エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいたNTTコミュニケーションズ株式会社横溝様に、複業留学についてインタビューいたしました。
受入企業
株式会社OVER20&Company.
https://www.over20-company.com
──本業での仕事内容を教えてください。
今年の4月から、NTTドコモからNTTコミュニケーションズに出向し、業務が大きく変わりました。現在は法人企業向けに、モジュールと呼ばれる自動販売機等に組み込まれる小型の無線データ通信機器等の調達や物流を行うチームで働いています。
着任当初よりシステム開発に関わり、途中からチーム全体を統括する役割や事業計画の立案など、より広い視野で業務を進めています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
これまで私はスマートフォンといった製品の開発や研究開発部門で未来の技術を商品化する取り組みを行ってきました。技術畑での経験を蓄積してきましたが、ここ2~3年は、社内のサークルで女性社員向けに一歩踏み出すきっかけを作る活動を行い、社外ではプロボノとして女子中高生のアプリ開発のビジネスメンターを経験し、彼女たちがどのようにビジネスプランを描き、アプリを開発していくのかを応援しながらマネジメントを行ったりしています。
こうした人をエンパワーメントする活動を通じて、人が生き生きと働き、やりたいことを進めていくための支援が重要だと感じました。特に、自分と近い世代や次世代の人々がより良く生きていくためにはどうすればよいのかという人材開発に興味を持つようになりました。 そのため、実際に事業を行っている企業を留学先に決めました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先では、まず事業全体を把握し、その事業の拡大に向けていくつか提案を行いました。
また、20代の大学生や社会人の学生たちを支援する活動にも参加し、イベントの企画や運営に携わることができました。 私のこれまでの経験やスキルが特に活かされたのは、プロジェクト管理の部分です。
イベントには明確な期限があり、何をいつまでに行うかが明確に設定されていたため、やるべきことをしっかりと管理する必要がありました。
また、他のメンバーと協力しながら実行していくため、柔軟性や協調性も求められました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
複業留学先で困ったことは、人材開発に関する事業のアウトプットが、私がこれまで従事してきたような具体的な商品や成果物ではないため最初は見えづらかったことです。
事業内容を説明いただいた際、言葉としては理解できても、実際にどういう形で成果が現れるのか、私の中で真の理解には至れていないと感じました。この課題を乗り越えるために、まずは積極的に質問を重ねて理解を深める努力をしました。
さらに、留学先より手を差し伸べていただき、実際にその事業活動で入口となっている面談を経験し、具体的な活動や成果を体感することができたことで、「なるほど、こういうことか」と腹落ちする瞬間がありました。人材開発の成果は目に見えにくいものですが、直接関わることでその魅力や影響を実感することができました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
留学先では、前向きな議論が闊達に行われていることに感銘を受けました。
問題点を指摘するのではなく、どうすれば前に進むことができるのか、具体的な提案をし合う姿勢がとても印象的でした。自分の意見を出す際も、ネガティブな要素を持ち出すのではなく、建設的な方向に進むための考え方が共有されていました。
また、アクションスピードが非常に速く、自己のスピード感も全く違う印象を受けました。人手が足りない場合には、エニー生から手を挙げてもらうなど、人材の活用方法も非常に積極的で、組織全体が上手に機能していると感じました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
複業留学を経て、私自身の特性理解が大きく進展しました。以前は「ここが自分の特徴かもしれない」と漠然と思っていたことが、実際の経験を通じて「これが自分の特性だ」と確信を持てるようになりました。
また、会社においてもその特性が求められていることを実感し、自分をより発揮できるようになったと感じています。この変化によって、自分の感情に素直になり、それが行動に結びつくようになりました。
自分の理解が深まったことで、周りの人への接し方も変わり、良いところをしっかり伝えるように心がけるようになりました。「その素晴らしいところをもっと活かしていこう」といったフィードバックを意識的に行うようになりましたし、チームマネジメントでも各自の特性を活かすためにも積極的に意見を聞くようになりました。
複業留学を通じて、部門長やチームを超えた社員も呼んでエンゲージメントカードという自己や他社の価値観理解を探るゲームで楽しむ機会も作りました。これにより、自分だけでなく周りの人も巻き込みながら、組織全体を動かしていきたいという意欲が高まりました。
周りの方からの反響もあり、「やって良かった」との声をいただきました。カードを使った活動が好評で、他の部門でも取り入れたいという意見が出てきたことは、私にとって大きな成果です。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期との関わりは非常に刺激的でした。レポートの進捗については、個別に深く掘り下げていない部分もありましたが、ちらほらと情報を共有し合っていました。各自が異なるミッションに取り組んでいる中で、それぞれが挑戦し、なんとかやりきろうとしている姿を見て、私も励まされました。特に、業務で得意な部分を活かしている同期や、全く異なる本業から新たな挑戦に飛び込んでいる同期の姿を見て、同期が頑張っている様子は私にとって大きな刺激となりました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
第三者からの評価を受けて、非常に嬉しく思いました。特に、褒めていただくことが多く、自信がついてきました。自分の強みや特性を認識し、それをさらに磨いていくべきだという背中を押してもらったように感じています。利害関係がない分、率直に意見を言ってくださるため、より重みがあり、その言葉には説得力があります。自分が「人を助けたい」とか「その特性を活かしたい」といった気持ちを持っていることを再確認でき、自信がさらに高まりました。
ただ、キャリアアップには「自分がこうしたい」という発信力も必要だと感じています。自信を持てないままではダメだということを痛感し、「言葉の力を発揮してほしい」という言葉が心に響きました。これからは、その発信力を身につけていきたいと思っています。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
今後も引き続き、社内外で人をエンパワーメントする活動をしていきたいと考えています。社内では、自分ができる活動をどんどん進めていき、周りの人も巻き込むような取り組みも行いたいと思っています。
来年度の上期から新たに社内のダブルワークとして、社員の研修企画・実行するプロジェクトに参加することになりました。最初は若年層のキャリア理解を図る内容で、。この経験を通じて、私が学んだことを自社の社員に還元し、彼らの特性や強みを理解してもらう手助けをしたいと考えています。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
私は「絶対にやるがいい!」と伝えたいです。
複業留学は、社外に出る貴重な機会であり、非常に有意義な経験になると思います。異なる業種や仕事を経験することで、自分の視野が広がりますし、自社以外の活動を経験したい方のみでなく、自身のキャリア業に迷っている方も、一度外に出てみることで新たな気づきを得られるはずです。実際に、外部からの率直なフィードバックや評価を受けることで、自分自身の理解が深まります。目に見える形での振り返りや評価を通じて、自分の特性や強みを再確認できる機会が得られるので、ぜひ挑戦してみてほしいです。やる価値は間違いなくあります。