人事のみなさま、こんにちは!
子どもの「越境機会」を大切にしながら、大型案件や育成プログラムの設計を手掛ける「越境デザイナー」の藤生朋子です。
「新しい研修制度を立ち上げたいけれど、社内の理解が得にくい……」「研修をやりっぱなしにせず、行動変容を可視化したい」とお悩みではありませんか?
本コラムでは、Webデザイナーから未経験で「複業留学」を立ち上げた私の原点と、前例のない挑戦を乗り越えるマインド、そして人事のみなさまにぜひお伝えしたい「越境学習の効果測定・型化」のリアルな魅力をお届けします!
目次
前例がないなら創ればいい。「なんとかなる」精神で取り組む日々……
等身大の「働く母」としての素顔
暑い真夏の休日、子どもにたくさんの新しい世界や「小さな越境」を体験させてあげたくて、セミの抜け殻を探したりイベントに足を運んだりと、平日同様に全力で駆けずり回っています。
前例がないからこそ「なんとかなる……いや、なんとかする!」と腹を括る
普段の私の仕事は、「複業留学」の進行管理、そして幹部・次世代リーダー育成プログラム「リーダー留学」をはじめとする人材育成サービスの商品設計・標準化(型化)を担当しています。
前例のないプロジェクトや案件にチャレンジする機会も多くあり、私の仕事の軸にあるのは一貫して「なんとかする」という強い当事者意識と責任感です。かといってガチガチに身構えるのではなく、「まあ、なんとかなる!」という前向きなマインドで未知の領域に飛び込み、成果物と納期に向けてスピード感を持ってやり切る泥臭い実行力を大切にしています。
何より私にとって、「前例がない」ということは、誰もまだ通っていない新しい道を創っていけるということ。だからこそやりがいがあり、心からワクワクするのです。手探りで進むプロセスには当然失敗もつきものですが、「失敗もすべて自分の糧(かて)にして成長すればいい!」とポジティブに捉え、未知への挑戦そのものを楽しめるタフさが私の強みです。
一見すると「型化」や「ロジカルな効果測定」をバシバシ進めるタフなリーダーに見られることも多いのですが、私自身がなぜ「越境学習」という人や組織のドラマに向き合っているのか。その原点を辿ると、幼少期の原体験と自らの「キャリアの越境」に行き着きます。
多様な人が集まる「家」で育まれた他者への関心
実家の旅館で過ごした幼少期の原体験
なぜ私がWebデザインの現場から、人の成長や社会課題に向き合う研修事業へと足を踏み入れたのか。その根本にあるのは、幼少期から培われた原体験です。
実家が小さな旅館だった私にとって、幼少期の「家」とは、全国から訪れるお客様はもちろん、働くスタッフの方など、多様な背景や価値観を持った大人たちが日常的に行き交う場所でした。そこは常にどこかバタバタと慌ただしくも、良くも悪くも活気に満ちあふれた空間でした。
そして何より、朝から夜中まで忙しく動き回り、そんな活気あふれる現場で多様な人々と丁寧に関わりながら働く親の姿を、私は間近で見続けてきました。
醸し出す雰囲気も生き方もまったく異なる人々が同じ空間に集う環境。そこでは、「人はなぜ今、こういう言葉を選んだのだろう?」「なぜこのシチュエーションでこのような行動をとったのだろう?」と、出会う人々の言葉や行動の裏にある感情の動きに想いを馳せることがごく当たり前の日常だったのです。
書籍『パラサイト・シングルの時代』との出会いと社会課題への探求心
さらに学生時代、社会学者・山田昌弘氏の著作『パラサイト・シングルの時代』と出会ったことで、私の視点は「個人の観察」から「社会構造と人の動機」へと一気に広がっていきました。社会的な構造の変化が、個人の生き方や選択、家族のあり方にどのような影響を与えるのか。「人が動く理由」を構造で捉える奥深さに強く魅了され、社会課題や人の意識変容に対する知的好奇心が深まっていきました。
Webデザイナーから研修伴走者へ。2つの職種を繋ぐ「デザインの本質」
「画面の体験設計」と「人の体験設計」に共通する3つの共通点
かつて私はWebデザイナーとしてエンファクトリーでWeb制作の仕事をしていました。それが今では、本業を飛び出し、研修プログラムにおける研修の伴走者(越境デザイナー)として体験の設計を行っています。
一見するとまったく異なる仕事に見える「Webデザイナー」と「越境デザイナー」。しかし、自らの「職種越境」経験を振り返ると、この2つの本質は驚くほど重なり合っていると感じています。
