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複業留学体験レポート「自分の強みを再認識:視野を広げる複業留学」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社ニフコ様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
株式会社ChiCaRo
https://www.chicaro.co.jp/

──本業での仕事内容を教えてください。

私の主な仕事は、製品の解析・測定に関する業務全般を取り纏めています。具体的には、コンピュータシミュレーションによる解析、物性の測定などの分析業務を行い、それらを通じて現場の支援をしています。また、解析や分析の技術を構築することも行っています。全体の管理業務も含めて約20名のメンバーを取りまとめています。

──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

私が複業留学に参加を決めた理由は、課題を発掘する力を養いたいという想いからです。私たちのチームや個々の成長のためには、課題の発掘と解決が重要だと考えています。しかし、私の部署では、決まった部署の人たちとのやり取りがほとんどで、新しい視点が生まれにくいという課題を感じていました。自分たちの課題を俯瞰してみると、ある程度の限界があり偏りがあると感じていました。その偏りを正すためにはどうすればいいかということが、ずっと頭の中でモヤモヤとしていました。そんな時に複業留学を知り、他者の視点や課題に触れることで、新しい視点や視野を得られるのではないかと思いました。それが課題発掘力を養うきっかけになるのではないかと考え、複業留学に参加を決めました。
また、私は育児中であり、毎日子供と接する時間が限られています。その中で、自分自身の育児に対する課題を見つけ、それをどう解決するかについて考える機会がほしいと思っていました。複業留学を通じて、育児支援のサービスを提供している方々と一緒に働き、彼らの視点や考え方を学ぶことで、自分自身の育児に対する視野を広げたいと考えました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

私は、遠隔での育児支援ロボットの開発・サービス提供をしているベンチャー企業に留学しました。そこでの活動は主に二つに分けられます。一つ目はロボットの筐体改善で、二つ目は利用者目線でのサービス設計を考えるというものでした。
ロボットの筐体改善では、私たちが扱う樹脂部品の知識が非常に活かせました。ロボットが長い間使われると、樹脂の部品が壊れることがあります。実際に壊れた筐体を分解し、その場で改善提案を行いました。また、コンピュータシミュレーションを何度も行い、技術者に筐体設計の提案することもできました。このような活動実績から、自社で経験を積んだビジネス解析のスキルや樹脂に関する知見が活かせたと感じています。協力してくれたメンバーに感謝しています。
一方、利用者目線でのサービス設計では、未体験の領域でしたが、ロボットを実際に使う父親の視点からロボットの活用ストーリーを考えることができました。活かせた事は、仮設を立て、解析し、提案できることを考える一連の流れです。世の中に対して提案していくという視点が活かされたと感じています。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

困ったことは、時間の捻出でした。仕事やコミュニケーション、新しいツールの使い方など、いろいろとありましたが、最終的には時間を作ることが一番の課題でした。平日は帰宅後に仕事を行い、休日は留学先の仕事をするようにしました。しかし、朝と夜、そして休日は家事や育児もあり、時間を作ることが本当に大変でした。これを乗り越えるためには、妻の理解が必要でした。妻には、私が複業留学にチャレンジする背景・目的などを説明し、理解し協力してもらいました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

留学先の皆さんが 自社サービスや自社の強み、弱みを強く語れるところに驚きました。語れる理由は、彼らが自社のサービスを世の中にリリースしたいという強い思いを持っているからだと思います。また、メディア・報道陣へ自社サービスをプレゼンする場に参加した際にも、彼らは「我々だからこそできること」を強調しており、勉強になりました。私たちがお客さんに対してアピールするときは、「こんな解析もできます」という能力やスキルを強調することが多いのですが、留学先では「我々だからこそできること」を強調しており、そのアピールの仕方が、我々との違いだと感じました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。

複業留学を通じて、自分が何をしたいのかを考えるようになりました。留学先の皆さんが社会の課題を解決したいという強い思いを持っていて、それが活動の原動力になっていることに感銘を受けました。その結果、自分も 何をしたいのか、何ができるのかという視点で物事を考えるようになりました。また、自分が何をしたいだけではなく、他人から何か依頼されたときに、主体的にどう対応できるかということも考えるようになりました。これは、留学先の皆さんが「我々だからこそできること」を強調していた影響だと思います。
周りの人への影響としては、複業留学をするという話をしたときに、「何をしているのか」「どんな内容なのか」といった質問を受けるなど、今まで話さなかったことが話題になり、新たなコミュニケーションが生まれたところがありました。また、私が育児の支援サービスを展開しているロボット会社に行くという意外性に、周りの人たちは驚いていました。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

新しいことを始めるときは、一人ではなく、同じ状況の人たちと一緒に取り組むことで、心に余裕が生まれると感じました。複業留学中に同期で集まって話す会があり、そこで皆が同じように苦労していることを知ると、一人で抱えている不安が少し軽減されました。複業留学では、自分のスキルやビジネス資本が通用するのかということが問われます。その中で、自分のスキルが通用するのかという不安がありましたが、他の参加者も同じように苦労していることを知り、自分だけが何もできないわけではないという安心感を得ることができました。
また、自分が何もできないと感じていた時期は、実は新しいことを成し始めている時だったと気づきました。同じ悩みを抱えている人たちと一緒にいることで、心に余裕が生まれ、視点や価値観が少しずつ変わっていくことを実感しました。この三ヶ月間での変化は、自分自身の成長につながったと感じています。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

まずは評価として良い成績をいただけたことに感謝の気持ちが大きいです。それが自分自身にとって、 自信につながりました。特に、数字として具体的に評価されることで、自分のスキルがある程度は通用するのではないかと思えました。自信というのは、ぼんやりとしたものではなく、具体的な数字として示されることでより具体的に感じられるものだと思います。今回、その数字としての自信を得ることができたのは大きな収穫でした。
また、 自分が普段から当たり前にやっていた情報の整理や要約、そしてそれを資料に落とし込むという作業が高く評価されたことも、自分の強みとして改めて認識することができました

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

私は複業留学で得た経験を活かすために、まず自分の強みを語ることが重要だと感じました。留学先では、皆さんが自分の強みを明確に語れることに驚き、それに加えて、他社との違いも明確に語れるところに大きな刺激を受けました。これを活かすためには、我々もお客様に対して、自社の強みや他社との違いを自信を持ってアピールすることが必要だと思いました。そのアピール方法を工夫し、事業に貢献するために周知していくことが大切だと考えています。現在関わっている業務を起点に、自社全体のプロモーションやアピールに繋げていきたいと思います。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

私が他のメンバーに声をかけるとしたら、「行くと決めた時から、もう成長が始まってるぞ」と伝えたいと思います。一歩踏み出すことは勇気がいることですが、その一歩を踏み出した瞬間からすでに成長が始まっていると思います。実際に、複業留学がスタートする前の準備段階においても、ワークショップや留学生同士のミートアップを行うことで、新たな情報を得たり、自分自身を見つめ直したり、整理する機会が多くありました。
複業留学は、学びたいという意欲があれば、誰でも成長できる場だと思います。だからこそ、メンバーには「行くと決めた時から、もう成長が始まってるよ」と伝え、その一歩を踏み出す勇気を持つことを勧めたいと思います。

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