越境学習は社内と社外のどちらがおすすめ?メリットは?最新の企業事例3選もご紹介

越境学習社内副業・副業解禁

人材育成の一環として、「越境学習」に注目する人事・研修担当者が増えています。

しかし、越境学習は実施方法が多種多様で、自社に最適な方法を見つけるのが難しいのも事実。特に、越境学習を社内で実施するべきか社外で実施するべきか迷う企業担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では越境学習の実施を検討している方に向けて、社内・社外で越境学習を実施する際の方法やメリットを整理します。越境学習に成功した企業事例も紹介するので、ぜひ自社の研修施策を考える際のご参考にしてください。

越境学習とは?

まずは、越境学習の定義についておさらいしましょう。

越境学習とは、普段と異なる環境で成長を促す人材育成手法です。自社という枠組みを飛び出すことで、座学研修では得られない気づきや経験を積むことができます。

最近では、企業における人材育成で活用されることも多く、具体的な実施方法は多岐にわたります。例えば、ベンチャー企業やスタートアップ企業で3か月〜6か月程度、実際に働いたり、NPO法人での活動に参加したりといった方法が代表的です。

従来型の研修では、どうしても「知識やスキルを学ぶ」ことが中心になりがちでした。これに対して越境学習では、慣れない環境の中で自分の頭で考え、行動することが求められます。これまでの常識が通用しない環境に身を置くことで、自分の価値観を客観視するとともに、人間的な成熟を促進することができるのです。

越境学習の詳しい定義や実施方法は、下記の記事で詳しく解説しています。

越境学習は社内でも社外でも実施できる

越境学習を実施する際には、必ずしも社外に社員を送り出す必要はありません。目的や取り組みやすさに応じて、社内と社外の両方から実施形態を選ぶことができます。

越境学習の社内・社外での実施方法をそれぞれ整理します。

社内での実施方法

主な社内での越境学習の実施方法は、次の通りです。

  • 社内副業
  • 社内勉強会
  • ジョブローテーション

社内で実施する越境学習のうち最もポピュラーな方法として、社内副業があります。普段の業務を続けつつ、他部署に期間限定で参加するという仕組みで、新たなスキルの習得や部署間の風通しの改善といった複数の効果が期待できる点がメリットです。

また、越境学習の一環として、社内勉強会を実施することもできます。社内勉強会では、普段は関わりのない部署のメンバー同士が互いの知見を共有しあうことで、普段の業務では得られない気づきを得ることができるでしょう。このほか、数年単位で異なる仕事に取り組んでもらうジョブローテーションも選択肢の一つです。

なお、社内副業を実施する際には、受け入れ部署との調整や社内副業案件の整理といったコストが生じます。弊社エンファクトリーでは、これらを一気通貫型で支援する「社内副業・複業立ち上げ・運用支援サービス」を提供中です。

ご興味がある方は、下記のページから詳細をご覧ください。

社外での実施方法

社外での越境学習には、次のような実施方法があります。

  • 出向・フルタイムでのプロジェクト参画)
  • 副業・兼業型の外部プロジェクト参画(企業主導の研修など)
  • 他企業での副業・兼業(個人の副業解禁によるもの)
  • 海外研修
  • ワーケーション

グループ企業間での出向はかつてより大企業を中心に実施されていました。近年では、半年から1年の一定期間フルタイムで外部企業のプロジェクトに参画する手法も注目されています。

一方、副業・兼業型の外部プロジェクト参画は、3〜6か月程度の期間をかけてベンチャー企業やスタートアップのプロジェクトに参加する方法です。数年単位かつフルタイムで籍を置く従来の「出向」とは異なり、本業の業務時間の20%ほどを切り出して外部企業の活動に充てます。現在の主業務を継続しながら、スモールステップで越境できるため、社内だけでは得られない大きな環境変化やスピード感を安全に体験する手法として注目されています。

また、越境学習のために他企業での副業を解禁したり、海外研修を実施したりする企業もあります。ワーケーションとは、地方やリゾート地などで一定期間テレワークを行う方法で、こちらも選択肢の一つです。