Webデザイナーとしてのスタートは、顧客の事業成長のためにユーザー体験(UX)を構築することでした。画面の向こう側のユーザーを徹底的に観察し、その行動心理を捉えて成果へと導く。
その視点がそのまま、エンファクトリーで数年間にわたり挑戦した新規事業立ち上げ、 そしてエンファクトリー初の越境研修プログラム「複業留学」のゼロイチ構築へと繋がっていったのです。
【Webデザインと越境デザインの「3つの共通点」】
1.ユーザー(受講者)の行動心理へのアプローチ: 画面のボタンを押したくなる心理設計と、アウェイで自ら一歩を踏み出す動機付けの設計。
2.「課題発見」から「体験(UX)」を設計する視点: 複雑な情報を整理して本質的な課題を特定し、成果に至るまでの感情と行動のプロセスをデザインすること。
3.感性を「構造化・可視化」して人に伝える力: 抽象的なアイデアや人の成長といった定性的な変化を、誰が見てもわかるカタチに言語化・可視化すること。
新規事業の「肩身の狭さ」と「割り切り」。そこから芽生えた、覚悟
正直に言えば、新規事業の立ち上げは華やかなことばかりではありません。
既存事業で会社を支え、利益を生み出してくれている仲間がいる中で、まだ売り上げのない新規事業に投資してもらうポジションは、どこか肩身が狭いというか、独特の申し訳なさや葛藤を抱えるものです。
けれど、そこで「肩身が狭いから…」と縮こまっていても前には進めません。「自分は未来の売上を作る役割なんだ」「ここを泥臭くやり切るのが自分の使命だ!」と良い意味で腹を括り、割り切ることで突き進んできました。
そうして「前例がないからこそ価値がある!」と試行錯誤を重ね、「複業留学」が研修として形になり、参加してくださった受講者が変わり、組織が前進していく、そんな様を目の当たりにしたとき、強烈な達成感が込み上げました。
「新たな道を作るのは苦しいし肩身も狭い。けれど、なんとかなる!」と割り切って挑戦を楽しんだ先には、圧倒的な達成感と大きな伸びしろがある――。新規事業の泥臭い立ち上げを通じて得たこの確信こそが、現在の「越境デザイナー」としての私の揺るぎない背骨となっています。
完全アウェイの体験から紡ぐ、自己変革への深い気づき
アウェイ環境が生む「強烈なモヤモヤ」
自らが「職種越境」や「新規事業の立ち上げ」を経験してきたからこそ、私たちが提供するプログラムに挑戦する受講者(留学生)のみなさんの姿には、深い共感と敬意を抱かずにはいられません。
越境学習の神髄は、慣れ親しんだ自社という「ホーム」を飛び出し、まったくルールも共通言語も異なる「アウェイ」の環境に身を置くことにあります。自社では優秀な中堅・幹部社員として活躍している人ほど、アウェイの現場では自慢のスキルが通用しなかったり、相手のカルチャーに圧倒されたりと、強烈な「モヤモヤ」や自身の無力さに直面します。
- 「自分はこれまで、どんな価値を提供してきたのだろうか」
- 「自分の仕事の本質的な価値とは何なのだろうか」
生々しい人間模様と行動変容のドラマへの伴走
自問自答を繰り返し、泥臭く壁を乗り越えようともがくプロセスの中で、受講者の表情は劇的に変わっていきます。それまで当たり前だと思っていた自社の常識を相対化し、自分の強みや課題を自分の言葉で言語化できるようになる。
一人のビジネスパーソンが殻を破り、自信と当事者意識を取り戻して帰還する――。この「人の葛藤と行動変容の生々しいドラマ」に間近で伴走できることこそが、私にとっての越境支援の最大の醍醐味であり、手応えです。
「やりっ放し」で終わりにしないための概念化と効果測定のススメ
内省だけでは自分のものにならない。「概念化」という引き出し作り
研修の伴走をする中でつくづく感じるのは、越境する現場でどれほど刺激的な体験をし、深く内省(振り返り)をしたとしても、それだけでは経験を本当の意味で「自分のもの」にすることはできないということです。
ただ「勉強になった」「悔しかった」と振り返るだけでなく、得た気づきや教訓を自分なりのルールや言葉として整理し直し、「自分の引き出し」に格納(概念化)して初めて、次の新しい局面で必要な時に学びを引き出して活用できるようになるのです。
だからこそ、受講者が体験を言葉にし、概念化して自分の引き出しに仕舞うまでの伴走ワークや面談のプロセスを重視しています。
「効果測定」と「リーダー留学」でさらなるアップデートへ
