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複業留学受入企業インタビュー「複業留学で得た新たな視点と企業の進化」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
株式会社Ling 倉本圭太様に複業留学の受入企業として取り組んでいただいた内容についてインタビューしました。

─まず、企業の概要について教えていただけますか?

私たちの会社は、主に人材派遣や委託業務などの人材サービス業を専門としています。2012年の創業以来、現在は13年目を迎えております。まだまだ成長途中であり、今後も人材サービス業を中心に事業を拡大していく所存ですが、新しい事業や人材開発の仕組みなど変革が求められている時期でもあり、色々とチャレンジをしているところです。

─複業留学の受け入れを決めた理由を教えてください。

初めてWeb検索で複業留学という研修サービスを見つけたとき、そのコンセプトが私たちの事業である人材サービスと、現在の日本で高まっている人材の流動性というトレンドと非常にマッチしていると感じました。特に、大企業で副業が解禁されてきた現状を考えると、このサービスはまさに時代のニーズを捉えていると思いました。
また、私たちは現在13年目を迎えており、これからも更なる発展を目指す企業です。そのためには、人材育成や業務体制の整備など、まだまだ改善しなければならない点が多々あります。そんな中で、他企業の人材を迎え入れることで、新たな視点やスキルを取り入れ、業務体制の整備や人材育成に良い影響を与えることができると考えました。これが、私たちが複業留学の受入れを決めた最大の理由です。
私たちの事業と、人材を最大限に活用するというこのサービスのコンセプトは、非常に親和性が高いと感じています。

──複業留学期間中、留学生はどのような稼働をされていましたか?

今回の留学生は、期間を二つに分けて異なる業務に取り組んでいただきました。
前半は、私たちの人材派遣サービスのクライアントとなる可能性のある企業への営業業務を担当し、後半は派遣人材の採用業務、特に中途採用業務を担当していただきました。
今回は初めての受入れということもあり、 留学生自身のみならず、私たちも他社の働き方を体験することで、新たな視点を得ることを目指しました。これは、人材育成にも繋がる気づきを得るための実験的な試みでもありました。今後もし機会があれば、一つの業務に集中して取り組んでいただくことも考えています。

──実際に受け入れてみて、いかがでしたか?

今回受入れた留学生は新任マネージャークラスの人材で、期待値は高かったのですが、その期待を見事に満たしてくれました。彼の学習能力の高さと、すぐに職場に馴染んでくれたことは非常に印象的でした。彼の業務への取り組み方や考え方を見て、私たちの社員も多くを学ぶことができたと感じています。具体的には、前半のクライアント営業業務では、既存の手法を理解した上で、改善点を指摘し、新しいアイデアを提案してくれました。後半の中途採用業務では、すぐに業務に馴染んでくれました。
また、彼が社内のコミュニケーションにも積極的に参加してくれたことが印象的でした。例えば、社内でゴミの匂いが気になるという話が出たとき、彼は自社の消臭スプレーを持ってきてくれたり、その問題解決についてアドバイスをくれたりしました。そのような 一歩踏み込んだコミュニケーションが、社員にとっても大きな学びとなりました
全体的に、期待通りの効果が得られたと感じています。留学生の業務への取り組み姿勢や考え方を見ることで、私たちの社員も多くを学ぶことができたと思います。

──苦労した点について教えてください。

今回受け入れた留学生は非常に優秀で、コミュニケーション力が高く、業務内容にもすぐに適応してくれました。そのため、彼の業務遂行に関してはほぼ自立していて、特に苦労した点はありませんでした。ただし、一つだけ挙げるとすれば、 採用業務における時間の制約と調整が難しかった点です。中途採用の場合、相手ありきであるため、複業留学の時間的制約と面談の予定が合わないことや、求職者がキャンセルをしてしまうことがしばしばありました。留学生の活動日に合わせた面談がキャンセルになってしまったときは、面談ができないという状況が生じ、経験値を得られるような機会を最大化できなかったと感じています。これが私たちが苦労した点だと思います。
また、我々の業界ではキャンセルが頻繁に起こることがあり、他業界の方が来られたりすると驚かれることがありますが、そういった困難な状況でも、短期的に気合を入れて取り組んで頂くことができたと思います。

──留学生の変化について気づいたことを教えてください。

留学生が我々の企業で働く中で、彼自身が本業との比較を意識的にも無意識的にも行っていたと思います。我々の会社は平均年齢が比較的若く、20代後半であり、留学生の本業の企業は年齢層が少し高いという違いがありました。その違いから比較が生まれ、留学生は我々のコミュニケーションの多さやチームの連帯感を注目し、自社の弱点として認識しました。初めは異業種の営業を体験し、スキルを伸ばすことをテーマにしていましたが、留学先で気づいた自社の課題や留学先の意見を持ち帰るという大きなテーマに切り替わりました。これが留学生の大きな変化だと思います。
また、最終報告会の場でもその変化が見受けられ、我々としても受入れて良かったと感じています。留学生が我々から学びを得るだけでなく、我々も留学生から学ぶことができ、お互いに効果があったと思います。また、我々の中でも 優秀な新任のマネージャークラスの方を迎え入れることで、他社の優秀な人材がどのように考え、仕組み化や工夫をするのかという気づきを得ることができました。これにより、関わったメンバーも変化を遂げることができました

──最後に、複業留学の受入を検討している企業へのメッセージをお願いします。

まず、複業留学生の受入れテーマ選定や、限られた時間での成果測定など、事前準備や運用には一定の労力が必要だということを理解しておくことです。しかし、その労力をかけるだけの価値は確実にあります。私自身、複業留学の運用は楽しいと感じていますが、人によっては大変だと感じる場面もあるかもしれません。しかし、その一方で、複業留学の仕組みは非常に面白く、自社に新たな変化をもたらす可能性を秘めています。例えば、異業種の人材を採用することで、自社の人材育成に新たな視点をもたらすことができます。また、中長期的な変革を目指す場合にも、複業留学は短期的に効果を発揮する仕組みとして活用できます。
私の経験から言えることは、複業留学は一度、気軽に試してみる価値があるということです。もちろん、他社の人材を預かるというのは一定の責任が伴いますが、その過程でお互いに新たな発見があることでしょう。そういった意味でも、複業留学を一度試してみることをおすすめします。

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