エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション山鹿様に、複業留学についてインタビューいたしました。
受入企業
株式会社シンカゼ
https://shinkaze.jp
──本業での仕事内容を教えてください。
現在、経営企画部のサステナビリティ推進室に所属しています。当社はサステナビリティを経営の軸として位置づけ、当室では様々な取り組みを行っています。具体的には、サステナビリティ経営のサポート、サステナビリティに関する情報発信を通じた企業価値の向上、地域社会への貢献を通じた社会課題の解決に注力しています。地域連携の強化では、地域の各自治体が抱える課題に対して、当社のリソースを活用し、どのように貢献できるかを考え、一緒に課題解決に取り組むことが主な業務です。
また、ESG(環境・社会・ガバナンス)とCDP(Carbon Disclosure Project)への対応も重要な業務の一環です。ESGに関しては、評価機関からのスコア向上を目指し、当社の取り組みを推進し、透明性を持って情報を開示することに力を入れています。
CDPは気候変動などの環境に関する評価を行うもので、金融業界においても環境への配慮が求められています。そのため、CDPへの回答を通じてスコア向上を目指し、関連部門と連携しながら環境への取り組みを進めています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
私は2014年に入社して以来、約10年が経過しました。この間、大きな異動は一度だけで、さまざまな部署で幅広い経験を積むことができていませんでした。
今後のキャリアを考える中で、さまざまな経験を積むことが重要だと感じ、今回の複業留学に挑戦しようと思いました。
また、周囲には複業留学を経験している方が多く、複業留学経験者の話を聞く中で、楽しみながら成長につながる経験をしている印象を受けました。私もぜひそのような経験をしてみたいと思ったのが、もう一つの理由です。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
主に二つの業務に取り組みました。
まず一つ目は、留学先の既存事業における販路拡大の検討です。 留学先は地方創生を目的とし、人材不足の解決に向けて副業や兼業を活用するプラットフォームを運営しています。各自治体が抱える人材不足の課題解決に向けて、課題の調査、支援を行うための提案資料の作成や、自治体への提案拡大の推進を行いました。
二つ目は、新規事業のサポートです。こちらについては詳細をお伝えできないのですが、私たちオリコとしても参加する意義があると感じましたので、実際に参画することを視野に入れ、関係者との調整を行いました。
活かせたスキルやノウハウに関しては、地域連携の強化は現在の業務でも行っているため、今までの経験が非常に役立ちました。既存の自治体様との関係を活かし、課題のヒアリングもスムーズに行うことができました。
また、新たに自治体をゼロから探すのではなく、これまでの連携の実績を基に、人材不足解決に向けた提案を組み入れることができました。
これにより、既存の自治体様とのやり取りをより深めることができ、より幅広い経験を積むことができたと思います。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
やはり本業との両立が一番の課題でした。
乗り越え方としては、最初は戸惑いがありましたが、チームの協力が大いに助けになりました。留学先の仕事を行う日は集中して時間を確保し、各業務を進める中で、現在の地域連携の取り組みとも並行して行うことができるようになりました。
徐々に、本業の業務と留学先の業務をマッチングさせることができるようになり、時間の使い方も上手くなってきたと感じています。
留学先の一員として活動しながら、地域の課題解決に取り組むという考えは共通していたので、並行して進めることができました。ただ、副業の位置づけが難しくなることもあり、その点は少し苦労した部分だと思います。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
やはりスピード感とコミュニケーションの取り方に驚きました。多様なツールを使っているため、いつでも簡単にコミュニケーションを取ることができる点が印象的でした。
また、一つ一つの業務のスピード感も異なります。資料作成や自治体への提案において、通常自治体の案件は三、四ヶ月かかることも多いのですが、留学先は自治体の背中を押しながら、時にはリーダーシップを発揮して進めていくことが大切だとおっしゃっていました。
このようなスピード感は、長年地域連携を行っている留学先だからこそのアドバイスだと感じました。
私たちの会社でも、留学先の提案方法を参考に、時にはスピード感をもって推進する必要があると思っています。
