エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいたSMBCコンシューマーファイナンス株式会社 平田様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
私の仕事内容は、コールセンター業務です。具体的には、お客様からの問い合わせに対応することが主な業務です。また、当社の契約額や利息利率について、可能な範囲で調整ができる場合には、当社からお客様にご連絡し、必要な収入証明書類などの案内を行います。12月からは、業務内容が少し変わりました。以前は、無人契約期の自動契約コーナーに来ていただいた方や、インターネットで申し込みいただいた方の新規申し込みサポートを行っていましたが12月からは契約済みの既存のお客様に対するアプローチに業務が変わりました。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
私は知的好奇心が高く、新しい経験を追求する性格なので、複業留学に興味を持ちました。会社の公募型スキル修得プログラム一覧を見た際、複業留学が一番に目に留まりました。その理由は、期間が長く、多くのことを学べると感じたからです。他の研修は一日単位や一泊二日など、期間が短いものが多かったのに対し、複業留学は群を抜いて期間が長かったのです。その魅力に惹かれ、他社での仕事体験だけでなく、三ヶ月間しっかりと他の場所で自ら学びを得る機会は貴重だと感じ、参加を決めました。
当初は三ヶ月間なら問題ないと思っていましたが、実際にはそれが意外と長く感じました。活動時間は週に一日、5時間程度だったので、もし活動時間がもう少し長かったら、さらに多くのことに挑戦できたかもしれません。しかし、この三ヶ月間でしっかりと学べたと感じています。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先での活動内容は、主に人材の育成に関するものでした。具体的には、留学先の代表二名と全員が大学のインターン生という組織で、そのインターン生がモチベーション高く業務に取り組めるよう、チームでの育成の取り組みやモチベーション向上のためのイベント作りを行っていました。
私がこれまでに経験してきたスキルや能力が活かせたところとしては、まず大学の頃から多くの発表経験があり、大人数の場での経験が豊富だったため、新しい場所に飛び込むということに対しては抵抗がなく、すぐに打ち解けることができました。また、入社二年目の時にコーチの業務を担当していた経験もあり、人に教えるということに関してのスキルや教え方、伝え方なども活かせたと思います。
今回の活動では、専門的な知識だけでなく、人事やモチベーションアップといった、どの業種にも使えるような汎用性のある知識を新たに蓄えて教えるという経験もできました。これまでの経験を活かしつつ、新たな知識を蓄えることができたのは大変有意義でした。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
複業留学開始前に行った留学先の選定や、複業留学開始前の留学先とのミッションのすり合わせなどには不安を感じていました。自分自身でどう進めていけばいいのか、という不安がありましたが、稼働を始めてからは連絡が取り合える環境になったので、その不安は複業留学が開始したことで解消しました。
また、本業と複業留学を両立しながら仕事を進めていく上での時間配分も大変でした。特に12月は異動もあり、複業留学で新しいことを学びながら、本業でも新しいインプットが多い時期だったので、どちらもパフォーマンスを高く維持するためにはメリハリをつけて進める必要がありました。そのため、本業で仕事をしている時には留学先のことを考えず、逆に複業留学で仕事をしている時には本業のことは考えないようにしました。さらに、月ごとに目標を立てて、その進捗を見ながら取り組んでいました。そのため、本業のパフォーマンスを落とさずに複業留学にも取り組むことができました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたことは、やはりスピード感です。大手企業の場合、何をするにも印鑑が必要だったり、書類の記載が必要だったり、許可が必要だったりと、何かしらの準備が必ず必要になります。しかし、留学先ではオフィスに全社員が集まっていて、 何か決めるとなるとすぐに口頭で会議が始まり、物事が次々と決まっていきます。そのスピード感は今まで経験したことがなく、大手企業では味わえないものだと感じました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
私は以前から新しいことに積極的に取り組むタイプでしたが、複業留学を通じてさらにその姿勢が強まったと感じています。留学先でも 新しい仕事が次々と割り振られ、新しいことに対する恐怖心がなくなったと思います。
周りの人への影響については、自分が複業留学を行っていることをグループのメンバーにメールで共有したところ、興味を持ってくれた人が多かったです。複業留学について知らなかった人たちにもその存在を知ってもらうことができ、自己啓発に対する意欲を底上げできたと感じています。 また、私自身が表彰されたオンライン学習サービス「Udemy」も利用しており、その取り組みを通じて周りの人々の自己啓発に対する意識の底上げにつながったと思います。
新しいことに挑戦することで、特に、同じ業務を繰り返していてフラストレーションを感じていた若手社員からは、新鮮な視線で見られ、新しいことに挑戦したいという気持ちを引き出すことができたと思います。私自身も、同じ業務を続ける中で新しいことに取り組みたいという気持ちが強くなり、それが複業留学を選ぶきっかけの一つとなりました。これからも、自分ができることを広げていき、どの場所でも必要とされる人材になれるよう努力していきたいと思っています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の一人が動画編集という全く違うジャンルで取り組んでいたのが印象的でした。私自身は人材育成の面である程度の経験があったので、取り組みやすかったのですが、同期は新しい知識を蓄えて取り組んでいました。中間報告会の時に同期から時間管理が難しいという話を聞き、時間管理の重要性を改めて認識しました。難しい状況でも頑張って取り組んでいる様子を見て、自分も新しいことに挑戦しようという気持ちになりました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
自分自身がうまくやれているかどうかについては結構心配していましたので、評価をいただいて大変嬉しく思いました。特に、話した内容をすぐに理解してくれるという強みを指摘していただいたことが印象的でした。その点については、以前から他人からよく言われていたことでした。前の部署でも、今の部署でも、「飲み込みが早い」という評価をよくいただいていました。しかし、それを自分の強みとして意識したことはありませんでした。
今回の評価を受けて、 自分の「飲み込みが早い」という特性を強みとして位置づけ、これからも活かしていこうと思いました。思ってもいなかったような評価をいただけて、とても嬉しく思っています。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
複業留学を通じて、新しいことにチャレンジする壁がなくなったと感じています。具体的に何に挑戦するかはまだ分からないですが、ただ、長い目で見て、5年後などに部署異動があったときに、新しいことを積極的に発信し、新しい制度などを提案できる人材になれたらと思います。部署異動など、一見ネガティブに捉えられがちなことにも、新しいチャレンジとして前向きに取り組んでいきたいです。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
複業留学は3ヶ月という期間が必要ですが、それに見合う覚悟が求められます。しかし、楽しみながら取り組むことができるので、ぜひ挑戦してみてください。新しい環境を存分に楽しむことを願っています。
何かわからないことがあれば、いつでも私に連絡してください。何でもお答えします。同じ会社の方が複業留学に参加する場合、私が全力でサポートします。迷っている方には、「迷うくらいなら始めてみる」ことをお勧めします。
3ヶ月は長いようで短い期間です。悩むくらいなら、若いうちに一度体験してみることをお勧めします。特に、今後転職などで小さい会社に行く機会が少ない方には、このような経験は非常に価値があると思います。