越境学習を社内で実施するメリットは主に3つ

社内での越境学習には、大きく次の3つのメリットがあります。

  • 社員同士の交流を促せる
  • 参加者の心理的負担が小さい
  • 気軽に始めやすい

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

社員同士の交流を促せる

社内で越境学習を実施すると、普段は接点のない社員同士のコミュニケーションを強力に促進できます。

例えば、社内副業を通じて他部署の仕事に携わることで、副業期間が終わった後も部署間の連携がスムーズになります。相手の部署がどのような業務を、どんなスピード感で進めているかを相互に理解できれば、日常業務での協力を求めるタイミングや伝え方も自然と円滑になるでしょう。

また、社内勉強会などのスモールステップな施策でも、普段顔を合わせない社員が集まることで、社内の風通しの改善が期待できます。このように、社員個人の成長だけでなく、組織の「縦割りの解消」を地続きで実現できる点は大きなメリットです。

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参加者の心理的負担が小さい

社内で実施する越境学習は、社外で行われるものよりも参加するハードルを低く抑えることができます。

普段と異なる環境にチャレンジする越境学習は、ただでさえ参加者に一定の心理的な負担がかかるものです。社外で実施する場合、「失敗してはいけないのではないか」と不安を感じて参加をためらってしまう社員も少なくありません。

一方、社内で実施するのであれば、困ったときでも同じ組織の人間に相談できるという安心感があります。初めて導入する場合でも参加者を集めやすいので、施策を軌道に乗せやすいです。

気軽に始めやすい

社外で行う越境学習と比べると、社内で実施することは金銭的な負担が小さい傾向にあります。

例えば海外研修やワーケーションに社員を参加させる場合、出張費がかさむことがあります。社内で実施する場合はこうした費用がほとんどかからないため、気軽にスタートしやすいです。制度を初めて導入する際も、社内の理解を得やすいでしょう。

ただし、社内で実施する場合にも調整コストが必要です。参加する部署・受け入れる部署の双方に工数が発生するため、金銭的コストのみで判断しないように注意しましょう。

社内での越境学習に成功した企業事例3選

ここからは、社内での越境学習に成功した企業事例を3つ紹介します。いずれも、参加者個人の成長だけではなく、組織開発まで実現した、社内で実施することのメリットを最大限活用している事例です。

越境学習の実施方法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

コクヨ株式会社

オフィス家具・文具大手のコクヨ株式会社では、社内での越境学習として2020年から「20%チャレンジ」を導入しています。

同制度はいわゆる社内副業制度の一つで、参加者は普段と異なる部署で働くことが可能です。「20%チャレンジ」という名前は、全業務時間のうち20%を副業に使うことに由来しています。

社内副業にチャレンジする際は、まず社内で公募されている求人テーマに応募し、受け入れ側の上司と人事によるマッチングを経て副業をスタートするという流れです。仕組みがシンプルなため、初めて社内副業にチャレンジする際のハードルも低くなっています。実際、これまでに約400名の社員が20%チャレンジに参加しました。

同制度では、募集要項の作成から社長自らによる発信まで、制度を社内に浸透させるためのさまざまな工夫が凝らされています。コクヨ株式会社での成功事例にご興味がある方は、ぜひ下記のガイドブックをご覧ください。

静岡ガス株式会社

「挑戦する文化」の創造を掲げる静岡ガス株式会社。社員の能力向上や部署間の風通しの改善を目的として、2024年2月から社内副業制度の試行運用をスタートさせました。

同社では、下記の3ステップで制度の導入を行っています。

ステップ1「自律的学び」への興味喚起キャリア自律に関するレクチャーなど
ステップ2社内副業の実践支援ワークショップの実施社内副業案件の説明会開催など
ステップ3社内副業の浸透・波及インタビュー記事の作成セミナーの開催など

いきなり制度を導入するのではなく、キャリア自律について学ぶレクチャーなどを開催することで、参加者のモチベーション形成を丁寧に行っている点が特徴です。制度のさらなる普及に向け、今後も人事部と受け入れ部署が連携しながら制度を拡大する予定です。

