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複業留学体験レポート「立ち止まらず限られた資源の中で実現する手段や方法を考え進める大切さに気付いた」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた帝人ファーマ株式会社 浅水様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
株式会社シムスバイオ
https://cymss-bio.com/

 

──本業での仕事内容を改めて教えてください。

医療機器の生産技術を担当しており、主に酸素濃縮器生産整備工程の設計開発業務を実施しています。設備設計は、自社内の設備の仕様やこのような作りでいこうなどの考えをまとめ、図面に起こし作り上げる仕事です。

──改めて複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

入社してもう少しで10年を迎えます。過去にグループ会社内での転籍経験があり仕事内容もそれなりに変わりましたが、同じ会社ということで風土自体は大きく変わることはありませんでした。
前例や、過去から現在に至るまでの業務の流れに基づいて、同じやり方で仕事をこなしていくうちに、このままでは何か新しいことを考えることが難しくなるのではないかと危機感を覚えるようになりました。会社の風土に染まりつつある自分に気づいた時に、複業留学の話があり、すぐに手を挙げました。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

留学先は再生医療器具メーカーで、普段は全く扱ったことのない分野だったこともあり、留学先の要望や本当に改善したい点を聞き出すにも、どのような情報を集めて何から取り掛かればいいのかという、一番はじめの取っ掛かりにかなり苦労しました。
乗り越え方としては、留学先へとにかく自分から質問や提案をして、その中で普段の管理体制などを探るようにしました。また、なるべく具体的に細かく落とし込むために、自社の事例を交えながら留学先との違いを探るように心がけました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

人材が豊富にいる自社の場合、何かやろうとするとある程度役割分担をして作業を割り振ることが可能です。しかし、留学先の場合は社員数が2名という限られたリソースで、実現する手段はあるのかというところから考えるという点が、自社との大きな違いだと感じました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

品質管理方法の提案を行いました。具体的には、三次元培養マイクロプレートTASCL(タスクル)の安全性基準やバリデーションの方向性を検討し提案しました。
本業で培った品質管理の経験と、新しい方法を試すことで得た知識と経験を基にした提案をすることが、全く異なる環境下でも活かすことができたと思います。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。

本業では、品質管理などは理想的な姿を描き、そこに向かって仕事を進めていましたが、複業留学を経て、直近の改善項目から見直し実行するという視点がとても大切だと考えるようになりました。
大きなことを成し遂げようとすれば、大きな計画を立て大きくリソースを割く方法もありますが、今回の受入企業のように、小さな会議や小さなリソースでも、限られた資源の中で実現する手段や方法を考え進めていくことがとても大切だと気づきました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

高く評価していただき身に余る思いです。
複業留学開始当初の目標は、品質管理を改善して再生医療等の製品自体を取り扱いたいということでした。しかし、複業留学の途中からマンパワーを割くことが難しくなり、次の手段ばかり考えていたため、留学先におもしろい提案もだんだんできなくなりました。留学先の方とのやりとりの反応から、このまま進めても単なる事例紹介で終わってしまうと思い直し、実現できる手段や何が実現可能なのかという思考にシフトしました。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

まずは一歩動き出して、小さなところからやってみようと思います。
事前にしっかりと準備をしてから取り掛かる性格ということもあり、今までは初めの一歩がなかなか出てこない状態でした。今回の複業留学で体験したように、例えばマンパワーが割けない、コストがかけられない等問題に直面した場合でも、思い切って小さなところからでもまずはやってみるということが大切だと思いました。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

今とは異なる企業に触れるというだけでも、かなり新鮮な視点になります。
やるかやらないか悩んでいるのであれば、その時間はもったいないので、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。

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