エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。
FPサテライト株式会社 取締役 坪谷様に、越境サーキットで課題提示していただいた内容についてインタビューいたしました。
課題提示企業:FPサテライト株式会社 取締役 坪谷亮 様(https://fpsatellite.co.jp/)
参加企業:ブラザー販売株式会社、みずほビジネスパートナー株式会社、花王プロフェッショナル・サービス株式会社、株式会社アイシン、株式会社ニフコ、株式会社千葉興業銀行、株式会社都築電気、株式会社東北電力、他
年齢層:20~50代 、25名
プロジェクト: 2024年度 第3ターム(10/1〜12/24)
-越境サーキットの課題提示を決めた理由を教えてください。
越境サーキットの課題提示とは別になりますが、これまでに計4回、複業留学(https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku)の受入企業として研修生を受入れてきました。
その中で特に、コンテンツ制作に力を注いでくださる研修生との出会いは、私たちにとって大変貴重な経験であり、非常に意義のある時間を過ごすことができました。
そこで今回、越境サーキット(https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit)で課題提示を行うことで、より多くの方々に弊社の課題に取り組んでいただける機会を持ちたいと考え、課題提示を決めました。
-課題について教えてください。
弊社はファイナンシャルプランナーとして、さまざまな業務を展開しています。
中でも、メインサービスとなる個人相談については、一般的なビジネス・トゥ・コンシューマー(BtoC)として、お金に関する相談を行っていますが、弊社特有の金融商品を取り扱わないファイナンシャルプランナーが個人相談を行う際には、保険や証券を販売する場合に出口から逆算したアプローチを取ることが可能です。つまり、「その後、どうしますか?」という視点で相談を進めることができるのです。
しかし、私たちが提供できる出口は多岐にわたり、例えば相続や税金、資産運用など、さまざまな選択肢があるため、どのように入り口を設定するかが難しいと感じています。
「あなたの企業は何ができるのですか?」という問いに対して、私たちができることを明確に伝えるのが非常に難しく感じています。
そのため、私たちは多様な切り口を持ちたいと考え、参加者の皆さんがさまざまな背景を持っていることを踏まえて、異なる視点からの訴求を行うためのアイデアをたくさん生み出し、個別相談をさらに発展させることができればと考えています。
-課題を検討いただく際、工夫された点について教えてください。
私たちが課題を検討する際に工夫した点は、金融商品を取り扱わないファイナンシャルプランナーという概念がほとんど認知されていないことで、参加者からの質問に対しても、なるべく具体的にどこまでサービスを提供できるのかを明確に回答する必要があると考えました。
「このサービスはどこまでできますか?」といった質問が寄せられた際には、回数や内容を具体的に示すよう心掛けました。例えば、「3万円でお金の相談ができます」といった抽象的な表現ではなく、「このライフプランを作成し、面談時間はこれくらいで、具体的な解決策はこうなります」といった具合に、サービスを具体化することが重要だと感じました。
大企業では、サービスが具体的に設計されていることが多いと思いますので、私たちもそれに倣い、わかりやすく具体的にどのようなサービスを提供するのかを説明し、課題感についても抽象的な表現を避け、ターゲット層を明確にすることを心がけました。
-実際に課題提示してみていかがでしたか?
課題を提示してみた結果、参加者の皆さんからの反応は非常に良かったです。
課題提示の段階では、皆さんが「もっと聞きたい」という姿勢を持っていることを感じました。参加者からの質問を受けたことで、私たちにとっては、一般の方の視点からのフィードバックを得る貴重なブラッシュアップの機会となったと感じています。例えば、ライフプランと家計改善がなぜ別物なのか、また長期的な解決策と短期的な解決策が異なる理由など、私たちファイナンシャルプランナーが持っている前提が、必ずしも世の中には必要ないかもしれないという気づきを得ることができました。
課題提示を通じた参加者との質疑応答も、私たち自身のブラッシュアップの材料となり、なにより参加者の皆さんが非常に興味関心を持って質問をしてくださったことが印象的でした。
具体的な課題についての質問だけでなく、理念や背景についても尋ねてくださる方が多く、非常に嬉しく感じました。理念を理解することで、私たちのサービスがなぜ存在するのか、その背景を理解していただけることが、私たちにとって大きな喜びでした。
-最終プレゼンテーションを受けて、特に印象に残ったものや、実際に取り入れたいと思ったものはありますか?
特に印象に残ったのは、最後に発表したチームのスライドでした。このチームは文字だけで訴求を行い、そのシンプルさが印象的でした。まるではがきのようなデザインで、私たちのイメージにも本当にぴったり合っていました。
文字数が多いにもかかわらず、圧迫感を感じさせないデザインが素晴らしかったです。あのシンプルでありながら心に響くメッセージは非常に刺さるものでした。
言葉選びも良く、人の心に寄り添った温かみが感じられました。まるでアーティストのような感性が表れていて、特に印象に残りました。
実際に、私たちが今後出店を予定しているイベントでも、私たちのイメージに非常に合っていることから、すぐにでも実践に移したいと思い、すでにその方向で動き出しているところです。
また、金融教育的な要素を取り入れ、難しいとされる若い世代にアプローチしたチームの発表も印象的でした。
このチームは「マネタイズが難しい」という現実をしっかりと受け止めて進めていた点が非常に良かったです。
若い世代に対して「こういうことができますよ」と提案し、具体的なペルソナを考え、どの層がどのようにお金を払うかを真剣に考えていたのが素晴らしいと思いました。
-最後に、越境サーキットで課題提示を検討している企業へのメッセージをお願いします。
越境サーキットでの課題提示は非常にプラスの経験だと感じました。大企業の方々に私たちのビジネスを知ってもらうことは、非常に大きな意味があると感じました。
課題が解決されたかどうかに関わらず、私たちのビジネスを知り、深く理解してもらえる機会が増えることは、企業にとって必要なことだと思います。もちろん、自社の課題を言語化することが面倒だと感じる企業もあるかもしれません。「なんでそんな説明をしなければならないのか」と思う方もいるでしょう。しかし、そういった企業こそ、越境サーキットを通じて自社を見つめ直す良い機会になると思います。
ベンチャー企業は自分本位になりがちですが、そのエゴが良さでもあり、時には失敗を招くこともあります。この越境サーキットは、立ち止まって自社のサービスがどう思われているのかをストレートに聞く貴重な機会だと思います。普段は言いにくいことも、課題解決のために参加しているという前提があるため、率直な意見をもらいやすい環境が整っています。
越境サーキットは、リスクに対してリターンが非常に大きい取り組みだと感じています。ぜひ、課題提示を検討している企業には参加をお勧めします。
【越境サーキットとは?】
越境サーキットは、3か月間(合計20時間)、異業種混合チームでスタートアップの課題解決にチャレンジするプログラムです。越境学習のプロセスを通じて、「人と組織が変わるきっかけ」を生み出します。
詳しくはこちら:https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit
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