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複業留学体験レポート「新たな挑戦から見えた自己成長と視野拡大の3カ月」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション 河西様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
株式会社みんなのまちづくり
https://minmachi.co.jp/

──本業での仕事内容を教えてください。

私は、グループ事業部に所属しており、国内グループ会社戦略の企画・立案や内部統制に関する指導・監督・支援、コンプライアンス・ガバナンス体制の構築が主な業務となります。その中で私の主な役割は内部統制に関する企画・立案やグループ会社の経営所管としての窓口を担っています。具体的な取組みとして、内部統制システムの構築支援や各社の自律的統制強化に向け、グループ会社の取締役や監査役を対象とした研修の開催をしています。現在、グループ会社の窓口としては、4社を担当しています。

──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

私が複業留学に参加を決めた理由は大きく二つあります。一つ目は、これまでオリコで培ってきた経験が、他の会社で通用するのかを確認したいという思いです。自分がどの程度の実力を持っているのか、他の環境で試すことで客観的に見ることができると考えました。

二つ目の理由は、現在参画している理念再構築委員会での経験からです。ここでは若手のメンバーが中心となって議論を進めており、彼らの育成という観点も含めて、外部企業にヒアリングに行くなど様々な経験を通じて成長していく姿を間近で見てきました。その中で、現在の自分の成長曲線が彼らに比べて緩やかになっているのではないかと感じ、自ら手を挙げてチャレンジすることが必要だと感じました。長く同じ環境にいることで、仕事に慣れてくることはいいことだと思いますが、そこに甘えが生まれてしまっていれば、それは自分にとってプラスになりません。新たな環境に身を置いて、自らを試し、客観的に確認することで、さらなる成長を遂げることができると考え、複業留学への参加を決めました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。

私の留学先は、「みんなのまちづくり」という会社で、その名の通り、住民を主体とした生涯活躍のまちづくりを官民連携で取り組んでいます。具体的な事業としては、長野県佐久市にてホシノマチ団地という市営団地の企画・運営を行っています。私が参加した活動は、ホシノマチ団地事業の横展開になります。具体的には、ホシノマチ団地の事業を、内閣府主催の地方創生SDGsプラットフォームの優良事例に応募するための応募資料を作成しました。また、山梨県の県営団地の運営に関するプロポーザルがあり、そこへの企画提案書を作成しました。

──どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

まちづくり事業や地方公共団体相手の提案というのは、これまで経験したことのない新たなものでした。その中で、応募資料の作成や企画提案書の作成という点では、これまでの経験が活きたと感じています。資料作成にあたり、これまでの事業を整理する必要がありましたのでヒアリングを行い、それを文章に落とし込む作業や提案書を作成する際の、相手が何を求めているのかを整理し、それに応じた提案書を作成するというノウハウは活用できました。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

活動自体で困ったことは特になかったのですが、 難しかったのは時間の使い方です。今回の取り組みでは、留学先企業がこれまで行ってきた活動を整理し、それを応募資料や企画提案書にまとめるのが主なミッションでした。事業の魅力を伝えるためには、まずは自分自身がしっかりとインプットすることが必要でした。具体的には、業務内容のレクチャーや県や市が公表している資料を確認するだけでなく、現地に足を運んで、現地で働いている方や住民の方と話をしたり、地域特性を知るために周辺地域を直接見て回ったりすることで、情報をインプットしました。一方で限られた時間の中でアウトプットも行わなければならず、そのバランスを取るのが難しかったです。

明確な解決策が見つからない中で、魅力ある提案にするための拘りを持ちつつ、求められるスピード感については、先方との対話を通じて折り合いをつけながら進めました。

最終的には、 自分一人で抱え込まずに、現地の従業員の方に協力をお願いすることが有効でした。当初は自分で全てをやらなければという気負いもありましたが、従業員の方に協力してもらうことで、より効率的に作業を進めることができました。また、それによって一緒に取り組む一体感も生まれ、より良い成果を生むことができと思います。ただ、もっと早くからそのような協力体制を作っていれば、良かったと反省しています。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