現在、私たちは「複業留学」の現場運用を推進しながら、その基盤を踏まえた幹部・次世代リーダー育成特化型「リーダー留学」のプログラム設計や、研修成果を客観的・定量的に証明する「効果測定」のアセスメント強化に力を入れています。
個人の感覚的な成長で終わらせず、経営層や人事担当者のみなさまが納得感を持てる成果・可視化の仕組みを確立し、越境研修をネクストステージへアップデートすることに日々チャレンジしています。
【越境デザイナーが推進する「可視化と型化」の3つのアプローチ】
1.概念化と言語化のサポート: 体験による学びを単なる内省で終わらせず、自分の言葉で「引き出し」に整理して次に活かすためのワーク・面談設計。
2.定量・定性アセスメントの効果測定: 受講前後の意識・行動の変化を数値データと定性レポートの両面から多角的に分析・証明。
3.再現性を高めるプログラム標準化: 「複業留学」「リーダー留学」等を通じて伴走ノウハウをナレッジ化し、どの受講者・組織にも高い投資対効果(ROI)を提供。
越境体験が「一生モノの原体験」になるように
人事のみなさまへ伝えたいこと
振り返れば、私自身も未経験から新規事業を立ち上げ、手探りで道なき道を切り拓いてきました。売上がない時期の肩身の狭さ、失敗の悔しさ、それでも「なんとかする!」と割り切って前へ進んだあの苦しくも刺激的な日々――。そのすべてが、今の私を形作る大きな財産であり、キャリアの強い根幹(原体験)になっています。
実はこれって、日々組織を変えようと新しい育成施策や制度改革に挑んでいる人事担当者のみなさまの姿とも重なるのではないでしょうか。社内の理解を得る難しさや肩身の狭さを感じながらも、「なんとか組織を良くしたい」と奮闘されている人事の方々に、私は心からの敬意を抱いています。
だからこそ、私は人件費や教育投資の決裁を取って社員を送り出す人事のみなさまの「パートナー」でありたい。受講者の方々に、「新たなチャレンジはこんなにも充実しているんだ!」と心から感じて帰ってきてほしいのです。
「本物の経験」でしか人は学べない。だからこそ人事のパートナーとして
結局のところ、人は「本物の経験」を通してしか本当の意味で学ぶことはできません。本で読んだ知識や研修室で聞いた言葉ではなく、自分が悩み、腹を括って壁を乗り越えた「アウェイでの生の経験」だけが、その人の価値観を揺さぶり、意識や行動を根本から変えていきます。
私が目指しているのは、単に「研修が無事に終わること」ではありません。受講者が越境学習で得た葛藤や達成感、自分の殻を破った感覚が、その後のビジネスパーソン人生を支え続ける「一生モノの原体験」となり、社内に戻った後の持続的な行動変容へと繋がっていくことです。
「研修をやりっぱなしにせず、経営や現場に伝わる成果・変化として効果を可視化したい」 「次世代リーダーに、自分の殻を破るような原体験を味わわせたい」
新規事業で苦しみ、それでも挑戦を楽しんできた私だからこそ、受講者の挑戦も、新しい領域である「越境研修」に送り出す人事のみなさまの葛藤も誰よりも理解できます。「前例がないからこそ探求のしがいがある!なんとしていこう!」と一緒に面白がり、頼れる伴走者として背中を押し続けていきたいと思っています。
このコラム連載では、現場の生々しいリアルと「行動変容・効果測定の仕組み」を余すことなく発信していきます。ぜひ私と一緒に、人財育成と組織の新たな可能性を切り拓いていきましょう!
◆執筆者プロフィール
藤生 朋子(株式会社エンファクトリー ライフデザインユニット 越境デザイナー リーダー)

Webデザイナーとして15年のキャリアを積んだ後、2021年より越境研修サービス「複業留学」の立ち上げに参画。過去5年間で300名以上の研修生支援を担当。複業活動として、東京都中野区の子育てボランティア団体運営、デザイナーとして地元群馬県桐生市支援を行う。
「次世代リーダーの育成」と「確かな行動変容の可視化」に向けて。
エンファクトリーでは、研修を「やりっぱなし」で終わらせず、次世代リーダーの覚醒と組織変革を実現する各種越境研修プログラムを提供しています。
幹部・リーダー育成のプログラム設計から、参加者の成長・行動変容を定量・定性で示す可視化(効果測定)まで、「越境デザイナー」が貴社の人材育成・経営課題に寄り添い、最適な仕組みをご提案します。
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