人事のみなさま、こんにちは!
越境研修プログラムの設計・型化に日々泥臭く向き合っている「越境デザイナー」の藤生朋子(通称「もこ」)です。
「越境研修から戻った社員が『勉強になりました!』で終わってしまう……」「経営層からROI(投資対効果)を聞かれてもうまく説明できない」とお悩みではありませんか?
本コラム第2弾では、受講者の気合任せを卒業し、経営層にも胸を張って報告できるよう、私たちが今まさに挑戦している越境体験の「型化」と確実な行動変容を可視化する「効果測定」の試行錯誤のリアルをお届けします!
目次
予期せぬ展開や試行錯誤の連続。だからこそ「仕組み」で解き明かす
現場の目まぐるしい変化と「再現性」への問い
越境研修プログラムにおいて、越境に挑む方が新しいプロジェクトを立ち上げるとき、あるいは未知の領域に踏み出すとき、そこには常に予期せぬ変化や試行錯誤がつきまといます。ビジネスの現場における「未知への挑戦」は、あらかじめ用意された正解がないからこそ面白く、泥臭い成長のドラマが生まれます。
一方で、そこで起きた変化や成長を「今回は運良くうまくいった!」「本人の気合で乗り越えた!」という一時的な事象で終わらせず、「なぜ変わることができたのか?」「どうすれば再現性をもって定着させられるのか?」と仕組みへ還元していくことが、私の役割であり性分でもあります。
ただ「よかったね」で終わらせない。人事の葛藤に寄り添う設計者としての使命
普段、幹部・次世代リーダー育成プログラム「リーダー留学」をはじめとする人材育成サービスの商品設計・標準化(型化)を担当する中で、人事のみなさまから一番多くいただくのがこんな切実なお悩みの声です。
- 「越境から戻った社員が『すごく勉強になりました!』と満足気だが、現場での行動がどう変わったのか見えにくい」
- 「経営陣から『で、投資対効果(ROI)はどうだったの?』と突っ込まれたとき、感覚値でしか答えられない」
- 「受講者個人の『センス』や『ポテンシャル』に依存してしまい、再現性のある研修施策として社内に定着しない」
人材育成投資の決裁を取り、社内の期待とプレッシャーを背負って受講者を送り出す人事の方々の苦労を思うと、「刺激的な体験でした」という定性的な感想だけで終わらせてしまうのは、あまりにももったいない!
「前例がないなら、人事のみなさまが経営陣に胸を張って報告できる可視化の仕組みを創ればいい!」——そんな「なんとかなる…いや、なんとかする!」の精神で、現在まさに現場で試行錯誤を重ねながら開発・アップデートを進めているのが、越境体験の「型化」と「効果測定」のアプローチです。
越境体験の「型化」とは何か? 混沌を「学びの資産」に変える技術
「型化」=自由度を奪うことではなく、「迷い」を払拭する道しるべ
「越境体験を型化する」とお伝えすると、「受講者の自主性や、アウェイで生まれる偶然のドラマをフレームワークに押し込めてしまうのでは?」と懸念されることがあります。
しかし、私たちが考える「型化」は正反対です。
ルールも共通言語も通用しない「完全アウェイ」の現場に放り込まれた受講者は、アウェイならではの壁や自身の無力さに直面し、一時的にどう動くべきか思考停止に陥りそうになります。その混沌とした状況の中で受講者が自力で立ち上がり、確実な気づきと成長へと向かうための「思考と行動の道しるべ」こそが「型」なのです。
「リーダー留学」の設計に見る、成長を加速させる3つのステップの模索
例えば、次世代リーダー育成特化型プログラム「リーダー留学」の設計においても、単に他社でタフなミッションに挑ませるだけでなく、以下のようなステップを「標準化された型」として組み込み、ブラッシュアップを重ねています。
【成長を最大化する「越境学習の型化」3つの設計アプローチ】
- 事前アセスメントと「問い」の言語化: 「自分は自社でどんな価値を提供してきたのか」「今回の越境でどのような仮説を検証するのか」を言語化し、自走するためのアンテナを立てる。
- 定期的な伴走リフレクション(概念化ワーク): 現場で起きた成功・葛藤の出来事を感情のままにせず、「なぜそうなったのか」「自社に戻っても使える自分の強み・持論は何か」へとその方の引き出しに整理(概念化)する。
- 成果発表と「ホーム(自社)」への接続設計: 得た学びを自社の経営課題や現場の変革にどう還元するか、具体的なアクションプランに落とし込んで帰還する。
「型」を整えていくからこそ、受講者は迷わずに自分の葛藤や成長に向き合うことができ、個人差に左右されない再現性の高い学びを持ち帰れるようになると確信しています。
越境後の「行動変容」を可視化する仕組みづくりへの挑戦
感覚的な「成長」を、経営層が納得する「客観データ」へ
では、型化された体験を通じて受講者がどう変わったのか。それを第三者にも納得感のある形で証明するために、現在私たちがまさに挑戦し、構築を進めているのが「5つのコンピテンシーに基づくアセスメント評価モデル」です。
