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複業留学体験レポート「異業種での挑戦 – スタートアップ支援という新たなフィールド」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた東海東京証券株式会社 浅野様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
NAGOYA INNOVATOR’S GARAGE
https://garage-nagoya.or.jp/

──本業での仕事内容を教えてください。

私は現在、富裕層向けの営業管理職を担当しています。これまでの10年間は個人のお客様向けの営業を行ってきましたが、現在は5年目となるこの職務に就いています。

特に、富裕層エグゼクティブのお客様向けの営業を主に行いつつ、部下5名の管理も並行して行っています。

──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

私が複業留学に参加したのは実は今回で3回目です。2020年、2021年と2回の複業留学を経たタイミングで、富裕層営業部の管理職になるという新しい職務に就きました。その新しい職務についての課題感は当初から認識していましたが、2年間本業でその課題を並行しながら経験を積んだ後、改めて複業留学に挑戦したい気持ちがあり、新しい職務に就き2年が経過したタイミングで、今回再び複業留学にチャレンジすることを決めました。

これは自身の5年間のキャリアプランで考えていたことで、本業で得た知識を複業留学で活かすフェーズとして位置づけていました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

私が複業留学先として選んだNAGOYA INNOVATOR’S GARAGEは、スタートアップの支援活動を主に行っている会員制のコワーキングスペースです。ここではスタートアップのエコシステム作りを目指して活動しており、新たに起業を志す人たちへの啓蒙セミナーや、既に起業している人たちへのメンタリングなどを行っています。

私たちも富裕層向けのエコシステム作りを目指しているため、その活動に合わせてイベント企画などの営業活動を行いました。

スキルや能力、ノウハウについては、人と関わる仕事が主であるため、イベント広告や集客などの能力が活かせたと思います。特に、イベントを企画し集客するという部分は、営業と近いスキルやノウハウが求められ、これらが活かせたと感じています。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

複業留学で一番困ったことは、 自分の能力やノウハウが広く活かせると気づいた一方で、自分が対応できる時間や能力の範囲には限りがあるということに気づいたことです。

情報を十分に精査できないまま人に繋げてしまい、仲介責任を問われることが増えました。これまで自分一人で業務や、数人の部下を持つ業務はこなせていましたが、何十人、何百人という大勢の人々やエグゼクティブの方々をつなぐということには、まだ経験や能力が足りないと感じ困りました。

この問題を乗り越えるためには、周りの先輩からのメッセージが大きな助けとなりました。 「失敗やイレギュラーは必ずある。イレギュラーを起こさないような仕組みづくりを考えるのではなく、イレギュラーが起こった時にどう振る舞うかを考えなさい」というアドバイスを受けました。新しいことをするにあたって、イレギュラーは必ずあるものという前提のもとで、それが起こった時にどう対応するかを考える能力を磨くことができました。その結果、いくつかのアクシデントが起きましたが、それらを乗り越えることができました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

留学先で一番驚いたことは、 一緒に働く人たちの質の高さとその多様な経験です。

本業では考えられなかったような、起業経験を持つ人や博士号を持つ理系の方々と同じ職場で働くという経験は、そのレベルの高さに驚きました。

また、違いとして感じたのは、多種多様な人たちがいる中で、全員が対話を通じてコミュニケーションを図ろうとする姿勢があったことです。 閉鎖的な人は一人もおらず、私が短い間である3ヶ月間でも受け入れてくれるような土壌があったことに感銘を受けました。

この経験から、自社でも人を受け入れるような多様性を受け入れ、開放的にコミュニケーションを取るような風土が必要だと感じました。今後は、東海東京に来てくれる人たちが自身の価値観を発揮できるような環境づくりを考えていきたいと思います。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。

複業留学の前後で一番変わったのは、 自分で手を動かし、何かを創造するという行動力や創作力が増したことです。

留学が終わった後から、自分で何かを立ち上げようとしたり、改良できないかと考えるようになりました。それは教科書に載っていることを真似するのではなく、自分で考えて行動するという変化でした。

また、周りの人々への影響としては、社内で相談を受ける機会が格段に増えたことが挙げられます。毎日のように様々な部署の方から一緒に何かをやりましょうという話を受けるようになりました。さらに、一緒に動くと面白いと思えるような社内の人を見つける視点が変わりました。その結果、 一緒に何かをやっていくメンバーを探す視点が広がり、人々の良いところやスキルに着目するようになりました

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

同期と一緒に複業留学に取り組んだ経験は、非常に充実したものでした。同期は、複業留学が初めてにも関わらず、自分なりにできることを深く考え、それを実行に移す姿勢がありました。自分は3回目の複業留学で、活動イメージがある程度イメージできましたが、初めて取り組む同期が一生懸命に取り組む姿を見て応援したいと感じました。

また、私たちが継続的に参加するだけでなく、新たな参加者が続けていけるような環境を作ることが重要だと考えています。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

第三者から高い評価をいただくことはもちろん嬉しく大切なことですが、自分自身は満足していません。自分のことを否定的に見る傾向がありますが、それは自分自身を冷静に見つめ、奢らず謙虚に、まだできることがたくさんあると感じることができるからだと思います。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

複業留学で積み重ねてきた経験を、これからは社内外の人々に広めていくフェーズに入っていると感じます。 積極的にこの経験を広げていきたいと思っています。

また、このプログラムが存在することを伝えるだけでなく、自身が実際に体験した者として、このプログラムが次の循環サイクルに入るための一助となればと思っています。

そして、受動的ではなく、能動的にこの複業留学のような「越境」という活動を広めていくことを考えています。全体最適を目指す方向に変わってきたという印象です。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

私が周りに伝えていることは、「 やるかやらないか」ではなく、「どの程度やるか」を考えることです。本業と複業留学のバランスを取るというよりは、比率をどう配分するかが重要だと思います。

その割合は7:3でも、5:5でも、9:1でも構いません。ただ、 10:0という選択肢はほぼないと思っています。本業の配分が決まれば、複業留学の配分も決まりますし、逆も同じです。

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