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越境サーキット参加者インタビュー「異業種交流から得た新たな視野」 

エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。 株式会社PFU 谷崎 裕紀様に、越境サーキットにご参加いただいた内容についてインタビューいたしました。 

課題提示企業: ノバルス株式会社 ​代表取締役 岡部 顕宏​ 様 
参加企業:​あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、沖電気工業株式会社、東北電力株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、能美防災株式会社 他​ 
年齢層:20代-50代、16名 
プロジェクト:2023年度 第5ターム(11/1〜1/31) 

──「越境サーキット」に参加した動機や目的は何でしたか? 

私は新規事業創出のプロジェクトに約3年間関与してきました。しかし、自社の知識やノウハウ、社内のメンバーとの交流だけでは、新たな視点での提案が難しいと感じていました。また、自社の枠組みに縛られたアイディアしか思い浮かばないという課題もありました。 
そこで、「越境サーキット」に参加することで、異業種の方々とのディスカッションを通じて新たな視点や知識を得られると考え、参加を決めました。また、社外のビジネスパートナーや企業との交流は、自身の成長につながると感じたことも参加を決めた理由の一つです。 

──プログラムを通じて得た最も価値のある学びや経験は何でしたか? 

私が最も感じたのは、 マネタイズや収益性を成立させる視点を学べたことです。 課題の捉え方や切り口、アイディアなど、自分の弱点を補うことができたと思います。 
私は新規事業の開発に関与してきましたが、特にソフトウェアの技術面に重点を置いていたため、ビジネスモデルについては詳しくありませんでした。また、自社のモデルケースしか知らないという状況でした。しかし、このプログラムを通じて、チームメンバーとのディスカッションや意見交換、議論を通じて新たな知識を深めることができました。自分の知識と他者の知識を組み合わせて新しいアイディアを生み出すことができたのは、非常に価値ある経験だと感じています。 

──活動中の学びを実務に応用したり、行動変容につながった経験はありますか? 

はい、実際に行動に変化が見られました。私は新しい価値を提案する際、本来は技術とビジネスの両方から考えるべきなのですが、以前は技術寄りの提案が多かったと思います。しかし、越境サーキットの経験を経て、ターゲットや市場、狙うべきポイント、ビジネスモデル、収益性など、 全体像を描く考え方が身につきました。 
また、周囲のメンバーや同僚に対しても、このような 考え方をフィードバックすることができるようになりました。周囲からは直接的な意見はあまり聞かれませんが、フィードバックを通じて次のステップに進むことができたり、ピボットの精度が上がったりといったプロセスの改善が見られていました。 

──チームでの課題解決活動の中で、特に印象に残ったエピソードはありますか? 

はい、いくつかありますが、最も悩んだ点は課題提示企業が解決したい課題が何なのかを見つけることでした。
初めて課題提示を受けたとき、製品力が弱いのか、営業力が足りないのかといった観点で考えていましたが、真の課題を見つけるのが難しかったです。しかし、チームで深く議論を重ねる中で、製品の付加価値は十分であり、真の課題は自治体向けの攻略、つまり、どうやって主要ターゲットにアプローチを加速できるか、という点であると気づきました。私がファシリテートを担当していたので、この部分を深く議論し、詰めていく過程が印象深かったです。課題設定の見直しや深堀りを経て、課題提示企業が求めているものと本当にマッチしているかを確認する作業は大変でしたが、これが最も価値ある経験だったと思います。 
異業種の集まりだったこともあり、課題の切り口が違うため発散する方向が求められる場合は良いのですが、収束に向かわないときは難しく感じました。そのモヤモヤ感を皆さんと共有できたのも、大きな学びとなりました。 

──プログラムを通じて自己理解を深めることができたと思いますか?具体的にどのような自己理解が得られましたか? 

自分の強みを再確認し、弱点も見つけることができました。私は、さまざまな人の意見を中立的に聞き入れ、調和を図りながら一つのアイディアを導くことが得意であると自覚しています。このプログラムを通じて、その能力が議論の方向性を決めたり、ファシリテーションやスケジューリングを行ったりする際に活かされたことを実感しました。これは自分の強みを再確認したと感じています。 
一方で、弱点も見つけることができました。それは、課題提示企業が想定しているエンドユーザーの環境を実際に見て、聞いて理解するという「現場を知る」という視点が足りなかったと感じています。これは、最終発表で優勝したチームが、実際に現場に足を運んで課題を把握していたことを聞いたことで気づきました。私たちのチームは机上で考えがちだったので、現場に足を運んで調査することの重要性を改めて感じました。これは、今後の課題として捉えています。新しいことを始める上で、現場を知ることは絶対に必要だと感じました。 

──このプログラムを経験したことで、自分のキャリア観や価値観に何か変化はありましたか? 

自社内だけでなく、他社のフレームワークや市場、考え方などを知ることができたことが大きな変化につながりました。新しいことを始める際に自社のリソースだけでなく、他社の知識や経験を引き出しに持っていく力が増えたと感じています。 
今後のキャリアについて考えると、新規事業に何度も挑戦することになると思います。その中で、自分や自社だけでは解決できなかった課題を、他社や他業種の仲間、学んだ考え方を応用することが、課題解決の一つの武器になると感じました。 
また、他社との議論やすり合わせを通じて、より広範な視野を持つことができました。これは、新規事業創出の部分で非常に重要な要素であり、これを強みとして活かしていきたいと思っています。 

──異業種、違う会社の方々と交流するメリットを教えていただけますか? 

異業種の会社の方々と交流することで、 自分の常識や視点が絶対ではないことを認識することができます。自社で通用することが他社では通用しないかもしれないということを理解することは、自社のビジネスを他業種で展開する際に非常に重要です。自分の視点に固執すると、判断を誤ったり、タイミングを逃したりする可能性があると感じています。そのため、社内から一歩離れて視野を広げ、全体を俯瞰することが大切だと思いました。 

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