単なる一般的なアンケートではなく、リーダーとして自立・駆動するために必要な要素を以下の5つのコンピテンシーとして定義し、多角的に効果を測定しています。
- 主体的な意思決定力(自分で判断する): 前例のない不確実な状況でも自ら意思決定し行動する力。
- 他者を動かす力: 指示命令ではなく、相手の納得や共感を得て自発性を引き出す力。
- 多様なステークホルダーへの働きかけ・巻き込み力: 立場や利害が異なる関係者と対立を越えて合意形成する力。
- 視座・視野の変容(経営視座の獲得): 自社・自部門の枠を超え、全体最適や経営的視点で捉える認知面の変化。
- 学びの転移・実践への適用力: 越境での気づきを言語化し、自組織の実務やマネジメントへ具体的に還元・適用する力。
段階的な変化を捉える「可視化の3つのこだわり」
1. 「認知(マインド)」と「行動(事実)」を分ける2軸評価
対人関係や意識に関する項目は「自己認識(認知)」と「行動(事実)」のズレが生じやすいものです。そのため、意識の変容だけでなく「実際に巻き込めているか」「実務へ取り入れているか」といった行動面(動員・実践領域)の両軸から変化を把握する設計を行っています。
2. 本人評価×直属上長評価による1対1の対比分析
受講者本人の自己評価(「経営視点を持てているか」「学びを転移できているか」)に加え、直属の上長にも同じ軸での観察評価を依頼します。本人と上長の認識のギャップを可視化することで、「本人は手応えを感じているが現場ではまだ行動に出ていない」「上長から見て想像以上に行動が変わった」といった立体的な変化を捉えます。
3. 「半年後」まで追う定点観測と組織波及効果の測定
越境直後の「熱量」で終わらせないため、半年後のタイミングで定点アセスメントとヒアリングを実施。学びが一時的なものでなく「現場の行動変容」として定着しているか、さらには「チームや周囲のメンバーにどのような良い影響(組織波及効果)を与えているか」まで追跡・検証する仕組みを磨いています。
「可視化」の先にあるもの。人事のパートナーとして目指す未来
可視化の本当の目的は「現場での継続的な変革」
私たちが効果測定や可視化のアップデートにこだわるのは、単に報告用レポートを作るためだけではありません。真の目的は、可視化されたデータやレポートを「人事と受講者、 そしてその上司が対話するための共通言語」にすることです。
「越境先でこんな葛藤を乗り越えてきたんだね」「上長評価でも『意思決定の力』が高まっているから、今度の新規プロジェクトを任せてみよう」
可視化の仕組みを磨いていくことで、社内に戻った後の配置転換やタフアサインメントの議論が具体化し、受講者の「一生モノの原体験」が会社全体の「組織変革の推進力」へと広がっていく未来を目指しています。
一緒に「未知の挑戦」を楽しめる頼れるパートナーへ
新規事業の立ち上げ期、売上がない中で肩身の狭い思いをしながらも、「絶対になんとかする!」と泥臭く道なき道を切り拓いてきた私自身の経験。そして、幼少期に活気あふれる現場で様々な大人たちのリアルな葛藤やドラマを見てきた原体験。
それらがあるからこそ、私は人事のみなさまが社内で感じる葛藤やプレッシャーにどこまでも共感できますし、「絶対にこの研修施策を成功させて、社内をあっと言わせましょう!」と本気で背中を押し続けることができます。
「前例がないからこそ、型を作って成果を見える化する探求のしがいがあるんです!」
受講者のみなさんが殻を破る瞬間を創り、人事のみなさまが自信を持って経営陣に成果を示せるよう、これからも越境デザイナーとして現場で泥臭く試行錯誤を重ね、前向きに伴走していきます。
「うちの組織の育成施策、やりっ放しになっているかも…」「効果測定のやり方を一緒に考えてみたい」とお悩みのアクション志向の人事のみなさま、ぜひ一度、私と一緒に「行動変容の可視化」の可能性について語り合ってみませんか?
◆執筆者プロフィール
藤生 朋子(株式会社エンファクトリー ライフデザインユニット 越境デザイナー リーダー)

Webデザイナーとして15年のキャリアを積んだ後、2021年より越境研修サービス「複業留学」の立ち上げに参画。過去5年間で300名以上の研修生支援を担当。複業活動として、東京都中野区の子育てボランティア団体運営、デザイナーとして地元群馬県桐生市支援を行う。
「研修効果の可視化」や「次世代リーダーの育成の型化」にお悩みではありませんか?
エンファクトリーでは、研修を「やりっぱなし」で終わらせず、次世代リーダーの覚醒と組織変革を実現する各種越境研修プログラムを提供しています。
幹部・リーダー育成のプログラム設計から、参加者の成長・行動変容を定量・定性で示す可視化(効果測定)まで、「越境デザイナー」が貴社の人材育成・経営課題に寄り添い、最適な仕組みをご提案します。
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