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複業留学体験レポート「自分の価値を再確認  – ベンチャー企業での経験から学んだこと」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社ニフコ 石﨑様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
株式会社ミギナナメウエ
https://migi-nanameue.co.jp/

──本業での仕事内容を教えてください。

私が現在勤務している会社で担当している業務は経理です。月次・四半期決算業務や管理会計の分析業務、国際税務関連の対応(BEPS、移転価格税制)、棚卸の実地調査や監査対応、海外子会社への経理指導、会計監査・税務調査対応、及び経理・財務分野での改善活動に従事しています。

──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

私は転職を2回経験しており、基本的には製造業の経理に従事してきました。しかし、管理部門という業務の性質上、変化に柔軟に対応する機会が比較的少ないと感じていました。今後、自動車業界はEV化の流れなど、大きな変革が予想されています。その中で、自分のスキルや経験が果たして時代の変化に十分に対応できるのか、自問自答するようになりました。そんな時に社内での複業留学の募集を見つけ、変化が激しいであろうベンチャー企業で自分の価値を再確認したいと思い、応募しました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

複業留学先が展開する人材サービス業において、組織拡大に向けた稟議決裁体制・社内ルール・ワークフローの提案と転職支援サービスのアドバイザリーを行いました。留学先の担当者と共に業務を進める中で、これまでの私の経理・財務を中心とした業務経験やスキルを活かしながら、新たな学びを得ることができました。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

一番困難だったのは、勤務時間の調整と他の社員とのコミュニケーションの機会の少なさでした。私の本業の勤務時間は9時から17時45分で、一方、留学先は人材サービス業であることから、昼間から夜間に勤務している社員が多く、私自身が2歳の子供の育児を行っていることもあり、時間の調整が難しかったです。また、留学先の担当者とは頻繁にコミュニケーションを取ることができましたが、他の社員との交流の機会が少なかったことも困難でした。
これらの問題を乗り越えるために、特別な解決策を見つけることはできませんでしたが、留学先の担当者と頻繁にコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築き、業務をスムーズに進めることができました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

留学先でまず驚いたことは、ベンチャー企業でありながら、人材ビジネスの事業がテレワーク中心で行われていると思っていたのに、出勤を重視していることでした。その理由は対面でのコミュニケーションを重視し、経営陣が仕事の熱量を把握したいからだということでした。それだけではなく、代表取締役が月に1度は全社員と会話するという取り組みをしていることに感銘を受けました。
もちろん業種も社員構成も違うので一概には言えませんが、現在の勤務先はテレワークを推進しており、それは自由かつ効率的な働き方として一定の効果があるのは確かです。しかし、コミュニケーションが希薄になってきていると感じることもあり、そのあり方について再考する必要があると感じました。
また、管理部門の業務について、クラウドシステムを非常に効果的に活用していることに驚きました。自社システムを大きな費用をかけて整備しなくても、こういったシステムを活用することでコストを抑えて業務を遂行できる時代になっていることに気づきました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。

複業留学を経験したことで、 自分自身が持つ多様な視点やスキルが強みであり、それを活用することで新たな価値を生み出すことができるということを再認識しました。自分が過去に経験したことや、雰囲気の異なる会社のやり方を知っているということが、思っていた以上に自分の強みであると気づかされました。その結果、自分自身がどのように貢献できるのか、どのようにスキルを活かすことができるのかということを、より明確に理解することができました。
周りの人への影響については、現在の勤務先がテレワークを推進していることもあり、まだ直接的な影響を与えたと感じることは少ないですが、私が複業留学に参加したこと自体が、周りの人々にとって新たな刺激になったのではないかと思います。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

今回の複業留学では、私だけが管理部門から参加していたため、他の管理部門従事者がどのような経験をしているかを知ることができなかったのは少し残念でした。しかし、製造部門や開発部門から参加していた同期の活動レポートを見ることは良い機会でした。複業留学での職務やミッションが違うとはいえ、同じ勤務先であることから、仕事をする上で参考になる学びがありました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

複業留学に取組むにあたり、他の組織及び組織のメンバーと円滑にコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくことを大きなテーマとしていたので、それを意識して進めていたことに対して評価いただけことは、大変有り難く思うと同時に自信につながりました。
また、若い世代や外国人といった価値観や世界観が大きく異なる方達と仕事をどう進めていくかということにたいし、円滑に進めるにはどうすべきなのかという感覚を掴むことができました。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

複業留学で得たテレワークの取り組みや仕事のモチベーションの上げ方などの経験は、今後の参考になると考えています。特に、 ベンチャー企業での経験は、大企業では想像もつかないようなアプローチによる技術開発や新しい領域への営業活動など、新たな視点を学ぶ機会が多かったです。一方で、大企業とベンチャー企業では求められる管理業務の幅が異なるため、仕事の取捨選択を見極める経験もできました。特に、仕事に対するモチベーションを職場でどのように上げるために工夫するかという点は、複業留学の経験を活かし、今後の課題として考えています。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

私自身が2回転職を経験しているのでわかることなのですが、勤務先での仕事の常識が必ずしも世間一般の常識とは限りません。自分が日々従事している仕事が本当に価値のあるものなのかを確認するためには、一度会社を外から眺めてみることが必要だと思います。これまでは転職をするしかその手段がなく、気軽に実行できないうえに次の勤務先に馴染めるかどうかわからない大きなリスクがありました。複業留学はそのリスクもなく気軽にそれができ、会社としても人材の流出を防止できる双方にとって有効な手段だと思います。自分自身のスキルを強化するためには、このような新しい経験にどんどん飛び込んでいくことが大切だと思います。そのような問題意識を持つ人は、ぜひ時間を作ってこの複業留学にチャレンジしてほしいと思います。そして、複業留学に参加することが決まった人に対しては、期間が短いだけに全力で取り組んでほしいと思います。

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