エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社ニフコ(https://www.nifco.com/)の阿部様に、複業留学についてインタビューいたしました。
■送り出し企業
株式会社ニフコ
https://www.nifco.com/
阿部亮太さま
■受入企業
株式会社Kitamura Japan
http://www.kabu-kitamura.com/
ー 本業でのお仕事内容を教えてください。
自動車の樹脂部品の設計を行っており、主に形を決める部分を担当しています。
ー 複業留学をやってみようと思った理由を教えてください。
正直なところ、今回は自分から手を挙げたのではなく上長からの指名でした。
ただ、社外へ出て新しい知識を吸収したいと常に思っているので、そのことを察してくれた上での指名だったのかもしれません。とてもいいタイミングでした。
ー 複業留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
組織にいる人数が少ないのにどうして仕事が回っているのかと驚きました。どういった仕事の仕方をしているのかを知ることができました。
ー 複業留学中の活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
まくらに関する製造販売に携わりました。販売に関するPRイベント出展や広告の作成、一部新製品の提案を行いました。商材は違いますが、材料で共通している部分があったので、基礎知識を活かしてすぐに受け入れることができました。
また、エンドユーザーに使われるという視点で言うと似ている部分があることに気づきました。具体的な例を出すなら、まくらの縫い目です。お客様が気にしたり、こだわったりするという点で自動車もまくらも共通していると知ることができました。全く違うものでも共通していることがあったり、かたや全く違うことがあったり、たくさんの発見がありましたね。
ー アウェイ環境での実践活動である複業留学を通じて、起きた変化について教えてください。
「モノに頼りすぎない」考え方を学びました。
ものづくりの会社だと、簡単にモノが作れる環境にあるので、試行錯誤の最中にどんどん作って検証することがよくあると思います。それももちろん一つの手ですし、自社でも行っています。しかし、留学先では、一見まくらに関係ないPRイベントでも「考え方を売る」という草の根活動の意味付けで参加していたのです。
普段私を含む自社のメンバーは、商材に関係ないことをやろうとする声が上がると、「意味がないのでは?」と棄却してしまいがちです。しかし、もっと掘り下げて考えることが大事なのだと今回の経験から思うように変化しました。
また、今回学んだこの考え方を社内でも浸透させたいという想いがあります。
実は本業で樹脂部品を使わないプロジェクトにも関わっているのですが、何のためにやっているかをまだまだ理解してもらえていません。正直なところ、私もそのプロジェクトの活動を疑問視しながらも取り組んでいました。そのような背景もあり、自分のなかでこの学びが本業にもリンクしました。考え方が浸透すれば、会社の強みになるのではないかと期待しています。
ー 第三者からの評価を受けてどのように感じましたか?
自分が見れていないところ、感じられていないところがまだまだあることに気付かされました。発表している最中の動きなど、思っているより見られていて驚きました。正直、人の前で話すのは得意ではないのですが、改めて練習しようと思います。
ー 複業留学での経験を今後どのように活かしたいですか?
身近なところだと、先ほどお話ししたプロジェクトの活動を理解してもらうために、想いを伝えられるようなコミュニケーションをし、想いを届けるためにフットワークを軽くしていきたいと思いました。自分の思いを伝えるのが苦手なので、まずは意識を変えてみようと思います。
ー ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
ちょっとでも社外を知りたいと思う人はトライしてほしいです。
トライした際は、あまり構えないでいいよと伝えたいです。持っている知識やスキルを活かそうという方向に意識を向けると吸収が浅くなってしまうので、現職のことは切り離して考えられると良さそうだと思いました。意識して活かそうと思わなくても、気づいたら活かせているので、無意識に飛び込んで楽しんでほしいです!