を違う適応症にも応用可能か有効性や安全性を評価することや、日本以外のアジアやオセアニア地域の患者さんにも貢献できないか,薬剤開発するという仕事に従事しています。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
基本的には新しい商品や企画の提案を行うという業務でした。それに伴い、調査や、指摘された事項についての調査、フィードバックなども行いました。
本業でも調査やまとめ、フィードバックなどを行っているので、そのスキルは活かせたと思います。特に、科学的な妥当性も意識して調査し、提案する際に重要でした。その点については、一定の自信を持って取り組むことができました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
主に コミュニケーションの取り方で困りました。ほとんどがオンラインでのやりとりで、対面ではなかったため、複業留学をしている感じがなかなか掴めませんでした。対面であればコミュニケーションが取りやすいのですが、オンラインだと時間の制約もあり難しく感じました。
乗り越えるために、 積極的に話すことを心掛けました。また、 訪問を提案するなどの工夫もしました。相手も本業があるので、その状況を理解しながら、適度に線引きをすることも大切にしました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたのはスピード感です。 複数のアイディアが出てきて、すぐに意思決定されるという流れの速さには新鮮さを感じました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
複業留学期間中に、本業のポジションが変わったこともあり、意思決定の範囲が増えました。その結果、意思決定の速さを意識するようになりました。これからは、そのスピード感を活かしていきたいと思います。
まだ具体的には難しいですが、影響を与えていきたいと思っています。
市場分析など、マーケティングの考え方は,自分の本業にも転用できる部分があるため活用していくことを考えています。その考え方は周りにも共有していきたいと思います。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の皆さんが共通して感じていることとして、スピード感や柔軟な判断が挙げられていました。また、コミュニケーションの重要性もよく言及されていました。これらは共通の学びとして感じました。
他の方と話す中で、常日頃から考えておき、何か起きた時にすぐに意思決定できるような全準備やスキルが重要だと感じました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
実際には、コミュニケーションが主にオンラインで行われていたため、自分がどれぐらい貢献できているのかは正直わからなかった部分がありました。そのため、評価を受けて、自分の貢献が実際にはプラスになっていたと知った時は、ホッとする反面、ポジティブな印象を受けて嬉しかったです。
実際のやり取りでは、レポートを作成して送付し、確認したという程度のチャットのやり取りが主でした。そのため、深くディスカッションする機会を意図的に設けないと、フィードバックが得られない部分もありました。その結果、手応えがあまりわからず、わからないまま進んでいた部分もありました。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
マーケティングの考え方や意思決定のスピードなど、複業留学で学んだことを自分の業務に活かしていきたいと思っています。具体的には、臨床試験の企画や運営において、これらの要素を活かすことができると考えています。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
受入れ企業を選定するにあたって、自分の能力とは別に、企業のキャパシティやタイミングによっては受け入れられない可能性もあるため、その点も十分に考慮する必要があります。そのため、受入れ可能な企業をよく調査し、複数の選択肢を持つことをお勧めします。