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複業留学体験レポート「本業から一歩外れて見えた新たな世界を経験することで視野や視座が広がった」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社 松谷様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
株式会社Cheer
https://cheercareer.jp/corporate

──参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。

はい、その時の気持ちは期待と不安が半々でした。今まで他の会社にも行ったことがなく、部署異動さえしたことがなかったので、新しい環境下での仕事が本当に楽しみでした。
一方で、全く知らない会社に行くことになるというのは、自分が通用するのかという不安もありました。また、本業から外れることになるので、本業の方が大丈夫なのかという心配もありましたが、期待以上の結果が得られました。

──不安だった部分は、実際に複業留学を経験してみてどうでしたか?

不安だった部分については、留学先の取締役にいろいろ対応してもらえたのが良かったと思います。取締役からは、「ここでもやっていけるし、どこでもやっていける」というコメントもいただいたので、自分の中でも少しだけ自信がつきました。製薬会社だけではなく、他のところでも、努力すれば何とかなるということを実感しました。

──本業での仕事内容を教えてください。

複業留学期間中は製薬会社の営業として、主に医療機関に対して薬剤の情報提供を行っていました。現在は経営企画部の新規事業推進課に所属し、治療薬以外の新しいソリューションを提供するための新規事業を考え、リリースし、売っていくという立場で仕事をしています。
複業留学期間中に異動の辞令があり、留学期間中は、前の仕事、新しい仕事、そして複業留学と三つを同時に行っていました。辞令が出たのが2023年11月で、その後引き継ぎを行い、1月から新しい部署に赴任しました。引き継ぎ期間が長かったので、しっかりと準備をすることができましたが、特に10月・12月は非常に忙しい期間でした。しかし、今は一つの仕事に集中できる環境なので、仕事を進めやすいです。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

留学先では、人事部の採用担当のような仕事をしていました。主に学生さんを留学先企業のサイトに誘導することがメインの仕事でした。しかし、ビジョンとしては、学生たちが何も知らずに有名な大手企業を選ぶのではなく、ベンチャーやスタートアップ、中小企業など、様々な選択肢を見てから選んでもらうことを目指していました。そのために、選択肢を広げて選んでもらうことで、ミスマッチで退職する人を減らすことができればと思っていました。
活かすことができたスキルは、一つは、以前の営業の経験から得た面談スキルやプレゼンテーションスキルです。これらは学生に対しても活かすことができました。
また、昨年取得したキャリアコンサルタントの資格も活かすことができました。特に学生の面談では、キャリアコンサルタント的な視点が強く求められました。また、インターンシップの企画では傾聴力をメインに活動し、キャリアコンサルタントの知識と資格が活きたと感じています。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

大きな困難はありませんでしたが、結果を出さなければ、ここで働いている意味がないのではないかという不安はありました。また、飲み会に誘ってもらえないことも少し気になりました(笑)
週に一度の出勤日に、取締役から「今日はアポ取らないとダメだよ」と冗談交じりに言われることがありました。それが冗談であっても、達成しようという意識を持って取り組みました。実際に、そういった目標に対してはしっかりと結果を出すことができたと思います。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

圧倒的なスピード感です。 昇進やジョブローテーションが非常に早く、入社2年目でマネージャー職に就いていたり、職種が3つ4つと変わっていたりするのを見て、そのスピード感に圧倒されました。私の経験では、一人前になるまでに3年から5年かかり、全社に影響を及ぼせるようになるまでには10年程度のスパンが必要でした。しかし、ベンチャー企業では1~2年程度でそのようなステップを踏むことができるので、早く多くの経験をして成長したい人にはベンチャーが良いと感じました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。

複業留学を通じて、自分の視野や視座が広がったと感じています。以前は自分の営業の立場から絶対に正しいと思ったら、それを強く主張していました。しかし、他の立場になると、それが必ずしも正しいわけではないと気づきました。 異なる立場から物事を見ることで、自分の視野が広がり、立場によって考え方が変わることを理解できたと思います。
知っているのが自分の会社や部署だけですと、視野が狭くなりがちです。しかし、他の会社を見ることで、自分たちがやっていることが必ずしもすごいわけではないと気づきました。それぞれの部署が頑張って生産性を出しているという意味では、営業が偉いとか、その他の部署が偉いとか、そういうことはないと感じました。

周りへの影響が出ているかは確認できませんが、ピアサポーターで参加してくれた方々は、少なくとも私の変化を感じているのではないかと思います。私が気づいたことが、ピアサポーターの方々を通じて広がっていくことは、私にとっても非常にうれしいことです。これからも複業留学を通じて、多くの人が新たな視野を持つことができればと思います。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

一番の学びは安心感でした。自分がコミュニケーションに苦労しているとき、他の参加者も同じような悩みを抱えていることを知り、共感しました。共有会などで、他の参加者も受入企業での仕事自体はできているものの、コミュニケーションの部分で困っているという話を聞いて、自分だけではないと感じることができました。また、最初の一社二社から断られるという経験も、他の参加者と共有することで安心感を得ることができました。自分一人だけが抱えている不安ではないと知ることは、大きな安心感につながりました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

評価を受けて、非常に嬉しかったです。特に、留学先の取締役からの評価は、本当に思っていることしか言わないというスタンスを持っている方からのものだったので、それが良い評価だったことには大変感謝しています。評価シートは真剣に書かれていると感じ、それが良い評価だったので、本当にそう思っていただいているのだと、嬉しく思いました。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

この複業留学の経験が既に本業でもとても活きていると感じています。
具体的には、まさに現在自分がベンチャーのような活動をしています。新しい環境下で、新規事業を立ち上げている様々な企業の人たちと交流を持つことができました。ベンチャー企業に行ったからこそ、今の環境に適応できると感じています。
ベンチャー企業での経験は、自分にとって非常に良い経験でした。大企業の新規事業部とは違い、本当のベンチャー企業では、厳しい環境下での自転車操業のような状況を経験しました。しかし、その経験が今後の仕事に活きてくると感じています。
大企業の新規事業部では、後ろ盾となる企業があるため、新しい事業を進めやすい環境があります。しかし、ベンチャー企業では、そのような保証はありません。その違いを理解することができたのは、複業留学の大きな収穫でした。これからは、複業留学で得た経験を活かし、新規事業の立ち上げや他の部署の方々との意見交換など、様々な活動を行っていきたいと思っています。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

外の世界を見てこい、と伝えたいです。週一日、短い期間でも、自分が知らない業務内容の場所に放り込まれる経験は非常に価値があると思います。ただし、それなりに変化を楽しめる人でないと難しいかもしれません。特に、年代が若い方には良い環境だと思います。他の企業を見てきて「良かったよ」というだけでなく、しっかりと学んだことを自社に還元していきたいと思います。

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