エンファクトリーでは、制度の導入に向けたステップの設計や、副業案件管理システムの「Teamlancerエンタープライズ」の提供を通じてサポートさせていただいております。

静岡ガス株式会社における「挑戦する文化」形成を目的とした、社内副業制度の試行運用及び活性化のための支援を開始|エンファクトリー 

三井不動産株式会社

三井不動産株式会社では、人材・組織開発の基本方針として下記の3点を掲げています。

  1. 「人材力」の底上げ
  2. 人材・知見の積極的な獲得
  3. One Team型組織への深化

このうち、3番目の「One Team型組織への深化」では、グループ横断型のプロジェクト「つながる・成長するプロジェクト」を展開しています。

このプロジェクトの主な目的は、合同研修や交流会への参加を通じて、普段顔を合わせることのない社員同士のコミュニケーションを促進することです。三井不動産グループ社員必修研修のD&I e-learningなどをあえてグループ合同で実施しているほか、育児座談会や女性管理職フォーラムといった女性活躍にフォーカスした内容も多く取り扱っています。

また、同社ではイノベーション創出をサポートする制度として「MAG!C」も実施しています。新規事業開発に向けた社員からの提案を受け付けており、審査を通過すると提案者が事業責任者としてその事業に専念できるという仕組みです。これまでに、生食用のぶどう生産・販売を行う「GREENCOLLAR」という社内ベンチャー企業などが、本制度から誕生しました。

参考:経済産業省「イノベーション創出のためのリカレント教育 事例集 企業編」三井不動産「三井不動産グループ人材戦略の全体像」

越境学習を導入する際は社外での実施もおすすめ

本記事では、社内での越境学習のメリットや事例を紹介しました。

しかし、実際に社内で越境学習を実施しようとすると、制度設計が煩雑になったり、社内調整や人事異動にコストが生じたりすることも少なくありません。また、社内で用意できる環境に限界があるというケースもあるでしょう。

こうした場合におすすめなのが、社外での越境学習です。メリットを2つ解説します。

真の意味で「異質」な環境に身を置ける

越境の場を社外に用意することで、「異質な環境に身を置く」という越境学習が持つ本来の目的を最大限に果たすことができます。

例えば異業種・異職種の企業では、社内文化が普段とは大きく異なります。ベンチャー企業やスタートアップへ越境すると、仕事の進め方や意思決定のスピードの違いを目の当たりにするでしょう。

社内副業でも「他部署」という異質さは生まれますが、外部企業で働く際の刺激の方がより大きいことは間違いありません。社員の自己変革を促したい場合には、社外での実施がおすすめです。

企業側の負担が小さい

越境学習は、「社外に出す方が手間がかかる」と思われがちですが、制度の仕組み次第では、社外で実施する方が企業側の負担が軽いケースも多いです。

例えば社内で副業制度を設計・運用する場合、社内調整や受け入れ部署の確保、評価制度の整備といったコストがかかります。制度の導入後も、継続的に社内副業案件を募集したり、社内副業に参加している社員のサポートを行ったりすることも必要です。

越境学習を外部企業で実施すると、こうした社内調整の手間がかかりません。もちろん越境学習に参加している社員のサポートなどは必要ですが、受け入れ部署の確保などを毎年行わなくてよい点は大きなメリットです。外部の越境学習サービスを利用すれば、越境学習制度の運用自体を支援してもらえる場合もあります。

越境学習ならエンファクトリーにお任せください

社外での越境学習をご検討の場合は、ぜひエンファクトリーへお任せください。

エンファクトリーでは、越境型研修サービス「複業留学」をご提供しています。複業留学は、ベンチャーやスタートアップという異質な環境に身を置くことで、人間的な成長や行動変容を促すための越境学習プログラムです。

本サービスでは、これまでに累計140社・400名以上を支援した実績がございます。プログラムの周知や越境学習中のサポートなど、越境学習を社外で実施する際に手間がかかりがちなポイントも含めて徹底的に支援させていただきますので、ぜひこの機会にご検討ください。

同サービスの内容は、下記のページから詳しくご覧いただけます。
越境型研修サービス「複業留学」 | 越境学習で変化に強い組織へ 

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