自治体とのコミュニケーションを積極的に取りたいと感じている中で、新たに自治体の担当者の方も紹介していただき、コミュニティが広がりました。また、留学先をはじめ、同じ課題を解決したいという想いを持つ方々との横の連携も活発で、皆さんが高い熱量を持って前向きに取り組んでいる姿を肌で感じました。これが自分自身の仕事においても非常に重要であると改めて実感しました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
やはり「チャレンジしてみよう」という気持ちが強くなりました。以前は、失敗を恐れて不安を感じることが多かったのですが、複業留学を経験して一歩踏み出してまずやってみることが大事だと改めて感じました。チャレンジを楽しむことで、さまざまな仕事につながり、コミュニティを広げることにもつながります。複業留学を始めてからは、自分の中で「チャレンジしてみよう」という意識が強くなったと思います。
例えば、留学先に資料を提出する際も、以前はある程度固めてから出していましたが、留学先の代表の方が「ラフな感じで全然大丈夫だよ」と言っていただけたことで、案の段階でも出せるようになり、ディスカッションをしながらブラッシュアップしました。
周りへの影響は、一歩踏み出すことでコミュニティがより広がりました。サステナビリティに関しても、さまざまな分野で活動している方々ともつながることができました。
複業留学を通じて新たなつながりができ、周りの方々からもその重要性を再認識させられました。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
今回は3人の同期と一緒に取り組みました。ひとりの同期は、同じくまちづくりに関連する地域創生の会社に所属していたので、同期のレポートを拝見すると、自分が抱えている課題と重なる部分が多くありました。
同期がどのように行動し、課題を乗り越えているのかを学ぶことができ、とても勉強になりました。
また、別の同期は、林業に関連する取り組みを推進しており、当室の業務の一つに森林保全活動があるので、非常に参考になりました。
AIを上手く活用しながら企画をしている同期もおり、私自身、まだAIに関しては疎い部分があったので、同期の取り組みは全く異なる分野に挑戦されていて、刺激を受けました。留学先の代表とも友人関係を築いており、良い関係を持っていることが印象的でした。
また、同期の方々と実際に対面でコミュニケーションを取り、不安を共有しながら乗り越えることができたのも大きな支えでした。こうした関係を築けたことは非常に貴重で、今後の活動にも活かしていきたいと思います。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
まず社外の方から評価をいただく機会はこれまでなかったので、とてもありがたい体験でした。その中で、自分の強みや弱みについて、自己認識と外部からの視点が一致している部分もあり、改めて自分を見つめ直す良い機会となりました。
短期間ではありましたが、3ヶ月間、代表と一対一で業務を行い、直接いただいた言葉は非常に貴重でした。いただいたフィードバックは、今後のキャリアにもつながりますし、自分の強みを再確認する手助けにもなりました。これからは、いただいた言葉を胸に、自分の中で再度考えながら仕事に取り組んでいきたいと思います。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
今回、地方創生に関わる企業での経験を通じて、地域連携の強化に関する多くの情報を得ることができました。
また、さまざまな自治体の窓口の方々ともつながり、コミュニティも広がりました。 今後もこの経験を活かして、地域連携の強化に取り組んでいきたいと考えています。
さらに、自分のキャリアにおいては、一歩踏み出してチャレンジする意識が芽生えました。この意識を引き続き大切にし、短期間で得た学びを基に、成長を意識しながらキャリアを考えていきたいと思っています。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
複業留学にチャレンジすることを考えると、すぐに手を挙げる方もいれば、「行きたいけどどうしよう」と悩んでいる方もいると思います。そこで、今悩むよりも一歩踏み出して、社外に出てみる経験が非常に価値のあるものだと伝えたいです。3ヶ月間という短い期間ですが、その内容は非常に濃く、自分の今後に活かせる経験を得ることができます。
また、普段はできないような貴重な経験、たとえば代表の方と一対一でやり取りする機会も得られます。これもまた、なかなかない経験だと思います。
さらに、いろんな仕事をしていく上で、コミュニティは非常に重要です。社外で複業をすることで、社内だけでなく社外にもつながりが広がります。
そういった点も、今後の仕事にプラスになると思いますので、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
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