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越境サーキット課題提示企業インタビュー「林業と他業種の掛け算:越境サーキットから生まれるシナジー」

エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。森庄銘木産業株式会社 森本様に、越境サーキットで課題提示していただいた内容についてインタビューいたしました。

課題提示企業:
森庄銘木産業株式会社 取締役専務 森本 達郎 様
参加企業:株式会社アイシン、株式会社アドバンテッジリスクマネジメント、株式会社オリエントコーポレーション、東北電力株式会社、能美防災株式会社、生活協同組合パルシステム神奈川  他
年齢層:20代から50代、31名
プロジェクト:2023年度第6ターム(12/1〜2/23)

森庄銘木産業株式会社(http://www.morisho-meiboku.co.jp/)は、創業1927年、奈良奥大和を拠点に活動する林業家林業だけでなく、商品開発・販売や学生向けの教育プログラムなどを実施中です。

──越境サーキットの課題提示を決めた理由を教えてください。

私たちの事業は、林業から始まり、森と暮らしを繋げることを目指しています。その過程で、社内で新しいアイデアを練るタイミングがありましたが、自社のリソースには限りがあると感じました。そこで、 外部の視点を取り入れることができる越境サーキットに魅力を感じました
提示した課題はざっくりとしたものでしたが、それが新しい視点をもたらすきっかけになると考えました。
外部の異業種の方々に森との掛け算を考えていただき、その結果どのようなアイデアが生まれ、それが具体的に実現可能なものなのかを全く予測できない状態でした。しかし、その未知の可能性に対するワクワク感が大きく、それが越境サーキットへの参加を決める大きな要因となりました。もちろん、不安もありましたが、以前に複業留学(https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku)で大手企業の人材を三か月間受け入れた経験があり、その経験から一定のイメージを持つことができました。
また、 越境サーキットに参加している企業は、それぞれ異なるカラーを持っていて、その中で新たな視点を得られるという期待感が大きかったです。

──課題について教えてください。

私たちが提示した課題は、大まかに言うと、林業と他の要素との掛け算を考えていただくというものでした。
私たちの事業は多角化しており、その中で現在取り組んでいることをまとめ、それを基に新たなアイデアを考えていただくという内容でした。しかし、林業の世界は奥深く、越境サーキット参加者の皆さんにとってはどこから手をつけていいのか分からないという状況もあったと思いますが、林業に関わる人間として、その深さを伝えることも含めて課題を提示しました。
参加者の皆さんからは多くの質問が寄せられ、途中でミーティングの時間を設けるなどして議論を深めていきました。その結果、私自身の心境も変化し、林業という一次産業に関わりつつ、最終製品までを手がけるメーカーとしての言葉遣いや伝え方について改めて考える機会となりました。
また、この期間に偶然にも東京ビッグサイトでの展示会に出展する機会があり、そこでの経験も課題解決に役立ちました。参加者の皆様にも訪問頂き対面での交流が叶い、展示会での経験を通じて、競合が多い中でどのようにプロダクトを消費者に伝えるかという視点を持つことができました。
このように、課題を提示する私たちにとっても参加者の皆さんにとっても、この越境サーキットは大きな学びの時間となりました。参加者の皆さんの熱量と私たちの熱量がぶつかり合い、新たなシナジーが生まれたと感じています。

──課題を検討いただく際、工夫された点について教えてください。

林業については、普段関わる機会のない方々に取り組んでいただくことになるため、身近に感じていただけるように工夫しました。具体的には、 資料を作成したり、過去の実績を示したりして、森を身近に感じていただけるようにしました。また、 展示会にお招きするなど、新たな機会を積極的に作り出すことにも努めました。これらの工夫を通じて、参加者の皆さんに林業について深く考えていただくことを目指しました。

──最終プレゼンテーションを受けて、特に印象に残ったものや、実際に取り入れたいと思ったものはありますか

特に印象に残った点として、地方銀行との提携の提案が実際のビジネスとして非常に魅力的で、すぐに取り組みたいと感じました。早速、銀行へ足を運びましたが、先方の反応は必ずしも良いものではありませんでした。はっきりとした原因は分かりませんが、私がまだ社長でないことや、取り組む奥行き感がうまく伝わっていないことが原因だと思われます。引き続き、地方銀行ジュニアクラブなどの会合に積極的に参加し、既存のつながりを活用しつつ、新たな掛け算を作り出すことができればと思います。また、資料作成については、各チームが作成した現在地スライドが非常に面白く、それは私の会社説明のスライドにも反映されていくと思います。

──最後に、越境サーキットで課題提示を検討している企業へのメッセージをお願いします。

一次産業の立場から課題提示を行い、業界全体の問題として考えていただき、それをどう解決するかという視点で3ヶ月間一緒に取り組んでいただきました。この経験は、次期経営者として、頭の整理に役立ちましたし、副業兼業が当たり前になっている現代において、田舎で商売しているとなかなか得られない視点を得ることができました。
これからサービスを利用しようと考えている方々、特に私たちのような後継者世代にとって、このプログラムは本当に勉強になると思います。
参加者の方には少しハードワークになるかもしれませんが、このような機会はそうそうないと思います。自社の戦略を考えるための情報収集や勉強の場として、また、業界外の人々から生の声を聞く貴重な機会として、越境サーキットは非常に有益だと思います。すでにサービスがあり、それを伸ばしていくための意見を聞くのも良いですが、特に私たちのような田舎の会社にとっては、人との接点が少ない中でこのような取り組みができることは大きな利点だと感じています。

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