留学先での一番の違いは、 社長の決断によってすぐに実行に移せるというスピード感でした。弊社では、新しい施策をする場合、社内での説明等を含め、やると決めるまでに時間がかかるケースも多々あります。しかし、留学先では、社長が決めたことはすぐに実行に移され、そのスピード感は従業員にもしっかりと周知されていました。

実際に、今回取り組んだ山梨県の案件については、私の初回留学日の前日に、私が来るからやることにしたとおっしゃっていました。また、提案書の企画やアイデアもすぐに採用か不採用か決まるため、やりがいを持って取り組むことができました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。

複業留学を経験したことで、 私自身の視野が広がったと感じます。街を歩いていて団地をみるとどうやって活用できるか考えていたり、テレビ番組で地方移住のことをやっているとどういうことに魅力があるのかなど見ていたりします。また、留学が開始してから、留学先での経験を周りの人に積極的に話すようになったことで、周りの人たちからも興味を持ってもらうことができました。実際に、私の留学先での経験をとあるSDGs目標の検討ミーティングに参加して話してほしいという依頼もありました。私の経験を通じて、私自身だけでなく、周りの人たちにも新たな視点やアイデアを提供することができたと感じています。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

同期のレポートはいつも読んでいて、どのようなことに取り組んでいるのかを知ることができました。私自身、初めはインプット作業が多く、なかなか成果物を出すことができない時期に、既に同期は色々な活動をし、フィードバックを得ていることを知り、自分も頑張らなければというモチベーションに繋がりました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

評価点については忖度があったかと思います(笑)。ただ、評価項目一つ一つに対して丁寧にコメントをいただき、たった3カ月にもかかわらず、よく見ていただけていたことが大変うれしかったです。特に印象的だったのは、以前他の人からも言われたことがあったのですが、自分自身はあまり弱みと認識していなかったことを指摘いただいており、改善する必要があると認識を改めることができました。

評価をされる立場としては、何が良くて、何が良くないのか、どこを伸ばすべきかなど、具体的に言っていただけることは非常にありがたいことだと思います。とはいえ、お互いの関係において評価する側も難しいと思いますし、評価される側もなかなか受け入れらないこともあると思います。今回、短い間とはいえ、たくさんコミュニケーションを取りながら仕事をしたこともあり、いただいたフィードバックを受け入れやすかったと思います。今回の経験を通じて、評価者として必要なことも学ばせていただけたと思います。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

今回の複業留学で、「地方創生」、「官民連携」、「SDGs」という三つのキーワードに対して、具体的な取り組みを行っている企業での経験を得ることができました。これらの経験を、今後は社内にしっかりと共有していきたいと考えています。また、やりたいことを仕事にし、いつもボジティブな留学先の代表の姿を間近で見ることができ、 楽しみながら仕事をすることの大切さを改めて教えていただきました。これからは、自分が楽しんでいる姿を周りにも見せることができるように、自分が今の仕事をどうしたいかを考えながらポジティブに取り組んでいきたいと思います。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

私の感想を伝えるなら、「色々な経験ができて、すごく楽しかった」です。「何が?」と知りたい方には、私の経験を延々と話させてもらいます。

複業留学をした結果、その人がどう思うか、何が得られるかは、留学先やその経験内容、その人の感じ方などによってそれぞれだと思いますのでわかりません。 ただ、複業留学に参加することで得られるプラスは必ずあります。忙しさが増すとか今の業務に対する負担をマイナスと感じるかもしれませんが、それ以上に得られる経験や学びは大きいと思います。また、外部の企業を内側から見る機会は転職などをしないとなかなかないと思います。制度としての複業留学は外部の企業を経験することができる貴重な機会です。だからこそ、この機会を活用しない手はないと思います。でも、一番手を挙げてほしいのは、今、何かしらの不安や不満、疑問や悩みなどモヤモヤが少しでもある方で、ぜひ一度複業留学をすることをおすすめします。(事前相談受け付けます!)

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